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第二幕

『言いたいことも自由に言えないとかおかしい』って、何度も言うけど<自由>ってのは<無法>のことじゃないんだよ? 『言いたいことは言ってもいい

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だからさあ、

『言いたいことも自由に言えないとかおかしい』

って、何度も言うけど<自由>ってのは<無法>のことじゃないんだよ? 

『言いたいことは言ってもいい、責任を負う覚悟があるのなら。なんてのはただの詭弁だろ』

とか、そっちが<詭弁>だっての。

あのね? 自分が何でも言いたいように言っていいんだったら、他の誰かがその発言に対して思ったこと感じたことを言いたいように言ってもいいってことになるんだよ? 誰かに罵詈雑言ぶつけるのが自由だと思ってるなら、誰かが自分に対して罵詈雑言をぶつけることも自由じゃなきゃおかしいの。

『自分は誰かに対して好き勝手言ってもいいけど、誰かが自分に対して好き勝手言うのは許さない』

なんてのはただの<身勝手>であって<無法>でしかない。よく、

『客が店に対して思ったことを口にするのは当然で、店の側は商売でやってるんだから何を言われても我慢するべきだ』

的なことを言うのもいるけど、あのね? 本当に<言いたいことを言いたいように言えるのが自由>だって言うのなら、店の側だって言いたいことが言えなきゃそれは自由じゃないの。なんで分かんないの?

店の側が言いたいことを言えないのなら、自由なんかないの。一方だけに好き勝手が認められるなんてのは、<自由>じゃないから。

もうその時点で<自由>なんて言葉そのものがただの詭弁でしかない。

法によって律されてる人間社会においてはね、

『他者を害さない範囲でのみ言動の自由が限定的に認められてる』

だけでしかないの。たとえ言葉であっても他者を害するために発するのならそれは制限されて然るべきものだっての。それが、自分自身も法によって守られるための条件。それを蔑ろにするなら、法によって裁かれることもある。

それだけの話。

法の理念を無視して法の不備を悪用して身勝手なことをしようとするなら、その部分をカバーするためにまた新しく法が作られたり厳しくなったりする。自分で自分の首を絞めてるだけなんだよ。

世の中には、そんなことも理解してない大人も多いみたいだけどさ。だから、

『高齢者は切り捨てるべき』

なんてことを言いだすのも出てくる。確かに、高齢者施設で傍若無人に振る舞う高齢者とかだと、『切り捨てられても仕方ない』って思われるかもね。実際に切り捨てるかどうかはともかくとして。

そういう身勝手な大人が多いのはなんで? 四十代以上は厳しい昭和の躾を受けてきたんじゃないの? 五十代、六十代、七十代、八十代と、世代が上がるごとに厳しい躾を受けてきたんじゃないの? その世代がなんで<自由>と<無法>の区別もつけられてないの? <権利>と<横暴>の区別もつけられてないの?

恥ずかしいとは思わないの?

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