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大家族

甘々(か~っ! やってらんねぇぜ)

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新暦〇〇〇七年五月二十日



などと余談が長くなってしまったが、とにかくしんが一目惚れしてしまったヒョウ人間ヒョウの雄を、俺はげんと名付けて様子を見ることにしたのだった。

が、何と言うか、あれだな。見てる方が馬鹿馬鹿しくなるくらいに甘々だな。

げんに合わせて木に登り、お互いに顔を舐め合ったり体を舐め合ったりで毛繕いをして、スリスリと体を擦り付け合ってまあお熱いこと。

って、それはふくの甘え方でもう分かってたことか。

ただ、これほどまでにイチャイチャしてるというのに、げんは、しんに対して交尾には及ぼうとしなかった。まあその辺は、本能に従ってるからこそ逆に妊娠可能になってないしんに対してはそこまで発情しないということなのかもしれないな。タラシのクセに意外と紳士だな、げん



本来は草原を生息地とするライオン人間ライオンでありながら、ラブラブな彼氏であるげんに合わせて樹上を移動するようになったしんは、ボクサー竜ボクサーの脅威についてはあまり心配しなくて済むようになった。ほまれに合わせて家の中を立体的に遊びまわっていたのがひょっとすると役に立ったのかもしれない。もしそうなら、決して意図していなかったことだが結果的にはしんにとってプラスの経験になってたということなのだろうか。

ここに人間の社会を築くつもりはなく、もちろん開発や開拓をするつもりがないから、自然にあまり干渉しないように決めたからその点で言えば少々好ましくないのかもしれないが、かといってガッチガチに四角四面に考えたら俺がここで生きてること自体が駄目ってことにもなりかねないし、その辺は適当に曖昧にしておこう。だいたい、ここに法律も基準もない以上は、干渉するもしないも俺自身の自己満足でしかないしな。

基本的には、子供達がちゃんと野生で生きていければそれでいいんだ。

もう何年もここにいるからか、ひそかほまれの種族であるボノボ人間ボノボ達も俺の存在そのものをさほど気にしなくなってるようだし。縄張りが隣接する群れの子供達が物珍しそうに木の上から見てることはあっても、大人達が集団で偵察のように見に来ることはなくなっていた。俺もここに馴染んだということかね。

そんな感じで、ほまれしんも、着々と巣立ちの準備をしているということで後はもう、俺としては見守るしかない感じかな。

だからこれからしばらくの間は、じんの娘のめいについて触れていこうと思う。

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