上 下
7 / 122

七話「はじらい死草①」

しおりを挟む

はぁはぁはぁはぁ……息が荒い。初めての射精した高揚感と、ちょっとの罪悪感がこみ上げてくる。

ザフィーアの記憶があるせいか、胸がズキズキと痛む。レーゲンケーニクライヒ国では昼間の性行為は禁止されていたからな。そもそも自慰はしていいんだっけ?

初めてのオナニーが外で、身に着けているものがシャツ一枚とか、なかなかハードルが高い。

体が熱い、変だな抜いたばかりなのに……抜く前より熱い気がする。

「ぇっ……?」

下半身に目を向けると達したばかりだというのに、ちんこがまたそそり立っていた。

性的なことに一ミリも興味ありませんて顔して、随分といやらしい体をしてるんだな。

レーゲンケーニクライヒ国では子作りのためのセックスでも、一日一回までと決められていた、しかも毎日は出来ない。ザフィーアがあのままエルガー王子と結婚してたら、性欲を持て余して苦労しただろうな。


◇◇◇◇◇


「あっ、うっ、あっ、あっ、はぁ……ん!」

あれからさらに四回抜いたけど、体の熱が治まらない。むしろ抜けば抜くほど体が熱くなり、苦しくなっていく。

「なっ、なんで……?」

涙目で勃起したおちんちんを睨めつける。なんで熱が引かないんだよ……!

ガサガサと音がして、とっさにおちんちんを手で隠す。

「ノヴァ……しゃ、ん?」

うさぎかネズミであることを期待したが、茂みの中から現れたのはノヴァさんだった。

「な、なんれ……見ないれって、言ったのに……」

涙目でノヴァさんを見る。

ノヴァさんは俺の前に膝を付き、おちんちんを隠していた手を掴んだ。

「ひゃっ……!」

ちょっとした刺激で声が出てしまう。

「何回目だ?」

「ふぇっ……?」

俺の顔を見るノヴァさんの目は真剣そのものだった。

「ぅっ、……ご、五回目、れす」

「いつもそんなにしているのか?」

俺はふるふると首を振る。

「分かんにゃい……」

「分からないとは?」

「らって、したことない……もん」

ザフィーアの体でしたのはこれが初めてだ。

頭が熱い、クラクラして、舌が回らなくなってる。

「……そうか初めてだったのか」

ノヴァさんが頬を赤く染める。

「ぅうっ、見にゃい、で……どっか行っれ」

涙で潤んだ瞳でノヴァさんを威嚇いかくするが、効果はなかった。

「すまないがそれはできない」

「なんれ……!」

ノヴァさんは紳士だと思っていたけど、美少年好きの変態だったのか?!

「ティミディテの森……その名で気づくべきだった」

「……?」

ノヴァさんは何を言ってるんだ?

ノヴァさんの手が俺のふくらはぎに触れる。

「ヒゃッ……!」

今の俺の体はすごく敏感になっていて、触れられただけで高い声が出てしまう。自分で触れるより気持ちいい……!

「ティミディテ・モー草」

「……??」

ノヴァさんはなんの話をしているんだ?

「別名、はじらい死草しそう

はじらい死しそう……? ダジャレみたいな名前だな。

「この草のとげでケガをすると、いやらしい気持ちになる。そして……」

急に乳首が硬くなったり、おちんちんが立ったりしたのはその草のせいだったのか!

そういえば森に入って一分で棘がいっぱいついたつたでふくらはぎを切ったな。

「適切な治療を施さなければ、一日で死に至る」

「ふぇっ……!」

そんな危険な草だったのか!?

「その治療法や、治療を施すまでいやらしい気持ちになることから、他の人間に言えずはじらい死する乙女が後を立たなかった。随分前に生息地ごと焼き払われたはずだが、まだ存在していたのか……」

急にいやらしい気持ちになって、体がうずいて熱が治まらなかったら、人に言えないよな。未婚の女性ならなおさらだ。

「治療、法って……」

キメラの目玉とか、ユニコーンの角とか、マンドラゴラの根とか言わないよね?

そんなレアアイテムを今から探していたら死んでしまう。

「治療法はある、幸い私にもできることだ、だがその……」

ノヴァさんが言葉を濁す。心なしかさっきより顔が赤いような?

難しい魔法か、高価なアイテムを使うのかな?

「お願い、しましゅ……助しゅけて、ノヴァしゃん……!」

ノヴァさんのシャツをぎゅっとつかみ懇願する。

高価なアイテムとかだったら、何年かかっても働いて弁償しますから。

ノヴァさんがゴクリと喉をならす。

「分かった、だが初めに言っておくが……その少し痛いぞ」

荒療治ってやつか? 望むところだ! 死ぬよりはましだ!

「それにその、解毒できても……治療の衝撃でショック死するかもしれん……」

ショック死!?

そんなに危険な治療なのか? でもやらなきゃ確実に死ぬわけだし他に選択肢はない!

「俺は……大丈夫らよ、お願い……しましゅ、治療して……くりゃしゃい」

ノヴァさんの服をぎゅっと掴む。

ノヴァさんの目に欲の色が宿った気がした。

「そうか、では治療しよう」

「ヒャい」

「はい」と言いたかったのだが、うまく発音できない。

ノヴァさんはマントを脱ぎ捨てると、おもむろにベルトを外し、ズボンのファスナーを下げた。

「ふぇっ!?」

突如視界に入ったそれを、俺は呆然ぼうぜんと見つめていた。

取り出されたノヴァさんのペニスは天をつくほどそそり立ち、血管が浮き出ており、先端が先走り液で濡れていた。

なんでそんな凶悪そうな男根を取り出してるんですか??

理性は警鐘を鳴らしているのに、はじらい死草の効果で頭がおかしくなっているのか、ノヴァさんの凶悪ちんぽを食い入るように見つめてしまう。

体が熱い、あれがほしいと体が訴えてる、変態か俺は!

「ノヴァしゃん……?」

ノヴァさんが俺の体を地面に組み敷く。

「ふぇっ?」

真紅に染まったノヴァさんの顔が視界いっぱいに広がる。

「治療法は性行為……自分以外の精液を体内に取り込むことだ」

「ふぇえっ??」

それってつまり……セックス。

はじらい死草の毒で理性が溶けて蒸発したらしい。

俺のお尻の穴はさっきからピクピクしっぱなしだ、心臓はバクバクと音を立ててるし、ノヴァさんの肉棒がほしくて仕方ない!

「やはり、嫌か……?」

ノヴァさんが眉を下げる。

「嫌ら、ないれすよ……ノヴァしゃんの、おちんちん……くらさい」

ノヴァさんの頬に手を添えおねだりする。治療だと思って、ためらわずやってください。男とするのは嫌でしょうが、この償いは一生かかってもします! たがらひとおもいにやっちゃってください……!

「くっ、もう限界だ……!」

ノヴァさんが首のところでたぐまっていた俺のシャツを脱がし、唇にキスをした。

ノヴァさんの舌が口内に侵入してきて、俺の舌を絡めとり、長く美しい指が俺の胸の突起をいじる。

えっ……? 全裸でするの? キスするの? 愛撫もするの?

そういえばボワアンピール帝国とレーゲンケーニクライヒ国では、性行為への認識が違かったな。

レーゲンケーニクライヒ国では性行為は害悪だけど、ボワアンピール帝国では子孫を残すために性行為は必須で楽しんでもいいという考えだった。

てっきり本番だけだと思っていたから、愛撫される刺激に脳みそがついていかない。

ノヴァさんの指が俺の胸の突起をぐりぐりと摘むようにいじる。

俺のちんことノヴァさんの極太ちんぽが触れ合い、背筋がビクンと跳ねる。

「ん、んんン……!」

声にならない音が漏れる。

俺、ノヴァさんにめちゃくちゃにされちゃうかも……?

これからノヴァさんにされることを想像したら背筋がゾクリと震えた。

ノヴァさんが唇を離すと二人の間を銀の糸が引いた。

ノヴァさんが獣のように荒々しい目つきで俺を見ている。

ノヴァさんにめちゃくちゃにされて、お尻でしかイケない体になったらどうしよう?

爪の先ほど残った理性が危険だと警告してくる。だが今の俺の脳みそは溶けていて「ちゅー気持ちよかっらよ♡ ノヴァさんのおっきいの……早くちょうらい♡」という卑わいな言葉しか出て来なかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。 第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

【完結】売れ残りのΩですが隠していた××をαの上司に見られてから妙に優しくされててつらい。

天城
BL
ディランは売れ残りのΩだ。貴族のΩは十代には嫁入り先が決まるが、儚さの欠片もない逞しい身体のせいか完全に婚期を逃していた。 しかもディランの身体には秘密がある。陥没乳首なのである。恥ずかしくて大浴場にもいけないディランは、結婚は諦めていた。 しかしαの上司である騎士団長のエリオットに事故で陥没乳首を見られてから、彼はとても優しく接してくれる。始めは気まずかったものの、穏やかで壮年の色気たっぷりのエリオットの声を聞いていると、落ち着かないようなむずがゆいような、不思議な感じがするのだった。 【攻】騎士団長のα・巨体でマッチョの美形(黒髪黒目の40代)×【受】売れ残りΩ副団長・細マッチョ(陥没乳首の30代・銀髪紫目・無自覚美形)色事に慣れない陥没乳首Ωを、あの手この手で囲い込み、執拗な乳首フェラで籠絡させる独占欲つよつよαによる捕獲作戦。全3話+番外2話

処理中です...