44 / 131
四十四話「湖畔の青姦」***
しおりを挟む「あっ…、あぁっ、はっ……ふぁっ、あん」
「好きだシエル! 愛しているシエル!」
俺は目の前の木に手をつき、お尻を突き出す体勢をしている。
パンツを脱がされ、スカートとマントは尻の上までまくり上げられた。
ワンピースの前についていたボタンは外され、胸は外気に晒されている。
ノヴァさんは俺を後ろから抱きしめ、腰を激しく振っている。
腰を打ち付けられるたびにバチュン! バチュン! という卑猥な音が響く。
「あっ、あっ、あんっ! ……ノヴァさん、激しい……!」
「すまない、衝動が抑えきれない!」
ノヴァさんが腰をピストンする速度を上げる。
ノヴァさんが俺を愛していると言ってくれて、俺もノヴァさんを愛していると伝えた。
ノヴァさんとキスしてたら、ノヴァさんの下半身がガチガチになってしまって、いやその前から結構勃ってたけど。
とにかく処理しないと帰れないと言うし、俺もやぶさかではないので、人気のない林の中でセックスすることになった。
最初にセックスしたときも森の中だったし、野生に返ったみたいな気持ちになるので外でするのは割と好きだ。ノヴァさんに伝えたらところ構わず迫られそうなので、ノヴァさんには教えないけど。
ノヴァさんのペニスに最奥を扉をノックされ、俺は達した。
「あっ、あっ、はぁぁん!」
「シエル! 愛してる!」
ノヴァさんの愛液が奥深くに注がれる。
男同士でも妊娠するんだよな? 解毒治療のために一日一回は中に出す必要があるとして、あとは外に出してもらった方がいいかも?
「シエル……!」
ノヴァさんの唇が首筋に触れる、ノヴァさんの手が胸の飾りをいじり、反対の手がおちんちんの裏筋をなぞる。
もう一度したいとき、ノヴァさんはペニスを中に入れたままこういう触れ方をしてくる。
快楽に流され身をゆだねそうになるのを理性で抑える。外でのセックスが気持ちいいのは確かだ、とはいえ外で何度もするのはためらわれる。
「もう、だめです」
胸の突起をいじるノヴァさんの手をパシリとたたき、男根を握っている手をつねる。
ノヴァさんのペニスが引き抜かれると、中に注がれた白濁液が溢れ俺の足を伝った。
背後にいるノヴァさんが、ゴクリと喉を鳴らす。
「だめですからね」
ワンピースのボタンをしめながら伝える。
「分かっている」
ノヴァさんは残念そうに、ペニスを下着の中にしまった。
「俺のパンツがないんですが……」
「履いてこなかったのではないか?」
そんなはずはない、宿を出るときにはちゃんと履いていた。
「魔法の光の呪文を使ってもらえますか? その辺に落ちてるかもしれませんし」
ノーパンで帰りたくないし、使用済みのパンツを落としていくのも気が引ける。
「シエルの使用済みパンツは出来れば全てコレクションしたい、返したくない……」
ノヴァさんが口を手で抑え、ボソボソと何か話している。小さな声なのでよく聞き取れない。
「ノヴァさん?」
「魔法力が切れた! 魔法の光は使えない! 宿に戻ろう!」
魔法の光ってそんなに魔法力を消費する呪文なの?
ノヴァさんの手が俺の肩と足に手を回り、簡単にお姫様抱っこされてしまう。
「ちょっ、ノヴァさん……!」
「この方が早く帰れる、帰ったら宿でまたしよう!」
俺が歩くよりノヴァさんがお姫様抱っこして走る方が速いといのはちょっと癪だが、ノヴァさんはS級冒険者だし仕方がない。
ノヴァさんは俺をお姫様抱っこしたまま林を抜け、遊歩道に出た。
遊歩道に出るとすごい速さで走り出した。道が整えられていることもあり、ティミディテの森を移動するときの十倍ぐらい速い。
景色がみるみる変わっていき、あっという間に宿についていた。
宿についてもノヴァさんが俺をおろしてくれる気配はない。
「ノヴァさん、俺歩けますから……」
「このまま部屋に帰ろう」
ノヴァさんは俺を下ろす気はないらしく、お姫様抱っこしたまま宿に入っていく。
俺はフードを深くかぶり、従業員や客と視線を合わせないようにした。
部屋の扉の前についたとき、ノヴァさんの襟を引っ張った。
「ノヴァさん、あの……中に出すのは一日一回にしましょう、赤ちゃんが出来ちゃう」
大きな声で言うには恥ずかしい内容だ。部屋の中に入ってから伝えてもよかったのだが、部屋に入ったら速効でセックスされそうなので、今しか伝えるタイミングはない。
「そのことなら心配いらない」
良かった、ノヴァさんもその辺の節度はあるんだ。
結婚の約束をしたとはいえ、俺たちはまだ教会で式を上げていない。結婚式の前に子連れになるのはまずい。
レーゲンケーニクライヒ国では、教会で式を上げていないカップルは正式に夫婦とは認められなかったし、男が妊娠することへの抵抗もある。
一日一回のセックスは治療のために仕方ないとして、それ以外は外に出してほしい。できれば避妊薬も欲しい。
「心配いらない、シエルの子ならきっと可愛い、王都に家を買い二人で育てよう。私も積極的に家事や子育てをする」
話が全然通じてない!
「いや、ノヴァさん俺はそういうことを心配をしてるんじゃ……!」
「愛する妻と娘の元に帰ってくる優しい父親、理想的な家庭だ」
ノヴァさんの瞳が夢見る少年のものになっていた。妄想の中で勝手に子供を作り、子供の性別まで決めつけている。
言葉は通じるのに、話が通じないとはまさにこのことだ!
「そうと決まれば、急いで部屋に入ろう! 子作りに励まなければ!」
俺はノヴァさんの謎のスイッチを押してしまったらしい。
ノヴァさんはあてに出来ない。自力で避妊薬を手に入れよう! それまでは念入りに中に入れられたものを掻き出そう。
◇◇◇◇◇
321
お気に入りに追加
4,321
あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる