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第三世代

当編 個人主義

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ルコアのビクキアテグ村への訪問は、呆気ないほどスムーズに終わった。

ずっとビアンカの傍を離れなかったもののあかり久利生くりうともちゃんと挨拶は交わせて、少し緊張した様子はあっても落ち着いてはいたのが、彼女に身に付けてもらってたセンサーから届くバイタルサインで確認できた。

でも、しばらくするとちょっと落ち着きをなくしてそわそわしてきたのが、バイタルサインだけじゃなく、彼女の表情や仕草から、ビアンカもあかり久利生くりうも察して、それ以上は無理はしなかった。

ここで焦っても仕方ない。長丁場になることは分かってるし覚悟もしてる。だからこの日は、三時間ほど滞在して、コーネリアス号に帰った。

その間、グレイが中心になって、あかり久利生くりうも手伝って増築した<ルコアの部屋>や、専用のトイレも確認してもらったが。特にトイレは、コーネリアス号内に作ったものを再度工作室で作ってもらってグレイに設置してもらったんだが、小屋は新たに作ったものだったからな。使い勝手も確認してもらいたい。

ちなみにトイレは、斜めに腹這いになる形で使うものだった。だから正直、ルコア以外にはまともに使えるものじゃない。さりとて、多種多様な形態を持った<人間>が暮らすことになるであろうこの惑星には必要なものだ。

地球人の世界では、トイレは基本的に座って使うものと男性が立ったまま小用を足せる小便器の大まかに分けて二種類しかないものの、ここでは形態に合わせてかなりのバリエーションが必要になるだろうな。そしてトイレ自体、相当なスペースを要する、それ自体が独立した一個の<施設>になるだろう。なにしろ、ビアンカとルコアの二人分だけでも、小さな家並の大きさになってしまったし。

なお、風呂については、ビアンカが入れるものがそのまま使えるので、まあ、一緒に入ってもらえばいいだろう。

あかり久利生くりうとは、ルコアの方から積極的に話し掛けることはなかったにせよ、話し掛けられれば戸惑いながらも応えてはくれてたから、こちらも慣れていってくれれば大丈夫な予感がある。



で、一方、<あたるの嫁(仮)>については、妊娠の兆候が見られるもののそれ以外には大きな変化はなく、あたるとの関係も良好だった。

そしてあたる自身、彼女の妊娠に気付いたらしく、一層、彼女を労わるような様子を見せた。

クロコディアは、基本的には同じ場所に集まって<群れ>のようにして暮らしているもののその実態は強烈な<個人主義>が普通で、あまり互いを気遣うということはしない傾向にある。これはつがいでもだ。一応、自分のパートナーや子供は守ろうとするものの、人間(地球人)のようにべったりということは稀だ。

しかし、その<稀な個体>だった両親の感覚を受け継いだのか、あたるは嫁に寄り添って彼女の体を舐めてケアしたりと、すごく優しかったのだった。

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