BL「幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで」第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

文字の大きさ
上 下
130 / 131

加筆④ー2「シエルとノヴァが廊下でイチャイチャする話」アルファポリス限定

しおりを挟む



俺がそんな事を考えていると、ノヴァさんが俺の背中をなぞり、尻をズボン越しに揉んできた。

ちょっと……駄目だよ!

こんなところで……!

ノヴァさんに注意したいけど、キスの最中だから言葉が出せない。

ノヴァさんが執拗に俺の尻を揉むから、俺のペニスも硬くなっちゃった……。

「シエル……私の愛撫に反応してくれて嬉しいぞ」

ようやくノヴァさんとのキスから開放された。

ノヴァさんは頬を上気させ、ご機嫌な表情で俺を見つめていた。

「ノヴァさんの馬鹿……!
 こんなところで、あんな事するなんて……」

俺はノヴァさんの胸板をぽかぽかと叩いた。

「怒った顔のシエルも可愛い」

ノヴァさんはそう言って目を細め、俺の額にキスをした。

これは何を言っても駄目なやつだ。

「こんなにおっきくしちゃったら、自分の部屋まで戻れないよ……」

ここから自室までは遠い。

宮殿の広さを呪いたくなる。

勃起させた下半身を隠すように、前傾姿勢で歩いて、自分の部屋まで戻るのは嫌だなぁ。

かっこ悪いなぁ……。

俺は泣きそうになった。

「もう、どうするんですか……!」

「涙目で見上げてくるシエルも可愛い!!」

ノヴァさんは目を細め、はにかんでいた。

本当にこの人は……!

さっきまで訓練場で、騎士相手に稽古をつけていたかっこいいノヴァさんとは別人みたいだ。

「いっそ、繋がったまま部屋まで戻るか?
 結合部分はマントで隠せる」

ノヴァさんが真剣な表情で言ってきた。

ノヴァさんと繋がったまま宮殿の廊下を移動するなんて無理……!!

「なに考えてんですか!
 そんなことできるわけないでしょう!
 第一に俺は妊娠中です!
 挿入は控えて下さいって言ったでしょう!」

俺はノヴァさんの厚い胸板をぽかぽかと叩いた。

「冗談だ」

と言ってノヴァさんは苦笑いを浮かべていた。

いや……絶対に本気だったでしょう?

俺が「いいよ」と言ったら実行する気だったでしょう?

俺はジト目でノヴァさんを見上げた。

「心配するな。
 この近くに兵士の休憩室がある。
 そこでしよう」

ノヴァさんが俺の耳元で囁いた。

彼に低音ボイスで囁かれ、背中がぞくぞくとした。

そんなことされたら、余計に感じちゃうよ。

「そこ……ちゃんと鍵がかかりますよね?」

ノヴァさんと致してる時に、誰かが入ってきて裸を見られたら恥ずかしい。

「……多分、大丈夫だ」

なんだろう? 今の間は?

ノヴァさんの事だから、
俺に「誰かが入って来たらどうしよう?」とか、
「こんなところを誰かにみられたら恥ずかしい」
とか言わせたいんだろうな。

そう言って恥じらう俺を抱きたいんだろうな。

それがわかってて、ノヴァさんの趣味に付き合ってしまう俺も、そうとうどうかしている。

◇◇◇◇

そのあと、兵士の休憩室のベッドを借りて素股した。

幸い、俺たちの素股中に、誰かが部屋に入ってくることはなかった。

◇◇◇◇
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【完結】嬉しいと花を咲かせちゃう俺は、モブになりたい

古井重箱
BL
【あらすじ】三塚伊織は高校一年生。嬉しいと周囲に花を咲かせてしまう特異体質の持ち主だ。伊織は感情がダダ漏れな自分が嫌でモブになりたいと願っている。そんな時、イケメンサッカー部員の鈴木綺羅斗と仲良くなって──【注記】陽キャDK×陰キャDK

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます

ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜 名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。 愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に… 「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」 美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。 🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶 応援していただいたみなさまのおかげです。 本当にありがとうございました!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

【BL】こんな恋、したくなかった

のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】  人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。  ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。 ※ご都合主義、ハッピーエンド

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

処理中です...