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7章

199話 とばっちり

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 今日はイベント戦の配信でーす!
 レースゲーはあんまし得意じゃないから、多分そんなに上位の方には食い込めないと思うんだよねぇ。
 そういえば初めて知ったんだけど、ゲーム内システムを使っての配信だから、ゲーム内でも配信状況が見れるってすごくね?

『いいからゲーム見せろ』
『ポンコツがそんな事気にすんなよ』
『状況見て賭けるんだから前出ろよ』

 もー、分かってるってば、まあ、そもそもレース開始からすぐに巻き込まれて出遅れてるんだけどさあ。で、最初の障害物地点の地雷原までは小競り合い含めて結構大変だったよ。
 今もまあ、その地雷原をのろのろ走ってるんだけど。

『これ後行ってる奴が有利じゃね?』
『路面状況はクッソ悪いが』
『地雷はリスポンしてる?してないなら楽そうだけど』

 いやーしてるっぽい?って言うか結構規則的な配置してるっぽいけど、どうなんだろ?ちょっと盛り上がっている所が地雷仕込んでる所かな。
 結構ごろごろあるし、こういう時はこういうので対処するのがいっちばーん。

『何する気だよ』
『体張って地雷踏むのか』

 ちげえよ!ほら、ガンナーなんだから、こういったレース物じゃ射撃武器って重要だからねー、前方の地雷仕込んでるっぽい所に、こう、ちょいちょいっと撃ち込んでやればすぐよ。

『お、爆発した』
『いつの間にそんな無駄撃ち出来るようになったんだ?』

 このクランには先駆者が多いから銃弾の大量生産も出来てるし、何だったらガンナーギルドも見つけてるもんねー、もう、銃弾なーいなんて言ってひーひー言う事はないよ。
 
『え、ガンナーギルド探し当てたのか』
『いや、絶対に自力じゃないな、入りたいって言ってたクランの人が先見つけ出してたんだろ』
『まあ、それだな、結構ガバだし』

 うっせー!そうだよばーか!先に見つけてたのはうちのボスだよ!いーじゃん、いーじゃん、代わりに配信映えするようになったんだから、見てて楽しいじゃんか!
 そもそもガンナーギルドの中をちゃんと配信してたんだから、わかってるじゃない。……いや、まあ、場所までは写してないからそこは自力で見つけてねってスタンスだけど。
 これでもかなり義理堅いからさあ、拾ってもらった恩義諸々あるから、あんまし不義理な事したくないわけよ、前に一回クランハウスの配信した時にめっこり怒られたし?

『見せちゃいけない所まで見せそうになったあれか』
『やはりピンク髪はポンコツと言う宿命』

 って言うか、その件は反省したんだからいいだろ。とにかく今回のイベントの配信なんだから、そっち見ろよー。
 
『騎乗ユニットが足の速い鳥?』
『恐竜っぽいな、なんだ?』

 ダチョウの祖先らしーよ?乗りやすさと、片手で動かせるから選んだけど、大分快適。あんまし詳しくないから、知ってたら誰かおせーて?
 
『ガリミムスだな、確か最速って言われてる恐竜』
『配信見てると、馬、バイク、車、ロバまでは確認できたな』
『車輪か足がついてりゃセーフって言うがばがばレース、嫌いじゃないわ』
『動力不明物でもセーフっぽいな、こりゃ』

 へー、そんな名前なんだ、ビジュアルと操作の感じで決めたけどねー。
 とにかくそのガリガリが良かったからね、乗って足だけで操作出来る馬みたいな感じかな、手放ししやすいし、結構いい感じに動いてくれるじゃない?
 とりあえず2足でぱたぱた走ってくれるから、地雷もある程度避けてくれるから、すっごい優秀。

『それでもそんなに、前の奴に追いついてないのは?』
『最高速度が一緒らしいから、何かしらの遅延行為で減速させるしかない』
『さっさと撃って攻撃しろよ』

 わあってるー。動いてる相手に当てるって結構大変なんだから。
 大量に銃弾ばら撒いているバイパーさんじゃないし、そもそもガンフーだから接近しないとあんまし当たらないんだって。

『誰だそいつ』
『闘技場実装してからランク1位にいるトカゲ頭だったかな、銃弾ばら撒きの超ごり押しプレイで結構対策されてる奴』
『聞いた限りじゃ強そうに思えないんだが』
『開幕すぐに防御か攻撃に回らないとハチの巣にされる、防御振っても軽く防御抜いてくるから対策出来ないとフルボッコ案件』
『クソゲーすぎんだろw』

 でしょー、っと……結構攻撃飛んでくるの危ないなあ、カウンターメインで立ち回った方が良さそうかなあ。細身ってのと生物だからするっと攻撃避けてくれるいい子よ、このガリガリ君。お、いいね、ガリガリ君、やっぱり名前が良いから売れるってわかるけど、大丈夫かな。

『アホな事考えてるとやられるぞ』
『前から来てる』
『馬鹿、避けろって』

「お前かぁ!」

 うん?どっかで聞いたような声が聞こえた気がするけど……うっわ、何、いや、ちょっと!?

『ポンコツ、アウトー』
『ガリガリ君ちゃんと相手の攻撃避けてるのに本体が避けられない』
『配信中に油断してダウン取られる配信者の随一の間抜け』

 うっせー、うっせー!って言うか、うちの子、とっとこ前行っちゃったんだけど、あれ帰ってくんのかな?そもそもHPまだ全然あるんだけど……うん、やっぱ迎えに行くわ!

『レース中に走るプレイヤーがいるってよ』
『流石にAGI振ってても無理だな』
『絶賛間抜けな姿晒し中』

 今日はちょっと当たり強くねーか?お、いたいた、しっかり止まって待っててくれるのは生物だからって事かな。普通の乗り物だったらそのまま前行って追いつけなくてアウトみたいな感じになりそう。っしょっと、流石に遅れた分取り戻さんと、うちのボスに笑われちゃうっての!

『ところでボスって誰なんだ』
『こんなポンコツ拾ってくれる聖人』
『見る目が無いかもしれん』

 お、てめえら、ちょっと表出ろよ、私の事はいいとしてもボスの事はダメだ。
 
『あ、これはマジで駄目なやつ』
『あまり他のプレイヤーを貶める事はやめーや』

 そうそう、しかも落ちた間にがんがん抜かされるわ、地雷の爆風飛んでくるわで、遅れてるんだから、余計な事して負けるのはちょっとねー。

『結局手を出さないなら負けるレースか』

 そう言う事、あとすっごい地味だけど、スリップストリームもあるわ。これ結構単体のレースゲーとしても良い感じだなあ。闘技場の事も考えたらこの後、このレースゲーもゲーム内実装するんじゃないかな。うちのクランじゃ速度狂みたいな人はいないから、あんまし手ださなさそうだけど。

『そんな事言いながら他プレイヤーの尻に付いてるいやらしい奴』
『機体の大きさとか関係あるのか?』
『イベント参加できないの悔しいわ』

 そんな事より、さっきぶん殴ってくれた奴に復讐しなきゃならないのと、ボスの事見つけて一攫千金も狙わないと行けないんだよね。
 とにかく先頭集団に追いつかないと、始まんないし、さっさと地雷原抜けていこう。

『流石にポンコツには賭けはしないかな』
『上位入ったら投げ銭してやるわ』

 うー、結構言ってくれるじゃん、私だってガンナー二次職だし、いいとこ行ってやるからな!
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