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第三世代

ホビットMk-Ⅰ編 確認していただきたい映像

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新暦〇〇三四年十二月五日



萌花ほのかが生まれた時と熱の入れようが全然違っているように感じるだろうが、そりゃ、超安産で生まれた第二子と、それこそ無事に生まれてくるのかどうかすらまったく未知数だった、しかも本来のアラニーズの出産じゃない形での出産となると、さすがに力も入ってしまうさ。

だがもちろん、萌花ほのかは俺にとっては孫だからな。当然可愛い。可愛いが、二人目の実の子である萌花ほのかの誕生に興奮したじゅんがメチャクチャ熱が入ってて、それこそ『目に入れても痛くない』的な溺愛ぶりで、微笑ましいと言うかなんと言うか。

そして萌花ほのか黎明れいあも、順調に育ってた。そしてホビットMk-Ⅰについても、ジュラルミンが確保でき次第、末端部分から順に部品を置き換えていく。マニピュレータもほとんどの部分がジュラルミン製に置き換わった。

すると、どんどん転ぶ回数が減っていった。末端部が軽くなったことでバランスが取り易くなり、転びそうになった時の補正が間に合うようになっていったわけだ。

しかし、それでもまだたまに転ぶので、危険ゆえ人間の傍では運用できない。

そんな中、

「マスター、台地の断崖部分を観測していた母艦ドローンより、確認していただきたい映像が届いています」

エレクシアがそんなことを告げてきた。

「確認していただきたい映像?」

俺はそう口にしながらタブレットで確認する。と、

「ん……?」

台地の端、一千メートル級の断崖絶壁となっているそこの途中に、何かが引っかかっているのが見えた。瞬間、俺の頭に閃くもの。

「人間……違う、メイトギアか……!?」

そうだ、そう気付いたらもう他のものには見えない。ただ、人間の形のように見えつつ、明らかに普通の人間の形をしていなかった。上半身の部分しかないんだ。それこそ、下半身がちぎれて失われた死体のように。その状態で、崖の途中、岩の隙間に挟まるようにして上半身だけが引っかかっている。

「<アリアン2CVドゥセボー>です。間違いありません」

映像を確認したセシリアがそう判定してくれた。これで確定だ。コーネリアス号に搭載されていて、乗員達が亡くなった後に調査に出て戻ってこなかったメイトギアのうちの一体だ。

「アリアン……」

シモーヌが悲し気に呟く。彼女にとっては仲間の一人みたいなものだっただろうからな。しかも、

「アリアンが見付かったって?」

ビアンカがタブレット越しに問い掛けてくる。

「ああ。セシリアが判定してくれた」

とは言うものの、

「これが……アリアン……?」

「……」

映像を見たビアンカと久利生くりうが言葉を失う。無理もない。それこそボロボロの死体みたいな有様だったわけで……

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