1,042 / 2,556
第三世代
当編 個人主義
しおりを挟む
ルコアのビクキアテグ村への訪問は、呆気ないほどスムーズに終わった。
ずっとビアンカの傍を離れなかったものの灯や久利生ともちゃんと挨拶は交わせて、少し緊張した様子はあっても落ち着いてはいたのが、彼女に身に付けてもらってたセンサーから届くバイタルサインで確認できた。
でも、しばらくするとちょっと落ち着きをなくしてそわそわしてきたのが、バイタルサインだけじゃなく、彼女の表情や仕草から、ビアンカも灯も久利生も察して、それ以上は無理はしなかった。
ここで焦っても仕方ない。長丁場になることは分かってるし覚悟もしてる。だからこの日は、三時間ほど滞在して、コーネリアス号に帰った。
その間、グレイが中心になって、灯と久利生も手伝って増築した<ルコアの部屋>や、専用のトイレも確認してもらったが。特にトイレは、コーネリアス号内に作ったものを再度工作室で作ってもらってグレイに設置してもらったんだが、小屋は新たに作ったものだったからな。使い勝手も確認してもらいたい。
ちなみにトイレは、斜めに腹這いになる形で使うものだった。だから正直、ルコア以外にはまともに使えるものじゃない。さりとて、多種多様な形態を持った<人間>が暮らすことになるであろうこの惑星には必要なものだ。
地球人の世界では、トイレは基本的に座って使うものと男性が立ったまま小用を足せる小便器の大まかに分けて二種類しかないものの、ここでは形態に合わせてかなりのバリエーションが必要になるだろうな。そしてトイレ自体、相当なスペースを要する、それ自体が独立した一個の<施設>になるだろう。なにしろ、ビアンカとルコアの二人分だけでも、小さな家並の大きさになってしまったし。
なお、風呂については、ビアンカが入れるものがそのまま使えるので、まあ、一緒に入ってもらえばいいだろう。
灯や久利生とは、ルコアの方から積極的に話し掛けることはなかったにせよ、話し掛けられれば戸惑いながらも応えてはくれてたから、こちらも慣れていってくれれば大丈夫な予感がある。
で、一方、<当の嫁(仮)>については、妊娠の兆候が見られるもののそれ以外には大きな変化はなく、当との関係も良好だった。
そして当自身、彼女の妊娠に気付いたらしく、一層、彼女を労わるような様子を見せた。
クロコディアは、基本的には同じ場所に集まって<群れ>のようにして暮らしているもののその実態は強烈な<個人主義>が普通で、あまり互いを気遣うということはしない傾向にある。これは番でもだ。一応、自分のパートナーや子供は守ろうとするものの、人間(地球人)のようにべったりということは稀だ。
しかし、その<稀な個体>だった両親の感覚を受け継いだのか、当は嫁に寄り添って彼女の体を舐めてケアしたりと、すごく優しかったのだった。
ずっとビアンカの傍を離れなかったものの灯や久利生ともちゃんと挨拶は交わせて、少し緊張した様子はあっても落ち着いてはいたのが、彼女に身に付けてもらってたセンサーから届くバイタルサインで確認できた。
でも、しばらくするとちょっと落ち着きをなくしてそわそわしてきたのが、バイタルサインだけじゃなく、彼女の表情や仕草から、ビアンカも灯も久利生も察して、それ以上は無理はしなかった。
ここで焦っても仕方ない。長丁場になることは分かってるし覚悟もしてる。だからこの日は、三時間ほど滞在して、コーネリアス号に帰った。
その間、グレイが中心になって、灯と久利生も手伝って増築した<ルコアの部屋>や、専用のトイレも確認してもらったが。特にトイレは、コーネリアス号内に作ったものを再度工作室で作ってもらってグレイに設置してもらったんだが、小屋は新たに作ったものだったからな。使い勝手も確認してもらいたい。
ちなみにトイレは、斜めに腹這いになる形で使うものだった。だから正直、ルコア以外にはまともに使えるものじゃない。さりとて、多種多様な形態を持った<人間>が暮らすことになるであろうこの惑星には必要なものだ。
地球人の世界では、トイレは基本的に座って使うものと男性が立ったまま小用を足せる小便器の大まかに分けて二種類しかないものの、ここでは形態に合わせてかなりのバリエーションが必要になるだろうな。そしてトイレ自体、相当なスペースを要する、それ自体が独立した一個の<施設>になるだろう。なにしろ、ビアンカとルコアの二人分だけでも、小さな家並の大きさになってしまったし。
なお、風呂については、ビアンカが入れるものがそのまま使えるので、まあ、一緒に入ってもらえばいいだろう。
灯や久利生とは、ルコアの方から積極的に話し掛けることはなかったにせよ、話し掛けられれば戸惑いながらも応えてはくれてたから、こちらも慣れていってくれれば大丈夫な予感がある。
で、一方、<当の嫁(仮)>については、妊娠の兆候が見られるもののそれ以外には大きな変化はなく、当との関係も良好だった。
そして当自身、彼女の妊娠に気付いたらしく、一層、彼女を労わるような様子を見せた。
クロコディアは、基本的には同じ場所に集まって<群れ>のようにして暮らしているもののその実態は強烈な<個人主義>が普通で、あまり互いを気遣うということはしない傾向にある。これは番でもだ。一応、自分のパートナーや子供は守ろうとするものの、人間(地球人)のようにべったりということは稀だ。
しかし、その<稀な個体>だった両親の感覚を受け継いだのか、当は嫁に寄り添って彼女の体を舐めてケアしたりと、すごく優しかったのだった。
0
お気に入りに追加
175
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する
あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。
俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて
まるでない、凡愚で普通の人種だった。
そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。
だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が
勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。
自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の
関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に
衝撃な展開が舞い込んできた。
そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。
※小説家になろう様にも掲載しています。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる