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第二幕

だからさ、ルールなんてものは後からゆっくり学んでもらえばいいんだよ。だってそうじゃん? ある程度成長してから、それどころか、大人になってから

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だからさ、ルールなんてものは後からゆっくり学んでもらえばいいんだよ。だってそうじゃん? ある程度成長してから、それどころか、大人になってからでさえいろいろ状況に合わせて新しくルールを学んでそれに合わせていくってことするんじゃん。

なんでそれができないって考えんの?

怒鳴って叩いてなんてしてたって、それはルールを理解するんじゃなくて、

『怒鳴って叩いて相手を従えようとする手法を学ぶ』

ってことにしかならないと思うけど?

私の子供達がそれをしないのは、結局、それを<正当な手法>だと学びとらなかったからだと思うんだよね。

<怒鳴って叩いて相手を従えようとする手法>

ってのをさ。

転移なり転生なりした先の異世界の住人が、当たり前のこととして攻撃的に振る舞ってきたら、自分もそれに倣って同じように振る舞っていくと思わない? そういうのに影響を受けずにいられるにはそれこそ自分の在り方を貫けるような強さってもんが必要なんじゃないの? 生まれたばかりの赤ん坊にそんなものがあると思うの?

転移や転生の特典としてチート能力を授けられるような、そんな都合のいいことは起こらないんだよ?

自分が異世界に転移や転生した場合に、まずどうあって欲しいと思う? 『チート能力は授けられない』前提で考えてみたらさ。しかも周りにいるのは、自分じゃ絶対に勝てない、ものすごく大きな怪物みたいな何か。

そんな状況でまず望むのは何だと思う? 

『自分に危害が加えられないこと』

『自分の安全が確実に保障されること』

結局はそういうことだと思わない?

その世界のルールとかを学ぼうにも、ろくにコミュニケーションさえ取れないんだよ? そんな状態でその世界のルールを学ぶなんてことが一日や二日でできると思うの?

せめて一年とか二年とか、十分な猶予が欲しいとは思わない?

しかもその世界で自分を守ってくれている存在が、穏やかで、自分が伝えようとしていることをなんとか理解しようと努めてくれているって感じ取れたら、その存在の言うことなら聞いてもいいと思えると感じない?

子供が親を信頼できるようになるかどうか、親の言うことに耳を傾けてくれるようになるかどうかって、結局はそういうことじゃないの?

転移なり転生なりした先の異世界の住人が、嘘は吐くわ約束は守らないわ自分達はルールを守らないのにそのルールを一方的に押し付けてくるわだったりしたらさ、素直に言うことを聞きたいと思える?

正直、私はそんな気にはなれないなあ。

<子供に信頼されない親>

<子供に言うことを聞いてもらえない親>

<子供にやたらと反発される親>

っていうのは、そういうことなんじゃないの?

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