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第三世代

ビアンカ編 ビクキアテグ村のお隣さん

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俺は別に、

『家族に被害が出てもいい』

とか言いたいわけじゃない。被害なんて出ない方がいいに決まってる。決まってるが、

<被害を出さないようにする手段>

が他にもいろいろある中で、<予防的な駆除>にだけ頼る必要はないって言ってるだけなんだよ。

先にも言ったが、<予防的な駆除>を肯定するには、人間(地球人)は強すぎるんだ。敢えて厳しく線引きしておかないと、たやすく他の種を絶滅させることさえできてしまう。

もっともそれは、いわゆる狭義の意味での<動物>の場合だが。

<蚊>や<ゴキブリ>などの<衛生害虫>については、その旺盛な繁殖力もあり、<予防的な駆除>を行ってもなお絶滅の危機さえ生じていないそうだ。彼らは、多くの仲間が殺されることも前提の上で、旺盛な繁殖力によって種を維持する戦略をとっていると言われている。

だから、逆に、『ある程度は死んでくれないと数が増えすぎてしまう』という生態でもあるらしい。

ただこれも、今では、

『繁殖に適した環境を極力排除する』

『蚊やゴキブリが嫌う匂いなどを使い、寄せ付けないようにする』

というのが進んで、

<蚊やゴキブリが侵入できない住宅>

なども実際に存在する。

蚊の場合は、<ボウフラ>が発生するような水たまりを作らないようにするというのが、予防には効果的らしい。

<蠅>などについては、生ゴミはしっかり密閉して捨てるとか放置しないとかの衛生状態の改善によって、早々に対処できたらしいし。

蚊は、伝染病を仲介する可能性の高い、<地球上で最も人間の命を奪った生物>などとも評されるくらいだから寄せ付けること自体が危険だし、ゴキブリだって、衛生上の危険度は印象ほど高くないらしいにも拘らず見かければつい駆除してしまうものの、別に、野生で生きてるのをわざわざ出向いてまで駆除しないしな。

それについても、実は今では禁止されてるんだ。

人間(地球人)の生活圏内に侵入した個体を駆除する分には問題ないものの、<種そのものの絶滅を目的とした駆除>についてはね。

なんてこともありつつ、俺も、

『危険だから予防的に駆除しよう』

という考え方を取り入れるつもりはない。<生存競争>というものを拡大解釈して人間にだけ都合のいい世界を作ろうとも思わない。

だから、オオカミ竜オオカミ達の群れについても、襲って来ないならこちらからは手は出さない。

しかし同時に、<備え>は怠らない。

その上で、<ビクキアテグ村のお隣さん>のそのオオカミ竜オオカミの群れについては、牙斬がざんの一件の際に大変な巻き添えを食わせてしまったからな。

それもあって、彼らが再び以前の勢力を取り戻すまでの間、縄張りをドーベルマンMPMによって守ってるんだ。

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