43 / 93
吉佐倉綾乃の独白 その2
しおりを挟む
当時の私は、何故自分が無視されないといけないのか分からなかった。私はあくまで先生に言われた通りにして、クラスをまとめようと、みんなで真面目に勉強できるように頑張ってきただけの筈だったのに。
「みんなちゃんとしてよ!」
先生が教室に来て教壇に立ってるのに、みんなは全然席につかなくて、勝手なことばっかりやってて、「静かにしなさい、授業始めますよ!」って先生が言っても言うこと聞かなくて、だから私が注意したんだ。なのにその時のみんなの目。
今から思い出してもゾッとするくらい冷たい目だった。
本当なら私の方が正しい筈だよね? 学校で授業を真面目に受けるのは当たり前でしょ? それなのにどうして私や先生の方が責められるの?
私が好きだった先生がまだいた頃からもう基本的には無視され始めてたけど、それでもまだ時々は話し掛けられたこともあったある時、クラスで割と何人もといつもつるんでる女子が言った。
「先生にエコヒイキしてもらってるからって調子乗らないで!」
仲間を従えて、いかにも『自分の方が正しいことを言ってます』みたいな態度がすごく気に障って、私も言い返してた。
「調子にとか乗ってない! 私はみんながちゃんとしてないから注意してるだけでしょ!」
って。
そうだよ。私はちゃんとしてる。ちゃんとしてないのはみんなの方だよ。だよね、先生?
正しいのは先生の言うとおりにして、先生の言うことも聞かないで授業を妨害してる子達を注意してる私の方の筈だと信じて、『正しい者はいつか勝つ』って信じて、私はそれに耐えた。
しかもそうしてれば、先生は私に優しくしてくれた。放課後、学年室に呼ばれて、他の子達が邪魔をして授業が遅れ気味なのを丁寧に補ってくれた。
それだけじゃない。先生は、
「吉佐倉《よざくら》さんは優しいね。本当にいい子ね…」
って言いながら私のことを抱き締めてくれて、体も撫でてくれたんだ。それがすごく気持ち良くて、嬉しくて。
最初は服の上から。でもいつの頃からか先生の手が服の中まで入ってくるようになって、直接私の肌に触れる温かい先生の手がまた気持ち良くて、ふわっとした気分になるのを感じてて、敏感なところに触れてくるのも何の疑問も持たずに受け入れてた。
先生の手がそうやって私の体をやわやわと撫でてくれると、クラスの子らに無視されてるのとか、嫌なことを言われるのとかも平気になった。
だから、先生が私の顎に手を添えて上を向かせてそっと唇を触れさせてきた時だって、逆に嬉しくてドキドキした。
そして先生は言った。
「私が、吉佐倉さんのことを守るからね。ちゃんと守るからね」
って言ってくれたんだ。
それなのに……
ある日、先生は来なくなった。代わりの先生が来て、
「みなさんの担任だった釈埴先生は、事情があって他の学校に移ることになりました。急なことですが、しばらくの間は私が代理の担任になります」
とか言って……
そんな……
「みんなちゃんとしてよ!」
先生が教室に来て教壇に立ってるのに、みんなは全然席につかなくて、勝手なことばっかりやってて、「静かにしなさい、授業始めますよ!」って先生が言っても言うこと聞かなくて、だから私が注意したんだ。なのにその時のみんなの目。
今から思い出してもゾッとするくらい冷たい目だった。
本当なら私の方が正しい筈だよね? 学校で授業を真面目に受けるのは当たり前でしょ? それなのにどうして私や先生の方が責められるの?
私が好きだった先生がまだいた頃からもう基本的には無視され始めてたけど、それでもまだ時々は話し掛けられたこともあったある時、クラスで割と何人もといつもつるんでる女子が言った。
「先生にエコヒイキしてもらってるからって調子乗らないで!」
仲間を従えて、いかにも『自分の方が正しいことを言ってます』みたいな態度がすごく気に障って、私も言い返してた。
「調子にとか乗ってない! 私はみんながちゃんとしてないから注意してるだけでしょ!」
って。
そうだよ。私はちゃんとしてる。ちゃんとしてないのはみんなの方だよ。だよね、先生?
正しいのは先生の言うとおりにして、先生の言うことも聞かないで授業を妨害してる子達を注意してる私の方の筈だと信じて、『正しい者はいつか勝つ』って信じて、私はそれに耐えた。
しかもそうしてれば、先生は私に優しくしてくれた。放課後、学年室に呼ばれて、他の子達が邪魔をして授業が遅れ気味なのを丁寧に補ってくれた。
それだけじゃない。先生は、
「吉佐倉《よざくら》さんは優しいね。本当にいい子ね…」
って言いながら私のことを抱き締めてくれて、体も撫でてくれたんだ。それがすごく気持ち良くて、嬉しくて。
最初は服の上から。でもいつの頃からか先生の手が服の中まで入ってくるようになって、直接私の肌に触れる温かい先生の手がまた気持ち良くて、ふわっとした気分になるのを感じてて、敏感なところに触れてくるのも何の疑問も持たずに受け入れてた。
先生の手がそうやって私の体をやわやわと撫でてくれると、クラスの子らに無視されてるのとか、嫌なことを言われるのとかも平気になった。
だから、先生が私の顎に手を添えて上を向かせてそっと唇を触れさせてきた時だって、逆に嬉しくてドキドキした。
そして先生は言った。
「私が、吉佐倉さんのことを守るからね。ちゃんと守るからね」
って言ってくれたんだ。
それなのに……
ある日、先生は来なくなった。代わりの先生が来て、
「みなさんの担任だった釈埴先生は、事情があって他の学校に移ることになりました。急なことですが、しばらくの間は私が代理の担任になります」
とか言って……
そんな……
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる