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第三世代

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あんは完全にドーベルマンDK-a号機を気に入ってしまって仲間のように振る舞っているが、コーネリアス号のAIによって制御されてる号機の方は、当然、人間のような考え方も動物のような考え方もしない。

純粋に、

<目の前の状況に即した対応>

というものを貫くだけだけだ。

俺が、あん達を守るように指示を出してあるから、これを淡々と守るだけに過ぎない。

あんが体を寄せるようにして寛いでいる間も、センサーをフル稼働して周囲の状況を窺っている。

しかも、自身に備えられたセンサーによる探索だけでなく、ドローンや他のドーベルマンDK-a及びドーベルマンMPMとも連携し、多面的多角的立体的に周囲の状況を常に把握しているので、本体の性能は、メンテナンス時に、新規に設計されたドーベルマンMPM用のパーツと交換することなどによって随時底上げを行いつつもそれほど劇的には上がっていないものの、連携による緻密な制御により実質的な対応力は格段に上がっているのが分かっている。

これもまたロボットの強みだ。

そしてその恩恵は、エレクシア達メイトギアにも及ぶ。

実を言うと、人間(地球人)社会では、それこそ無数のロボットやAIの連携によって、

『都市そのものが一つのロボットのように機能している』

とも言われている。

自動車のAI同士が連携。かつ様々な交通インフラを制御するAIとも連携して制御するので、渋滞が起こることもまずない。人間のようにそれぞれが身勝手な走り方をして結果的に滞留を招くということがないんだ。

だから本当は、ここでは、エレクシア達の能力が最大限に活かされていなかったんだよな。ネットワーク上から常に新しい情報を得て自らを更新していくということができなかったこともそうだが、『他のロボットやAIと連携して』ってことができなかったのが大きい。

もちろん、彼女達は単体でも途轍もない力を持っているものの、でもそれはあくまで<個の強さ>としか機能していなかった。

だがこれからさらにドローンやドーベルマンMPMが増えていけば、彼女達の実質的な能力が拡大していくことになる。

危険を早期に探知して、リスクが大きくなる前に対処することだってできるようになっていくんだよ。

そしてそれはもうすでに、久利生くりう達がレオンやオオカミ竜オオカミの動向を察知して事前に手を打ち、衝突を避けることにも活かされ始めている。

コーネリアス号、光莉ひかり号双方のAIとエレクシア達とが、ドローンやドーベルマンMPMからもたらされる情報を精査・整理し提供することで、久利生くりうの判断の助けになるという形でな。

いやはや、本当に頼りになるなあ。

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