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第二幕

改めて言うけどさ、自分が異世界に転移や転生した場合に、まずどうあって欲しいと思う? 『チート能力は授けられない』前提で考えてみたらさ。しかも

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言っとくけど、私も男の子育ててるからね? あと、さくらも。

確かに『育児は女の子の方が楽』とか聞いてたから、第一子が男の子だって分かった時には不安もあったけど、実際に生まれてみれば思ってたほど大変でもなかったよ。さくらんとこの息子ちゃんも、彼女の仕事中に預かってたりしたけど、別に乱暴でもなかったよ?

たださ、女の子に比べると反応が大袈裟になりがちな部分があるかなとは感じたけどさ。だからこっちが感情的になるとそれが倍になって返ってくる印象はあった気もする。

ということはさ、こっちがまず感情的にならなければいいってことじゃない?

男の子は確かに攻撃的な一面も女の子よりもあるかもしれない。だけどさ、そもそも攻撃的になる必要がなければ、別に勝手に攻撃的になるわけじゃないと思うけど? 特に赤ん坊や幼児の時点で多少攻撃的であっても、赤ん坊や幼児に負けるわけじゃないじゃん。余裕で構えてればどってことないよ。

攻撃的である必要がないと実感してもらえれば、別に常時攻撃的でいるわけじゃないしさ。

トラやライオンみたいな猛獣だって常に牙を剥いて暴れてるわけじゃないじゃん。

まあうちやさくらんとこの場合はそもそも父親が穏やかに接してくれてたからというのもあるかもだけどさ。だから息子としてもそんな穏やかな父親の姿を真似てればよかったってのもあるかもだし。

何より、

『自分の身を守るために攻撃的に振る舞う必要がない』

ってのが大事だよ。

改めて言うけどさ、自分が異世界に転移や転生した場合に、まずどうあって欲しいと思う? 『チート能力は授けられない』前提で考えてみたらさ。しかも周りにいるのは、自分じゃ絶対に勝てない、ものすごく大きな怪物みたいな何か。

そんなのに攻撃的に接してこられたら、そりゃ自分だって早く力をつけて対抗できるようにならなきゃと思うんじゃないの? 特に男の子の場合は、それこそ早けりゃ小学校の高学年くらいにはもう母親より力が強くなったりもするかもね。そんな調子で早々に力関係が逆転したら、そりゃ言うことも聞いてくれなくなるんじゃないの?

『力で相手を従える』ってのを当たり前だと思ってたらね。

で、もう一度言うけど、異世界転移や転生の話でも、その世界で自分を守ってくれている存在が、穏やかで、自分が伝えようとしていることをなんとか理解しようと努めてくれているって感じ取れたら、その存在の言うことなら聞いてもいいと思えると感じない?

私は、一方的に力で支配してこようとするような相手は信頼なんてできないし、ましてや言うことを聞きたいなんて思わないけどなあ。

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