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第二幕

読者さんからのメールで、『知り合いの高校生の子が、自分が不登校気味になったことについて、『お父さんは子育てが下手だよね』みたいなことを言って

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私は出版社のHPで相談コーナーみたいなのを他の作家さんと持ち回りで担当してたりもするんだけど、読者さんからのメールで、

『知り合いの高校生の子が、自分が不登校気味になったことについて、『お父さんは子育てが下手だよね』みたいなことを言ってしまったらしいんです』

ってのがあった。で、さらに、

『その子の家は、お母さんが病気で亡くなった父子家庭なんですけど、私から見るとちゃんと子供と向き合ってるようにも思うんです。だけど、子供からは不満があるみたいで。これってその子が甘えてるだけってことでしょうか?』

だって。

このメールを読んで一番に思ったのが、

『これって反抗期じゃないの?』

ってことだった。で、その読者さんと少しやり取りしたんだけど、どうやらその高校生の子は、おとなしい方ではあるんだけど基本的には穏やかな気性の子で、別に目立った問題行動を起こしたことはなかったらしいんだよね。だけど高校進学を目前にして一時期不登校気味になって。

で、そうなった原因ってのが、その子の友達はみんな人生の目標とか目的とかを持ってそれに向かって頑張ろうとしてるのに自分だけが具体的な目標も目的もないってことで、

『自分は駄目な人間なんじゃないか?』

みたいに思っちゃったらしいんだよ。でさ、そんな自分が嫌で家出騒ぎまで起こして、それからも学校に行く気になれなくて休みがちになってってしてたらしいんだ。

だからその子のお父さんは、中学卒業まで毎日、登校時には学校まで付き添ってくれて。仕事がリモートワークだったのも幸いしてね。

普通はなかなかそこまでできない親も多いだろうけど、その子のお父さんはそこまでやってくれて、でもその子にとって、目標も目的も見付けられない上にそんなことで心折れてしまう自分のメンタルの弱さは、お父さんの育て方に問題があったんじゃないか?って思ってしまったみたいだね。

その子自身は、お父さんがすごく頑張ってくれてるのも分かってて反抗的な態度を取ることもあまりなかったらしいってのもありつつ、だからこそ思ったんだ。『それが反抗期ってことじゃないのかな?』ってさ。

世間一般には反抗期って親に対して生意気な口を利くようになったり反抗的な態度を取るようになったりっていう印象なんだろうけど、

『親のしてることに対して疑問を抱く』

ってのもある種の反抗期なんじゃないのかなあって私は感じるんだよ。だからさ、

『それはきっと反抗期なんでしょうね。今は慌てず様子を見るのが大事だと思います』

とは返しておいたんだ。

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