幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで・BL・完結・第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

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七話「はじらい死草①」

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はぁはぁはぁはぁ……息が荒い。初めての射精した高揚感と、ちょっとの罪悪感がこみ上げてくる。

ザフィーアの記憶があるせいか、胸がズキズキと痛む。レーゲンケーニクライヒ国では昼間の性行為は禁止されていたからな。そもそも自慰はしていいんだっけ?

初めてのオナニーが外で、身に着けているものがシャツ一枚とか、なかなかハードルが高い。

体が熱い、変だな抜いたばかりなのに……抜く前より熱い気がする。

「ぇっ……?」

下半身に目を向けると達したばかりだというのに、ちんこがまたそそり立っていた。

性的なことに一ミリも興味ありませんて顔して、随分といやらしい体をしてるんだな。

レーゲンケーニクライヒ国では子作りのためのセックスでも、一日一回までと決められていた、しかも毎日は出来ない。ザフィーアがあのままエルガー王子と結婚してたら、性欲を持て余して苦労しただろうな。


◇◇◇◇◇


「あっ、うっ、あっ、あっ、はぁ……ん!」

あれからさらに四回抜いたけど、体の熱が治まらない。むしろ抜けば抜くほど体が熱くなり、苦しくなっていく。

「なっ、なんで……?」

涙目で勃起したおちんちんを睨めつける。なんで熱が引かないんだよ……!

ガサガサと音がして、とっさにおちんちんを手で隠す。

「ノヴァ……しゃ、ん?」

うさぎかネズミであることを期待したが、茂みの中から現れたのはノヴァさんだった。

「な、なんれ……見ないれって、言ったのに……」

涙目でノヴァさんを見る。

ノヴァさんは俺の前に膝を付き、おちんちんを隠していた手を掴んだ。

「ひゃっ……!」

ちょっとした刺激で声が出てしまう。

「何回目だ?」

「ふぇっ……?」

俺の顔を見るノヴァさんの目は真剣そのものだった。

「ぅっ、……ご、五回目、れす」

「いつもそんなにしているのか?」

俺はふるふると首を振る。

「分かんにゃい……」

「分からないとは?」

「らって、したことない……もん」

ザフィーアの体でしたのはこれが初めてだ。

頭が熱い、クラクラして、舌が回らなくなってる。

「……そうか初めてだったのか」

ノヴァさんが頬を赤く染める。

「ぅうっ、見にゃい、で……どっか行っれ」

涙で潤んだ瞳でノヴァさんを威嚇いかくするが、効果はなかった。

「すまないがそれはできない」

「なんれ……!」

ノヴァさんは紳士だと思っていたけど、美少年好きの変態だったのか?!

「ティミディテの森……その名で気づくべきだった」

「……?」

ノヴァさんは何を言ってるんだ?

ノヴァさんの手が俺のふくらはぎに触れる。

「ヒゃッ……!」

今の俺の体はすごく敏感になっていて、触れられただけで高い声が出てしまう。自分で触れるより気持ちいい……!

「ティミディテ・モー草」

「……??」

ノヴァさんはなんの話をしているんだ?

「別名、はじらい死草しそう

はじらい死しそう……? ダジャレみたいな名前だな。

「この草のとげでケガをすると、いやらしい気持ちになる。そして……」

急に乳首が硬くなったり、おちんちんが立ったりしたのはその草のせいだったのか!

そういえば森に入って一分で棘がいっぱいついたつたでふくらはぎを切ったな。

「適切な治療を施さなければ、一日で死に至る」

「ふぇっ……!」

そんな危険な草だったのか!?

「その治療法や、治療を施すまでいやらしい気持ちになることから、他の人間に言えずはじらい死する乙女が後を立たなかった。随分前に生息地ごと焼き払われたはずだが、まだ存在していたのか……」

急にいやらしい気持ちになって、体がうずいて熱が治まらなかったら、人に言えないよな。未婚の女性ならなおさらだ。

「治療、法って……」

キメラの目玉とか、ユニコーンの角とか、マンドラゴラの根とか言わないよね?

そんなレアアイテムを今から探していたら死んでしまう。

「治療法はある、幸い私にもできることだ、だがその……」

ノヴァさんが言葉を濁す。心なしかさっきより顔が赤いような?

難しい魔法か、高価なアイテムを使うのかな?

「お願い、しましゅ……助しゅけて、ノヴァしゃん……!」

ノヴァさんのシャツをぎゅっとつかみ懇願する。

高価なアイテムとかだったら、何年かかっても働いて弁償しますから。

ノヴァさんがゴクリと喉をならす。

「分かった、だが初めに言っておくが……その少し痛いぞ」

荒療治ってやつか? 望むところだ! 死ぬよりはましだ!

「それにその、解毒できても……治療の衝撃でショック死するかもしれん……」

ショック死!?

そんなに危険な治療なのか? でもやらなきゃ確実に死ぬわけだし他に選択肢はない!

「俺は……大丈夫らよ、お願い……しましゅ、治療して……くりゃしゃい」

ノヴァさんの服をぎゅっと掴む。

ノヴァさんの目に欲の色が宿った気がした。

「そうか、では治療しよう」

「ヒャい」

「はい」と言いたかったのだが、うまく発音できない。

ノヴァさんはマントを脱ぎ捨てると、おもむろにベルトを外し、ズボンのファスナーを下げた。

「ふぇっ!?」

突如視界に入ったそれを、俺は呆然ぼうぜんと見つめていた。

取り出されたノヴァさんのペニスは天をつくほどそそり立ち、血管が浮き出ており、先端が先走り液で濡れていた。

なんでそんな凶悪そうな男根を取り出してるんですか??

理性は警鐘を鳴らしているのに、はじらい死草の効果で頭がおかしくなっているのか、ノヴァさんの凶悪ちんぽを食い入るように見つめてしまう。

体が熱い、あれがほしいと体が訴えてる、変態か俺は!

「ノヴァしゃん……?」

ノヴァさんが俺の体を地面に組み敷く。

「ふぇっ?」

真紅に染まったノヴァさんの顔が視界いっぱいに広がる。

「治療法は性行為……自分以外の精液を体内に取り込むことだ」

「ふぇえっ??」

それってつまり……セックス。

はじらい死草の毒で理性が溶けて蒸発したらしい。

俺のお尻の穴はさっきからピクピクしっぱなしだ、心臓はバクバクと音を立ててるし、ノヴァさんの肉棒がほしくて仕方ない!

「やはり、嫌か……?」

ノヴァさんが眉を下げる。

「嫌ら、ないれすよ……ノヴァしゃんの、おちんちん……くらさい」

ノヴァさんの頬に手を添えおねだりする。治療だと思って、ためらわずやってください。男とするのは嫌でしょうが、この償いは一生かかってもします! たがらひとおもいにやっちゃってください……!

「くっ、もう限界だ……!」

ノヴァさんが首のところでたぐまっていた俺のシャツを脱がし、唇にキスをした。

ノヴァさんの舌が口内に侵入してきて、俺の舌を絡めとり、長く美しい指が俺の胸の突起をいじる。

えっ……? 全裸でするの? キスするの? 愛撫もするの?

そういえばボワアンピール帝国とレーゲンケーニクライヒ国では、性行為への認識が違かったな。

レーゲンケーニクライヒ国では性行為は害悪だけど、ボワアンピール帝国では子孫を残すために性行為は必須で楽しんでもいいという考えだった。

てっきり本番だけだと思っていたから、愛撫される刺激に脳みそがついていかない。

ノヴァさんの指が俺の胸の突起をぐりぐりと摘むようにいじる。

俺のちんことノヴァさんの極太ちんぽが触れ合い、背筋がビクンと跳ねる。

「ん、んんン……!」

声にならない音が漏れる。

俺、ノヴァさんにめちゃくちゃにされちゃうかも……?

これからノヴァさんにされることを想像したら背筋がゾクリと震えた。

ノヴァさんが唇を離すと二人の間を銀の糸が引いた。

ノヴァさんが獣のように荒々しい目つきで俺を見ている。

ノヴァさんにめちゃくちゃにされて、お尻でしかイケない体になったらどうしよう?

爪の先ほど残った理性が危険だと警告してくる。だが今の俺の脳みそは溶けていて「ちゅー気持ちよかっらよ♡ ノヴァさんのおっきいの……早くちょうらい♡」という卑わいな言葉しか出て来なかった。
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