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第二幕

自分の子供から、『お父さんは子育てが下手だよね』って言われたそのお父さんの気持ちって、どんなだったんだろうね。私ももしそんな風に言われたら

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自分の子供から、

『お父さんは子育てが下手だよね』

って言われたそのお父さんの気持ちって、どんなだったんだろうね。私ももしそんな風に言われたらショックを受けそうな気はするかな。だけど、自分の子供が疑問を持つことすら許さないなんてのは、私は嫌だなあ。

そのお父さんも、キレたりはしなかったみたいだね。

『子育てが下手だと言われたら確かにその通りだと思いますから』

って言ってたみたい。

だよねえ。親は、子育てについて何にも教わらないままで親になるんだもんね。それこそ手探りでやるしかないよね。

だけど、そのお父さんとお子さんは頑張ってるって気がするよ。ちゃんとお互いを認め合ってるんだろうなって印象がある。『お父さんは子育てが下手だよね』なんて面と向かって言えるってのは、それが言える相手だと思えばこそだもんね。そしてお父さんも自分の子供にそんな風に言われて、きっとショックは受けたんだろうけど、自分が完璧なんかじゃないってことを分かってて受け止められてるからキレずにいられたんだと思う。

完璧じゃないなりにやれることはやってきたつもりだけど、完璧じゃないことを指摘されたらそれは事実だとしか言いようがない。ってことなんだろうな。

少なくとも私はそう思ってる。自分の子供達にそう言われたらそんな風に感じると思う。

そのお子さんは、結局は無事に高校に進学して、一ヶ月くらいはやっぱり付き添ってってもらって通学したらしいけど、それ以降はちゃんと毎日学校に行ってるんだって。

だけどその上で、『自分はメンタルが弱い』と本人は感じてて、

『こんなメンタル弱々なのにしか育てられなかったお父さんは子育てが下手なんじゃないか?』

って思っちゃったからの言葉らしい。

そういうのをきちんと疑問に感じられるってのは、私は大事だと思う。親のすることに対してまったく無批判にただ従ってるだけなんてのも、さすがに健全だとは思わない。だからこれもれっきとした<反抗期>だって感じたんだ。

私は、<具体的なアドバイス>なんてのはできないけど、言っても<他所様の家庭の話>だからね。その親子の間にあるものなんて、傍から見てるだけの赤の他人には分かるはずもない。だったら迂闊に首を突っ込むよりは、何か実害のあるような問題、例えばその子がイジメをするとか、ネットで誹謗中傷を書き込むとか、そういうことでも起こさない限りは、あくまで、<父と子の関係>内の話だと思うんだよ。

それに対して赤の他人があれこれ口出しすると、お父さんなりにいろいろ考えてることがありそうなのに台無しになるんじゃないかなって気がするんだ。

そもそも『不登校気味になったのが本格的な不登校にならなかった』のなら、対処に成功してるでしょ。

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