BL「幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで」第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

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加筆④ー2「シエルとノヴァが廊下でイチャイチャする話」アルファポリス限定

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俺がそんな事を考えていると、ノヴァさんが俺の背中をなぞり、尻をズボン越しに揉んできた。

ちょっと……駄目だよ!

こんなところで……!

ノヴァさんに注意したいけど、キスの最中だから言葉が出せない。

ノヴァさんが執拗に俺の尻を揉むから、俺のペニスも硬くなっちゃった……。

「シエル……私の愛撫に反応してくれて嬉しいぞ」

ようやくノヴァさんとのキスから開放された。

ノヴァさんは頬を上気させ、ご機嫌な表情で俺を見つめていた。

「ノヴァさんの馬鹿……!
 こんなところで、あんな事するなんて……」

俺はノヴァさんの胸板をぽかぽかと叩いた。

「怒った顔のシエルも可愛い」

ノヴァさんはそう言って目を細め、俺の額にキスをした。

これは何を言っても駄目なやつだ。

「こんなにおっきくしちゃったら、自分の部屋まで戻れないよ……」

ここから自室までは遠い。

宮殿の広さを呪いたくなる。

勃起させた下半身を隠すように、前傾姿勢で歩いて、自分の部屋まで戻るのは嫌だなぁ。

かっこ悪いなぁ……。

俺は泣きそうになった。

「もう、どうするんですか……!」

「涙目で見上げてくるシエルも可愛い!!」

ノヴァさんは目を細め、はにかんでいた。

本当にこの人は……!

さっきまで訓練場で、騎士相手に稽古をつけていたかっこいいノヴァさんとは別人みたいだ。

「いっそ、繋がったまま部屋まで戻るか?
 結合部分はマントで隠せる」

ノヴァさんが真剣な表情で言ってきた。

ノヴァさんと繋がったまま宮殿の廊下を移動するなんて無理……!!

「なに考えてんですか!
 そんなことできるわけないでしょう!
 第一に俺は妊娠中です!
 挿入は控えて下さいって言ったでしょう!」

俺はノヴァさんの厚い胸板をぽかぽかと叩いた。

「冗談だ」

と言ってノヴァさんは苦笑いを浮かべていた。

いや……絶対に本気だったでしょう?

俺が「いいよ」と言ったら実行する気だったでしょう?

俺はジト目でノヴァさんを見上げた。

「心配するな。
 この近くに兵士の休憩室がある。
 そこでしよう」

ノヴァさんが俺の耳元で囁いた。

彼に低音ボイスで囁かれ、背中がぞくぞくとした。

そんなことされたら、余計に感じちゃうよ。

「そこ……ちゃんと鍵がかかりますよね?」

ノヴァさんと致してる時に、誰かが入ってきて裸を見られたら恥ずかしい。

「……多分、大丈夫だ」

なんだろう? 今の間は?

ノヴァさんの事だから、
俺に「誰かが入って来たらどうしよう?」とか、
「こんなところを誰かにみられたら恥ずかしい」
とか言わせたいんだろうな。

そう言って恥じらう俺を抱きたいんだろうな。

それがわかってて、ノヴァさんの趣味に付き合ってしまう俺も、そうとうどうかしている。

◇◇◇◇

そのあと、兵士の休憩室のベッドを借りて素股した。

幸い、俺たちの素股中に、誰かが部屋に入ってくることはなかった。

◇◇◇◇
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