幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで・BL・完結・第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

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十四話「リーヴ村⑤」

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「おはようございます、ノヴァさん」

「ん、早いな……もう起きたのか?」

「はい、久しぶりにベッドで眠れましたから」

「そうか……って、その格好はどうした!?」

俺の姿を見たノヴァさんがベッドから飛び起きた。

「ノヴァさんが買ってくれた服を着たんですよ、似合いますか?」

くるりと回ってみせる。スカートがひらひらと揺れる。

「ああ、似合っている」

ノヴァさんの頬が赤い。

「よかった」

これでシャツ一枚から卒業だ!

女もののパンツの行方はその…………聞かないでくれ。強いて言えば俺は今ノーパンではない。

淡い水色のワンピースと白い靴は、ザフィーアの金髪と青い目によく合っていた。清楚な感じの女の子に見える。

「そんなことより、かっ、髪をどうした!!」

ノヴァさんが俺の肩を掴む、ちょっと力入れすぎじゃない? 痛いよ。

「切りました」

ザフィーアはエルガー王子の好みに合わせて腰まで伸ばしていたようだが、長いと洗うのも乾かすのも大変なんだよな。

エルガー王子に未練はないし、バッサリと切らせてもらった。

切った髪は紙袋を包んでいたリボンで結んで、テーブルの上に置いてある。

「綺麗な髪だったのに……」

肩の長さで切りそろえられた髪をノヴァさんが撫でる。

ノヴァさんもロン毛が好きだったのかな?悪いことしたな。

本当はもっと短く切りたかったが、あまり短いと女に見えなくなるからやめた。

「一階の雑貨屋って、買い取りもしてくれますか?」

ゲームではどの店でもいらなくなった道具の買い取りをしてくれるが、現実はどうかなんだろう?

「買い取りもしているがなぜだ?」

残念そうに俺の髪をなでていたノヴァさんが俺の目を見る。

「俺の髪を売ろうと思いまして……」

「だめだ!!」

再びノヴァさんに肩を掴まれ、怖い顔で睨まれた。

「えっ? どうしてですか?」

「その……素人が売りに行くと買いたたかれる可能性が高い」

「ああ、なるほど」

ゲームだと設定通りの値段で買い取ってくれるが、現実はそううまくはいかないよな。

ザフィーアみたいな、いかにも世間知らずのおぼっちゃまが売りに行ったら、値切られるに決まっている。

「宿代のたしになればと思ったのですが……」

ザフィーアの髪は金髪だし、それなりの金になると思ったんだが甘かったか。

「そう気を落とさなくてもよい、その……私が預かる」

「えっ? ノヴァさんが?」

「私が預かり、後で売ってくる」

「そうしてもらえると助かります。いくらぐらいになりそうですか?」

「そうだな、屋敷百軒分の金貨を払ってもいい」

「はいっ?」

そんな値段で買ってくれる人いないだろ?

「いやこちらの話だ」

「俺としては宿代と服代と靴代とノヴァさんへの治療費と王都への旅費になったらいなって」

さすがに欲張りすぎかな?

「王都への旅費とは?」

「できれば王都で冒険者登録したいと思いまして」

リーヴ村は田舎すぎる、ここで冒険者登録する人数は少ないだろうし、ザフィーアの容姿は目立ちすぎる。

偽名で登録しても、追手が探しに来たら即行でバレる。

その点王都なら冒険者登録する人間も多いだろうし、髪を染めてフードや仮面で顔を隠せばある程度はごまかせるだろう。

ノヴァさんにどう説明したものか?

「そうだな田舎で冒険者登録すると一生田舎者呼ばわりされることになる、それを嫌い都会に出て冒険者登録する者も多い」

そうなのか、まあ確かに一生田舎者呼ばわりされるのは嫌だが。

「王都に行くなら私も一緒に行く」

ノヴァさんが俺の手を取る。

「えっ、いやさすがにそこまでは」

そこまで迷惑はかけられない。

「忘れたのか、そなたははじらい死草の毒に犯されている、治療が必要だ。私以外の者には治療をさせない約束だろ?」

そうなんだよな、治療が終わるまではノヴァさんと離れられない。

ノヴァさんと離れたら寂しいし、王都に一緒に行ってくれると言われて心臓がバクバクしてる。

これ以上この人に頼ってたら、離れたとき寂しさでショック死しそうだ。

「そのことなんですけど、完治するまでにどのくらいかかりますか?」

一週間ぐらいかな?

「そっ、そうだな……」

ノヴァさんが俺から顔を逸し視線をさ迷わせた、気のせいか顔色が悪いな。

前世の父親が母親に隠し事するとき、こんな顔してたな。懐かしいな、父さんも、母さんも、姉さんも元気にしてるかな?

「一年だ!」

「えっ? 一年ですか?!」

そんなにかかるのか?

「しかも毎日解毒治療をほどこす必要がある」

ノヴァさんと毎日……セックス!?

レーゲンケーニクライヒ国の人間がはじらい死草の毒にやられたら、確実に死ぬな。

冬至はだめ、復活祭はだめ、四句節はだめ、日、水、金、土はだめ……とても毎日セックス……いや解毒治療できない。

ノヴァさん以外の人に解毒治療をさせないとは言ったけど、さすがに一年も縛るのは申し訳ないな。

ノヴァさんに恋人や婚約者がいたら申し訳ないし……なんだろう今、胸がすごくズキズキした。

「娼館に入ろうかな……」

「今なんと言った!」

ノヴァさんが俺の腰に手を回し、腕を強く掴む。鷹が獲物を狩るような目で睨まれた。

「いや、ノヴァさんに一年間も解毒治療させる訳にも行きませんし、行きずりの相手とするのも危険ですし、そういう意味で娼館なら安全かと」

貴族専用の高級娼館ならそこまで質も悪くないだろ。処女は喪失したがザフィーアぐらい可愛ければ、高級娼館で働けると思う。

できればノヴァさん以外とそういうことはしたくないけど。

「裏目にでたか……」

ノヴァさんが深く息を吐いた。

「ノヴァさんに婚約者や恋人がいたら申し訳ないですし」

「婚約者も恋人もいない!」

「えっ、そうなんですか?」

こんなに格好いいのにいないんだ、俺はホッと息をついた。ん? 今どうして俺は安堵したんだろう?

「私以外に解毒治療をさせない約束だろ!」

ノヴァさんの顔が近い、唇が触れ合いそうだ。

「一年もするの大変じゃないですか?」

「案ずるな、幸い私は性欲が強いほうだ! 毎日しても種切れになることはない!」

そうなんだ、すごいな。

そんだけ性欲が強いのに恋人も婚約者もいないのか。娼館に通ってたのかな? だとすると遊ぶ金も馬鹿にならないな。

ああそうか、娼館に通うぐらいなら手軽に抱ける俺を抱こうと言うことか。

ストンと、腑に落ちた。

同時に胸が苦しくなった。

娼婦の代わりか、ならギブアンドテイクってところかな。そこまで卑屈にならなくてもいいか。

遠慮なくノヴァさんに子種を注いでもらおう。

「お願いしてもいいですか?」

「もちろんだ」

ノヴァさんの手が俺の顎を掴み唇を塞がれた。あっという間に舌を絡め取られる。

腰に添えられたノヴァさんの手が俺の尻を撫でる。

「んっ、ぁっ……やっ……!」

エッチな声が漏れてしまう。

ノヴァさんが俺の服のボタンを外していく。

「ノヴァさん、午前中の便で王都に向いたいのですが……」

駅馬車に乗り、王都向かいたいのだが。

「明日の朝一番の便に乗ればいい、昨日はじらい死草の毒に犯されたばかりなのだ、今日は治療に専念した方がいい」

腰にノヴァさんの硬いものが当たる。

つまりノヴァさんと一日中セックス。

アナルがひくひくしてる、ノヴァさんの肉棒がほしいとうずいている。

はじらい死草の毒が抜けてないようだ。これはたくさん注いでもらったほうがよさそうだな。

ワンピースを脱がされ、ベッドに組み敷かれてる。

女もののパンツを履いた俺を見て、ノヴァさんがにやにやしている。

「このパンツ、ノヴァさんの趣味でしょ?」

「違う! だがよく似合っている」

ノヴァさんが嬉しそうにパンツの上からおちんちんを撫でる。

「あっ……♡」

パンツを脱がされ、ノヴァさんの肉棒を突っ込まれて一日中抱かれた。



◇◇◇◇◇
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