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第四世代
シモーヌ編 ロボットヘリ試作一号機
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新暦〇〇三六年五月二十三日
そして今日、遂に<ロボットヘリ試作一号機>がロールアウトした。
となれば当然、まずはテストだ。シミュレーション上では問題なかったものの、オートジャイロの一件もあるしな。しかし、あの一件があったことで、強度計算にはさらに安全マージンを持たせた。オートジャイロの時には工作精度が十分に読み切れてなかったというのもあるが、その反省を活かした形だ。
で、周囲をぐるりと回る一時間の試験飛行を問題なく終えて、各部を詳細にチェック。改めて異常がないことを確認し、早速、五百キロの石炭とホビットMk-Ⅱ四機を積み込んで実用試験に移る。
ちなみに、構造は<二十一世紀頃のヘリコプター>に非常に近いが、基本的には人間を乗せることは考えておらず、一応、非常用の搭乗スペースも確保しつつそれは『詰めれば四人ほど乗れる』程度に抑えて、それ以外はすべて<貨物室>とした。最悪、貨物室に人間を乗せればいいしな。
積載量は一〇五五キログラム。理論値の上限は一三二〇キログラムだが、まあ約一トンとしてプラス誤差を見込んでそう設定。
なので、石炭五百キロとホビットMk-Ⅱ四機の約三百キロ、合計八百キロくらいならまったく余裕だった。
バリバリバリバリ!と回転翼が空気を切り裂く音を響かせ、しっかりと空に舞い上がる。
搭載されたAIも、フライトユニットやワイバーン及びオートジャイロの運用で蓄積されたデータが活かされてるから、ベテランパイロット並の経験値を持つ。
まあ、ヘリの制御は初めてだけどな。その辺の基本的なデータはコーネリアス号のAIからもらった。<回転翼機を運用する可能性>も元々想定されていて、データがあったんだ。
そうしてアリニドラニ村に石炭を輸送。斗真を怖がらせるのも申し訳ないので少し離れたところに着陸。ドーベルマンMPMが引く荷車二台に石炭を分けて積み込んで、送り出す。ホビットMk-Ⅱが後ろからその荷車を押す。
アリニドラニ村には、製鉄用の高炉がある。それを利用して石炭を蒸し焼きにしてコークスにし、今後の製鉄に使う。
いやはや、いよいよだな。
併せて、ロボットヘリの実用試験もこれにて無事終了。万々歳だ。
今後しばらく、このロボットヘリ試作一号機を運用して試験を重ねデータを蓄積し、改良点を洗い出して本格的な生産に移っていくことになる。
その間には、小型火力発電装置を用いた<移動電源>も作っていく。これは、石炭を燃料にしたタイプとバイオマス燃料を用いたものの二種類だ。
そして今日、遂に<ロボットヘリ試作一号機>がロールアウトした。
となれば当然、まずはテストだ。シミュレーション上では問題なかったものの、オートジャイロの一件もあるしな。しかし、あの一件があったことで、強度計算にはさらに安全マージンを持たせた。オートジャイロの時には工作精度が十分に読み切れてなかったというのもあるが、その反省を活かした形だ。
で、周囲をぐるりと回る一時間の試験飛行を問題なく終えて、各部を詳細にチェック。改めて異常がないことを確認し、早速、五百キロの石炭とホビットMk-Ⅱ四機を積み込んで実用試験に移る。
ちなみに、構造は<二十一世紀頃のヘリコプター>に非常に近いが、基本的には人間を乗せることは考えておらず、一応、非常用の搭乗スペースも確保しつつそれは『詰めれば四人ほど乗れる』程度に抑えて、それ以外はすべて<貨物室>とした。最悪、貨物室に人間を乗せればいいしな。
積載量は一〇五五キログラム。理論値の上限は一三二〇キログラムだが、まあ約一トンとしてプラス誤差を見込んでそう設定。
なので、石炭五百キロとホビットMk-Ⅱ四機の約三百キロ、合計八百キロくらいならまったく余裕だった。
バリバリバリバリ!と回転翼が空気を切り裂く音を響かせ、しっかりと空に舞い上がる。
搭載されたAIも、フライトユニットやワイバーン及びオートジャイロの運用で蓄積されたデータが活かされてるから、ベテランパイロット並の経験値を持つ。
まあ、ヘリの制御は初めてだけどな。その辺の基本的なデータはコーネリアス号のAIからもらった。<回転翼機を運用する可能性>も元々想定されていて、データがあったんだ。
そうしてアリニドラニ村に石炭を輸送。斗真を怖がらせるのも申し訳ないので少し離れたところに着陸。ドーベルマンMPMが引く荷車二台に石炭を分けて積み込んで、送り出す。ホビットMk-Ⅱが後ろからその荷車を押す。
アリニドラニ村には、製鉄用の高炉がある。それを利用して石炭を蒸し焼きにしてコークスにし、今後の製鉄に使う。
いやはや、いよいよだな。
併せて、ロボットヘリの実用試験もこれにて無事終了。万々歳だ。
今後しばらく、このロボットヘリ試作一号機を運用して試験を重ねデータを蓄積し、改良点を洗い出して本格的な生産に移っていくことになる。
その間には、小型火力発電装置を用いた<移動電源>も作っていく。これは、石炭を燃料にしたタイプとバイオマス燃料を用いたものの二種類だ。
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