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ダイヤ、ロシアの忍者キラーを倒して回る
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空中で胸を撃ち抜かれた大也が、
「ふざけるなよーーゲホっ」
血を吐きながら地上に落下する様子を視認したマキシムが無線で、
「地上部隊、今のが標的だ、始末しろっ!」
『こちら、ロアン。標的は落下中に窓ガラスを割って屋内に逃げ込みました。4階です』
「了解。こちらで追う」
マキシムはそう言って、自分で斬り破ったコンクリートの穴から屋内に戻った。
中東アジアのゲリラとの武器取引を妨害されたロシアは都内の忍者キラー部隊の全兵力を投入して日本の犯罪忍者対策室を襲撃している。
不意討ちもあり作戦は成功を収めて、10階建ての本部ビルは粗方ロシア側が制圧していた。
マキシムが階段を跳び降りるように折り返しの踊り場に1歩で着地し、更にもう1歩で下の階層まで移動する。
その要領で僅か10秒で4階に移動したマキシムが、
「標的は4階のどこだ? 座標を頼む」
マキシムがゴーグル内蔵のモニターに映る本部ビルのマップを確認した。
エリアが示されて部屋に向かうが、確かに窓は外側から割られていたが、大也は居なかった。制圧時に倒された職員の遺体が3つあるだけだ。
マキシムがその遺体3つを影の忍法の刃で貫いた。
そうなのだ。マキシムは影の忍法も使えた。
ドーピング・オーガを使ったマキシムは『鏡の鬼』の力を有しており、視た忍法を負傷するという条件付きで限定的に使えたのだ。よって潜入前に仲間に攻撃して貰う事で複数の能力が使えた。
「全員女だからな。さすがに違うかーーなら、どこかに逃げた? 胸を貫かれてそんなに動けるとも思えないが」
マキシムのゴーグルのモニターの端には本作戦のタイムリミットがカウントされている。残された時間は3分。それ以上経つと増援がやってきて面倒臭い事になる。
(隠れて時間を稼ぐつもりか?)
そう思った時、イヤホンから、
『グアアアア』
『ギャアア』
と仲間の悲鳴が聞こえてきた。
「どうした? 何があった?」
『キャアアア』
『ゲホーーこれは。あり得ない』
「おい、何があったんだ?」
マキシムのゴーグル内蔵モニターの仲間のビーコンが次々に死亡になっていく。
敷地内の地上部隊は全滅。1階の制圧部隊も。2階、3階と次々に狩られてる。
「――クッ、この制圧力。増援部隊が100人以上来たのかーー」
階段まで一直線の廊下に立つマキシムが構える中、現れたのはギャング衣装の標的1人だけだった。
中折れ帽を眼深に被って、眼が見えないが、顔は大也だ。スーツとシャツの胸部分には穴が開いている。だが、血は止まってるらしい。傷口が塞がるほど回復力がある?
そして、その大也はヤラしく口元が歪めていた。
「ふん、まだ生きていたかーー」
マキシムが廊下をコンマ1秒で突進する中、大也がマキシムを指差した
「何だ? 風忍法なんて屋内で使っても弱いだけだろうがーー」
勝ち誇るマキシムの胸がドクンッと脈打った。
直後に突進するマキシムの速度が落ちる。まるで普通の人間みたいに。
「えっ?」
大也が風弾銃を抜いてマキシムに向けた。
(そう言えば忍者刀は持っていないな)
そうマキシムが思った時には風弾銃の風の弾丸でゴーグル共々眉間を撃ち抜かれた。
ゴーグルのお陰か致命傷じゃないが、それでも吹き飛び、床に叩き付けられる。
額が割れて血が流れてるが、
「馬鹿がーーそれを待ってたんだよ、喰らえっ!」
マキシムが風忍法で風の弾丸を手から放出しようとしたが、風の弾丸は出なかった。
「ーーなっ、どうして?」
「いくら強者に憧れようと弱者は強者になれないって事さ」
床に這ったマキシムは見上げた大也の帽子に隠れた眼が真っ赤な事に気付いたが、それ以上に気になったのが、
「力が出ない? まさか、ドーピング・オーガの効果が切れて――」
カチ、カチッと音がして、真相に辿り着いたマキシムは風の弾丸に頭を撃ち抜かれて死亡したのだった。
その後、ダイヤは本部ビルを襲撃した忍者キラーを始末して回り、途中で『危険だ』と判断した3人だけが屋上に出て逃亡したが、その他は全員が風弾銃の的として撃ち貫かれたのだった。
「ふざけるなよーーゲホっ」
血を吐きながら地上に落下する様子を視認したマキシムが無線で、
「地上部隊、今のが標的だ、始末しろっ!」
『こちら、ロアン。標的は落下中に窓ガラスを割って屋内に逃げ込みました。4階です』
「了解。こちらで追う」
マキシムはそう言って、自分で斬り破ったコンクリートの穴から屋内に戻った。
中東アジアのゲリラとの武器取引を妨害されたロシアは都内の忍者キラー部隊の全兵力を投入して日本の犯罪忍者対策室を襲撃している。
不意討ちもあり作戦は成功を収めて、10階建ての本部ビルは粗方ロシア側が制圧していた。
マキシムが階段を跳び降りるように折り返しの踊り場に1歩で着地し、更にもう1歩で下の階層まで移動する。
その要領で僅か10秒で4階に移動したマキシムが、
「標的は4階のどこだ? 座標を頼む」
マキシムがゴーグル内蔵のモニターに映る本部ビルのマップを確認した。
エリアが示されて部屋に向かうが、確かに窓は外側から割られていたが、大也は居なかった。制圧時に倒された職員の遺体が3つあるだけだ。
マキシムがその遺体3つを影の忍法の刃で貫いた。
そうなのだ。マキシムは影の忍法も使えた。
ドーピング・オーガを使ったマキシムは『鏡の鬼』の力を有しており、視た忍法を負傷するという条件付きで限定的に使えたのだ。よって潜入前に仲間に攻撃して貰う事で複数の能力が使えた。
「全員女だからな。さすがに違うかーーなら、どこかに逃げた? 胸を貫かれてそんなに動けるとも思えないが」
マキシムのゴーグルのモニターの端には本作戦のタイムリミットがカウントされている。残された時間は3分。それ以上経つと増援がやってきて面倒臭い事になる。
(隠れて時間を稼ぐつもりか?)
そう思った時、イヤホンから、
『グアアアア』
『ギャアア』
と仲間の悲鳴が聞こえてきた。
「どうした? 何があった?」
『キャアアア』
『ゲホーーこれは。あり得ない』
「おい、何があったんだ?」
マキシムのゴーグル内蔵モニターの仲間のビーコンが次々に死亡になっていく。
敷地内の地上部隊は全滅。1階の制圧部隊も。2階、3階と次々に狩られてる。
「――クッ、この制圧力。増援部隊が100人以上来たのかーー」
階段まで一直線の廊下に立つマキシムが構える中、現れたのはギャング衣装の標的1人だけだった。
中折れ帽を眼深に被って、眼が見えないが、顔は大也だ。スーツとシャツの胸部分には穴が開いている。だが、血は止まってるらしい。傷口が塞がるほど回復力がある?
そして、その大也はヤラしく口元が歪めていた。
「ふん、まだ生きていたかーー」
マキシムが廊下をコンマ1秒で突進する中、大也がマキシムを指差した
「何だ? 風忍法なんて屋内で使っても弱いだけだろうがーー」
勝ち誇るマキシムの胸がドクンッと脈打った。
直後に突進するマキシムの速度が落ちる。まるで普通の人間みたいに。
「えっ?」
大也が風弾銃を抜いてマキシムに向けた。
(そう言えば忍者刀は持っていないな)
そうマキシムが思った時には風弾銃の風の弾丸でゴーグル共々眉間を撃ち抜かれた。
ゴーグルのお陰か致命傷じゃないが、それでも吹き飛び、床に叩き付けられる。
額が割れて血が流れてるが、
「馬鹿がーーそれを待ってたんだよ、喰らえっ!」
マキシムが風忍法で風の弾丸を手から放出しようとしたが、風の弾丸は出なかった。
「ーーなっ、どうして?」
「いくら強者に憧れようと弱者は強者になれないって事さ」
床に這ったマキシムは見上げた大也の帽子に隠れた眼が真っ赤な事に気付いたが、それ以上に気になったのが、
「力が出ない? まさか、ドーピング・オーガの効果が切れて――」
カチ、カチッと音がして、真相に辿り着いたマキシムは風の弾丸に頭を撃ち抜かれて死亡したのだった。
その後、ダイヤは本部ビルを襲撃した忍者キラーを始末して回り、途中で『危険だ』と判断した3人だけが屋上に出て逃亡したが、その他は全員が風弾銃の的として撃ち貫かれたのだった。
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