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新世代

走・凱編 連携

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りん達の危機に駆け付けてくれたかい達だったが、これによって逆にビアンカは自動小銃を使えなくなってしまった。なまじ実弾を込めたことで、フレンドリーファイアの危険性があるからだ。

となればビアンカは躊躇しない。やはり弾倉を抜いてポケットに収めた上で本体内の弾丸も発射して空にし、放り出す。

代わりにナイフを装備してオオカミ竜オオカミを迎え撃った。

一方、オオカミ竜オオカミの方も、ビアンカが現れた時には多少怯んだものの、そこは数の多さが支えになったようだ。加えて後がないこともあり、再び恐ろしい気迫で迫ってくる。

とは言え、<数の暴力>で押し切るには、肝心の<数>が少なすぎたな。四十そこそこじゃ足りないんだ。

ドライツェンシリーズの試作機は一体で同時に四つの目標を攻撃できるし、そこにドーベルマンDK-a二機を従えてるから、最大、八つの目標を同時に攻撃できる状態になっている。

装備してるのがスタン弾を込めた自動小銃とナイフだけなので火力不足は否めないものの、ロボットならではの正確さで狙い撃つスタン弾で怯ませてナイフでとどめを刺すという形にできるからそれほど問題でもない。

また、ビアンカも同時に三頭程度なら相手ができる。何よりその巨体が持つ圧倒的なパワーは、オオカミ竜オオカミにとっては脅威だろう。

しかも巨体に似合わず俊敏で、かつ軍人ならではの戦闘スキルもある。

そこに、かい達も駆け付けてくれたんだ。もうその時点で趨勢は決したと言ってもいい。なにしろ、普段は狩りにも参加せず勝手気ままをしてるはずのおんまでこの時は加わっていたからな。せんにも引けをとらない強さのおんがだ。

後は犠牲を出さないようにするだけだ。

ゆうと一緒に来てしまったほうろうは、さすがに幼すぎてウィークポイントとなってしまったが、ビアンカと試作機が二人をフォローしてくれた。その中で、ほうろうも、幼いながらもさすがにレオン、果敢に立ち向かおうとはしてくれてる。

実にたくましい。

ビアンカも、獅子奮迅の活躍を見せてくれた。一切の手加減も遊びもなく、絵的に派手さもカタルシスもない効率一辺倒の戦い方ではあるものの、彼女は決して戦闘狂じゃない。戦うことに喜びを見出すタイプでもない。その上で命がかかってるんだから当然だな。

ナイフで確実に仕留めつつ、本体側の脚で接近するオオカミ竜オオカミを蹴散らす。

<目>は二つしかないが、脚にも生えている細かい<毛>が空気の流れや振動を感知するセンサーの役目をし、自身の周囲を三次元的に正確に把握。それが軍人としての戦闘スキルとも相まって凄まじい戦闘力を形成してるんだ。

人間の脚や腕に生えるそれと違って、<無駄毛>じゃないということだな。

などと、見守るしかできなかった俺の方にもそんな余計なことを考えるだけの余裕が出てきたということだ。

さらには、いつの間にかビアンカとかいりんは、互いに連携した戦い方すら見せていたのだった。

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