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シモーヌ

思い出話 鷹 その1

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ようについては正直、おっかない思いをしたという思い出が多い気がする、何しろ<狂暴性>という意味では四人の中では一番かもしれないし。

体は一番小さく、見た目の印象では幼くもあるんだが、何しろ性格がきつい。最後まで俺に対して攻撃的だっただけはあると思う。

その上、<ツンデレ>だ。

しょうを育てていた時もそうだったが、気が向かないととにかくツンとして俺のことを見ようともしない。それでいて<発情>してる時には猫のようにしなを作って俺を誘惑しようとする。こういうところも猫っぽい。

で、気が向かない時に触れようとすると容赦なく攻撃しようとするんだよな。おかげで何度か指を噛み千切られそうになったりもしたりと。

ただ、その辺りをわきまえれば見た目通りの可愛いやつだ。で、脇の下がすごく弱い。翼が大事だからか、その付け根と言うか脇の下に神経が集まってるのかもしれない。

気が向かない時には触れようとしようものならそれこそ命の危険も感じるほどだったが、逆に甘えてくるときに脇の下に触れてやると途端にへなへなと力が抜けるという。

あと、翼を労わるように撫でてやるとうっとりする。しかしこれも力加減を間違えたりすると危険である。なので最初はとにかくおっかなびっくりだった。どんなことで機嫌を損ねて攻撃的になるのかが分からなくてね。

それでも今じゃすっかり要領を掴んだかな。ただし、油断は禁物だ。向こうも慣れてくれたと思ってこっちが雑に振る舞うと覿面に気が荒くなる。

だらしないのは別にいいんだ。俺がだらけてたって彼女は気にしない。あくまで彼女を扱う時には丁寧にということかな。彼女がちゃんとその気になってるのかを見極めて触れるようにする。それがぴったりはまると実にいい表情を見せてくれる。まさに<蕩けた雌の顔>だ。

が、同時に、見た目が幼いので大変に罪悪感も駆り立てられたりするけどな。

前にも言ったが、俺は大人の女性が好みだ。少女趣味はない。ないが、自分をきちんと律しないと<いけない扉>が開いてしまいそうな予感はある。危ない危ない。

まあ、そういう趣味に目覚めたところで、しんの例を出すまでもなく彼女らは見た目こそ幼く見えても既に立派に一人前だったりするんだよな。体が出来上がってないと受け入れようともしないし。

そこが人間と違うところのような気がする。

もっとも、人間の場合は肉体的なことだけじゃなく、人間社会で生きていくにあたっての<責任>ってものをきちんと負えるかどうかという点での成長も求められるから、事情はかなり違うんだろうけどね。

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