2,310 / 2,387
第四世代
凛編 そんなにおかしなことでもない
しおりを挟む
凱のそれは、レオンとしては確かに奇異な行動ではあるが、人間としてのメンタリティをわずかに持ち合わせているであろう彼にしてみれば、そんなにおかしなことでもないんだろうな。
ただ、人間(地球人)の場合、兄弟姉妹であっても互いに助け合うようなことはしないのも少なくないようだ。
仮にも<家族>だったにも拘わらず、それこそ、
『関わりたくもない』
とまで考えてるのも珍しくなかったんじゃなかったか?
だが、それはなぜだ? と言うか、どうしてそんなことになる?
普通に考えれば赤の他人に対してよりは<情>も湧きやすいはずだよな? なのに下手をすると赤の他人よりも遠い存在になってたりもするとか、俺にとっては不思議で仕方ない。
『近すぎるからだろ!』
とか言うかもしれないが、いや、それはおかしい。近い遠いに関係なく、相手は人間だ。そして赤の他人よりはよっぽど相手のことが見えるはずの立場にいるんだから、<内面>だって掴みやすいだろ。
『内面を見てほしい』
みたいなことを言うのも多かったが、家族ならそれこそ内面だって把握しやすいんじゃないのか?
なのに良好な関係が築けないのなら、それは、
『内面にこそ問題がある』
という意味になるとは思わないか?
内面に問題があるのなら、なるほどあまり関わりたいとは思わないだろうさ。
『相手のことが見え過ぎるから』
『裏の面を知ってるから』
だから関わりたくないような人間がそれほど多いということか。それでよく、
『人間は他の動物とは違う』
などと思い上がれるもんだな。と、感心するよ。
まあ、『違う』のは事実だと、俺も思うけどな。違うからこそ野生の動物では有り得ない振る舞いをするんだろうし。ただ、そのニュアンスとしては、『優れている』という意味の『違う』とは到底考えられないが。
さりとて、ちゃんと他者を敬い尊重することができる人間がいるのも確かだから今まで繁栄を続けられているんだろうさ。
俺の子供達がまさにそれだ。光も灯ももちろん、まだまだ幼い錬慈もその片鱗を見せてくれている。ただただ我儘なだけじゃないんだよ。コーネリアス号のプラントで栽培された果物をおやつとして出してあげたりするんだが、萌花が特に好きなものが出たりすると、自分よりも彼女に多く分けたりもするんだ。
「おねえちゃん、はい♡」
って感じでな。
決して彼がその果物を苦手にしてるというわけじゃない。むしろ好きな部類のはずなんだ。けれど、萌花が、
「ありがと♡」
と喜んでくれるのが嬉しいらしい。
ただ、人間(地球人)の場合、兄弟姉妹であっても互いに助け合うようなことはしないのも少なくないようだ。
仮にも<家族>だったにも拘わらず、それこそ、
『関わりたくもない』
とまで考えてるのも珍しくなかったんじゃなかったか?
だが、それはなぜだ? と言うか、どうしてそんなことになる?
普通に考えれば赤の他人に対してよりは<情>も湧きやすいはずだよな? なのに下手をすると赤の他人よりも遠い存在になってたりもするとか、俺にとっては不思議で仕方ない。
『近すぎるからだろ!』
とか言うかもしれないが、いや、それはおかしい。近い遠いに関係なく、相手は人間だ。そして赤の他人よりはよっぽど相手のことが見えるはずの立場にいるんだから、<内面>だって掴みやすいだろ。
『内面を見てほしい』
みたいなことを言うのも多かったが、家族ならそれこそ内面だって把握しやすいんじゃないのか?
なのに良好な関係が築けないのなら、それは、
『内面にこそ問題がある』
という意味になるとは思わないか?
内面に問題があるのなら、なるほどあまり関わりたいとは思わないだろうさ。
『相手のことが見え過ぎるから』
『裏の面を知ってるから』
だから関わりたくないような人間がそれほど多いということか。それでよく、
『人間は他の動物とは違う』
などと思い上がれるもんだな。と、感心するよ。
まあ、『違う』のは事実だと、俺も思うけどな。違うからこそ野生の動物では有り得ない振る舞いをするんだろうし。ただ、そのニュアンスとしては、『優れている』という意味の『違う』とは到底考えられないが。
さりとて、ちゃんと他者を敬い尊重することができる人間がいるのも確かだから今まで繁栄を続けられているんだろうさ。
俺の子供達がまさにそれだ。光も灯ももちろん、まだまだ幼い錬慈もその片鱗を見せてくれている。ただただ我儘なだけじゃないんだよ。コーネリアス号のプラントで栽培された果物をおやつとして出してあげたりするんだが、萌花が特に好きなものが出たりすると、自分よりも彼女に多く分けたりもするんだ。
「おねえちゃん、はい♡」
って感じでな。
決して彼がその果物を苦手にしてるというわけじゃない。むしろ好きな部類のはずなんだ。けれど、萌花が、
「ありがと♡」
と喜んでくれるのが嬉しいらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
163
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる