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宿角玲那編
凌辱
しおりを挟む身長百四十八センチ。体重三十八キロの玲那と、身長百七十八センチ。体重七十五キロの宿角健雅が真っ向から喧嘩をして、どちらが勝つだろうか?
運動の類は苦手で体を鍛えてなどまったくいない玲那と、ジムで体を鍛えて筋肉の形に拘っている宿角健雅とどちらが強いだろうか?
武器などを使わなければ、同じ条件であれば、百回戦ったところで百回とも宿角健雅が勝つだろう。玲那が勝てる要素など何一つない。そんな相手を殴れるその神経は、果たして正常だと言えるのだろうか?
二歳や三歳の子供が大人に勝てる道理はあるのか? 何百回喧嘩したところで絶対に負けない相手を殴ることに何の正当性があるというのか? それを卑怯と思わない神経が、果たして正常なのだろうか?
玲那は、赤ん坊の頃から両親に何度も殴られてきた。<殴られれば痛い>。そんなことは言われなくとも骨の髄まで沁みついてる。そんな玲那を今さら殴る意味は?
暴力事件を起こす人間を調べてみて、これまで一度も殴られたことがないと証言するのが果たして何割いるだろうか? 殴られれば痛いということを知らずに事件を起こした人間が何割いるのかきちんと調べた者はいるのだろうか?
『殴られないと殴られる痛みは分からない』とする根拠は?
殴られる痛みを知っている者をさらに殴ることで痛みを教えられるとする根拠は?
殴られる痛みを知っており、他人に蔑ろにされる苦しみを誰よりも知っている筈の玲那が何故、何人もの人間を傷付け殺すことになったかを上手く伝えられるかどうか……
宿角健雅は、一言で言えばとにかく身勝手な男だった。一から十まで自分が最優先されないと気が済まず、自分のことを後回しにされたりすると酷く不機嫌になった。それどころかすぐに怒鳴り散らし、果ては暴力まで振るう。そんな人間だから喧嘩は日常茶飯事で、ナイフで刺されたことさえある。その時の傷が腕と脚に残っており、ナイフで刺されながらも相手をぶちのめした一件は彼が語る定番の武勇伝だった。
当然、殴られれば痛いということくらい知っている。痛みを知っているのだ。問題は、その痛みを軽んじているということだ。それが日常過ぎて痛い程度では懲りたり反省したりしないのだった。痛みに慣れてしまって麻痺しているのである。そして痛みではこの男は止められない。殴られたくらいでは怯まない。たとえその時は勝てなくても、自分が勝てない相手となれば武器を持ち仲間を集めて報復する。鉄パイプで他人の頭を殴るくらいのことは何一つ躊躇せずできてしまう人間だった。
この男を殴って止められると思うならやってみるといい。その後、仲間を使って家まで調べ上げられて家族共々半殺しにされる覚悟があるのなら。男は手足を折られ若い女性は薬物を打たれ徹底的に嬲りものにされるだろう。こいつはそういう人間なのだ。
玲那に対してもそういう本性を見せるのにそれほど時間はかからなかった。
一緒に暮らし始めるとまず、玲那に徹底的に自分を敬い挨拶することを命じた。
「オレ、礼儀をわきまえてないヤツは許せねーから。
朝起きたら『おはようございます』。お辞儀は直角ね。オレが何か声かけたら『ありがとうございます』を忘れんな」
そう言った次の瞬間、手元にあったガラス製の灰皿を玲那に投げつけた。頭に当たる直前に咄嗟に手で庇ったものの、腕に当たって骨まで響いた。
「ありがとうございますって言えっつったろ!! あ”!?」
そう。声を掛けたから『ありがとうございます』と頭を下げろと言っているのである。
「…ありがとうございます」
「声が小せぇ!!」
「ありがとうございます!」
「そうだよ。やればできんじゃねーか。それと、掃除しとけよ」
「ありがとうございます!」
一事が万事、この調子だった。この男は、これを<躾>だと思っているのである。躾が必要なのはどちらなのであろうか。
玲那は、健雅の命じるままに忠実に従った。心を閉ざし余計なことは考えず、ロボットのように。そうすることが一番楽だった。それが徹底しているので、意外と暴力は受けなかった。だから痣などもできることなく、それ故に学校側も暴力的に支配されていることが把握できなかった。
しかしこれは、玲那が味わう地獄の入り口に過ぎなかったのだった。
一緒に暮らし始めて一年が経ち、玲那は十四歳の誕生日を目前に控えていた。と言っても、十三歳の誕生日の時にも何もしてもらってはいない。
それでも玲那もそれなりに成長し、明らかに子供から女性へと変わり始めていた。背が伸び、胸の膨らみも、服の上からでも一見しただけで分かるほどになっていた。
「へぇ…」
風呂上りに髪を拭きながら自分の部屋へと歩いていく彼女の姿を見た宿角健雅の目に、ギラリと光るものがあった。口元にはニィと淫猥な笑みが浮かんでいた。
宿角健雅に小児性愛の性癖はなかった。だが、女性らしい体つきになってきたならば話は別である。
リフォームの対象から外され、他の部屋などと比べると明らかに見劣りする古びた自室でベッドに座って髪を拭いていた彼女の前に、突然、ドアを開けて真っ黒な肌の筋肉の塊が立ちはだかった。健雅だった。
「玲那ぁ、お前もちゃんと女になってきてたんだなあ…?」
その物言いと、彼女の体を舐めまわすかのような視線と、口元に浮かんだいやらしい笑みを見ただけで、彼女には健雅が何を考えているのか分かってしまった。
だが、しばらくそういうことから解放されていたからか、心のどこかではもう二度とそういうことはしたくないと思ってしまっていたのか、彼女の体はこの時、無意識のうちにそれを拒もうとするかのように逃げ腰になっていた。そしてそれが健雅の癇に酷く障ってしまったらしい。
「玲那、手前ぇ! オレを舐めてんのかぁ!!?」
それまではとても従順だった<娘>が自分に逆らうような素振りを見せたことで、健雅の暴力的な部分のスイッチが入り激しく燃え上がった。自分が見くびられたとも感じてしまったのかもしれない。それは健雅にとっては何よりも許せないことだった。見くびられることはこの男にとっては自分の存在そのものを蔑ろにされるのと同じであった。
「っザケんなよ、おるぁああっ!!」
怒声と共に飛びつくように掴みかかり、思わず自分を庇おうとして掲げた玲那の指を鷲掴みにした瞬間、健雅は何一つ躊躇うことなく手加減なしでその指をありえない方向へと捩じっていた。
ペキッ! という感じの細くて硬いものが折れる音と共に、玲那の口から絶叫が迸った。
「あ、あぁあぁああぁぁぁっっっ!!」
本来なら決して向くはずのない方向に折れ曲がった指を抱え、彼女はうずくまる。しかし今度は頬にガツンと固く重いものが叩き付けられ、体ごとベッドの上へと崩れ落ちた。健雅が玲那の頬を拳で殴りつけたのだ。
折れた指と頬の痛みに耐えかねて、彼女はベッドに俯せになって体を丸めた。すると健雅は玲那のスウェットの下を掴み、下着ごと乱暴に引きずりおろした。ようやく女性らしい丸みを帯び始めていた柔らかそうな尻が姿を現した。
「オレが使ってやるからよ!、感謝しろ!!」
そう喚きながら健雅が何度も尻を張る。見る間に真っ赤に染まっていくそれが平手で張られるたびに、ビクッ、ビクッ、と玲那の体が跳ねる。
痛みに耐えようとしているのかベッドに顔を押し付けて、彼女は声にならない呻き声を上げていた。それにも構わず、健雅は、自分の唾をたっぷりと塗り込んだ<娘>の膣に、己の怒張したものを捻じ込んでいったのだった。
運動の類は苦手で体を鍛えてなどまったくいない玲那と、ジムで体を鍛えて筋肉の形に拘っている宿角健雅とどちらが強いだろうか?
武器などを使わなければ、同じ条件であれば、百回戦ったところで百回とも宿角健雅が勝つだろう。玲那が勝てる要素など何一つない。そんな相手を殴れるその神経は、果たして正常だと言えるのだろうか?
二歳や三歳の子供が大人に勝てる道理はあるのか? 何百回喧嘩したところで絶対に負けない相手を殴ることに何の正当性があるというのか? それを卑怯と思わない神経が、果たして正常なのだろうか?
玲那は、赤ん坊の頃から両親に何度も殴られてきた。<殴られれば痛い>。そんなことは言われなくとも骨の髄まで沁みついてる。そんな玲那を今さら殴る意味は?
暴力事件を起こす人間を調べてみて、これまで一度も殴られたことがないと証言するのが果たして何割いるだろうか? 殴られれば痛いということを知らずに事件を起こした人間が何割いるのかきちんと調べた者はいるのだろうか?
『殴られないと殴られる痛みは分からない』とする根拠は?
殴られる痛みを知っている者をさらに殴ることで痛みを教えられるとする根拠は?
殴られる痛みを知っており、他人に蔑ろにされる苦しみを誰よりも知っている筈の玲那が何故、何人もの人間を傷付け殺すことになったかを上手く伝えられるかどうか……
宿角健雅は、一言で言えばとにかく身勝手な男だった。一から十まで自分が最優先されないと気が済まず、自分のことを後回しにされたりすると酷く不機嫌になった。それどころかすぐに怒鳴り散らし、果ては暴力まで振るう。そんな人間だから喧嘩は日常茶飯事で、ナイフで刺されたことさえある。その時の傷が腕と脚に残っており、ナイフで刺されながらも相手をぶちのめした一件は彼が語る定番の武勇伝だった。
当然、殴られれば痛いということくらい知っている。痛みを知っているのだ。問題は、その痛みを軽んじているということだ。それが日常過ぎて痛い程度では懲りたり反省したりしないのだった。痛みに慣れてしまって麻痺しているのである。そして痛みではこの男は止められない。殴られたくらいでは怯まない。たとえその時は勝てなくても、自分が勝てない相手となれば武器を持ち仲間を集めて報復する。鉄パイプで他人の頭を殴るくらいのことは何一つ躊躇せずできてしまう人間だった。
この男を殴って止められると思うならやってみるといい。その後、仲間を使って家まで調べ上げられて家族共々半殺しにされる覚悟があるのなら。男は手足を折られ若い女性は薬物を打たれ徹底的に嬲りものにされるだろう。こいつはそういう人間なのだ。
玲那に対してもそういう本性を見せるのにそれほど時間はかからなかった。
一緒に暮らし始めるとまず、玲那に徹底的に自分を敬い挨拶することを命じた。
「オレ、礼儀をわきまえてないヤツは許せねーから。
朝起きたら『おはようございます』。お辞儀は直角ね。オレが何か声かけたら『ありがとうございます』を忘れんな」
そう言った次の瞬間、手元にあったガラス製の灰皿を玲那に投げつけた。頭に当たる直前に咄嗟に手で庇ったものの、腕に当たって骨まで響いた。
「ありがとうございますって言えっつったろ!! あ”!?」
そう。声を掛けたから『ありがとうございます』と頭を下げろと言っているのである。
「…ありがとうございます」
「声が小せぇ!!」
「ありがとうございます!」
「そうだよ。やればできんじゃねーか。それと、掃除しとけよ」
「ありがとうございます!」
一事が万事、この調子だった。この男は、これを<躾>だと思っているのである。躾が必要なのはどちらなのであろうか。
玲那は、健雅の命じるままに忠実に従った。心を閉ざし余計なことは考えず、ロボットのように。そうすることが一番楽だった。それが徹底しているので、意外と暴力は受けなかった。だから痣などもできることなく、それ故に学校側も暴力的に支配されていることが把握できなかった。
しかしこれは、玲那が味わう地獄の入り口に過ぎなかったのだった。
一緒に暮らし始めて一年が経ち、玲那は十四歳の誕生日を目前に控えていた。と言っても、十三歳の誕生日の時にも何もしてもらってはいない。
それでも玲那もそれなりに成長し、明らかに子供から女性へと変わり始めていた。背が伸び、胸の膨らみも、服の上からでも一見しただけで分かるほどになっていた。
「へぇ…」
風呂上りに髪を拭きながら自分の部屋へと歩いていく彼女の姿を見た宿角健雅の目に、ギラリと光るものがあった。口元にはニィと淫猥な笑みが浮かんでいた。
宿角健雅に小児性愛の性癖はなかった。だが、女性らしい体つきになってきたならば話は別である。
リフォームの対象から外され、他の部屋などと比べると明らかに見劣りする古びた自室でベッドに座って髪を拭いていた彼女の前に、突然、ドアを開けて真っ黒な肌の筋肉の塊が立ちはだかった。健雅だった。
「玲那ぁ、お前もちゃんと女になってきてたんだなあ…?」
その物言いと、彼女の体を舐めまわすかのような視線と、口元に浮かんだいやらしい笑みを見ただけで、彼女には健雅が何を考えているのか分かってしまった。
だが、しばらくそういうことから解放されていたからか、心のどこかではもう二度とそういうことはしたくないと思ってしまっていたのか、彼女の体はこの時、無意識のうちにそれを拒もうとするかのように逃げ腰になっていた。そしてそれが健雅の癇に酷く障ってしまったらしい。
「玲那、手前ぇ! オレを舐めてんのかぁ!!?」
それまではとても従順だった<娘>が自分に逆らうような素振りを見せたことで、健雅の暴力的な部分のスイッチが入り激しく燃え上がった。自分が見くびられたとも感じてしまったのかもしれない。それは健雅にとっては何よりも許せないことだった。見くびられることはこの男にとっては自分の存在そのものを蔑ろにされるのと同じであった。
「っザケんなよ、おるぁああっ!!」
怒声と共に飛びつくように掴みかかり、思わず自分を庇おうとして掲げた玲那の指を鷲掴みにした瞬間、健雅は何一つ躊躇うことなく手加減なしでその指をありえない方向へと捩じっていた。
ペキッ! という感じの細くて硬いものが折れる音と共に、玲那の口から絶叫が迸った。
「あ、あぁあぁああぁぁぁっっっ!!」
本来なら決して向くはずのない方向に折れ曲がった指を抱え、彼女はうずくまる。しかし今度は頬にガツンと固く重いものが叩き付けられ、体ごとベッドの上へと崩れ落ちた。健雅が玲那の頬を拳で殴りつけたのだ。
折れた指と頬の痛みに耐えかねて、彼女はベッドに俯せになって体を丸めた。すると健雅は玲那のスウェットの下を掴み、下着ごと乱暴に引きずりおろした。ようやく女性らしい丸みを帯び始めていた柔らかそうな尻が姿を現した。
「オレが使ってやるからよ!、感謝しろ!!」
そう喚きながら健雅が何度も尻を張る。見る間に真っ赤に染まっていくそれが平手で張られるたびに、ビクッ、ビクッ、と玲那の体が跳ねる。
痛みに耐えようとしているのかベッドに顔を押し付けて、彼女は声にならない呻き声を上げていた。それにも構わず、健雅は、自分の唾をたっぷりと塗り込んだ<娘>の膣に、己の怒張したものを捻じ込んでいったのだった。
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