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眼が覚めると空はどんよりと曇っていた。今にも雨が降り出しそうだ。

ベッドの上で軽くストレッチをして身体をほぐし、収納から下着類を出して着替える。

雨が降りそうなので、洗濯はせずに脱いだ服はそのまま収納に入れておく。ウォルターはのんびり毛繕いをしている。

昨日決めた通り、まずはポーション作成だ。5種類のポーションを均等に作成して収納する。

昨日届いたメンテナンスキットと工具類を取り出して一通り確認し、収納する。

iPadを取り出して某ネットショッピングサイトにアクセスする。

スプレータイプの潤滑油WD-40を2本、歯ブラシと歯磨き粉、無添加無香料の石鹸を10個買う。洗髪から洗濯までこれ一つで賄えるだろう。合計8,900円。購入ボタンを押すと決済の電子音が響いた。

靴を履き、早速歯ブラシと歯磨き粉、カップを出して井戸で水を汲み、歯を磨く。口の中をスッキリさせて顔を洗う。タオルを出して顔を拭き出したものを全て収納する。

ベッドに戻り、レッグホルスターを装着する。

M45をホルスターから抜き、マガジンを抜いてスライドを引き、薬室に入っていた弾を抜いて、マガジンを挿してホルスターに戻す。

銃を抜き差しして位置を微調整する。

ベッドに腰掛けながら昨日使ったマガジンと弾を取り出し、マガジンに込めていく。

弾込めしたマガジンと残りの弾を収納し、レミントンM870MCSロングを取り出す。

フォアエンドをスライドさせて薬室の弾を抜き、上がってきた次弾を引っ張り出してフォアエンドを戻し、薬室を空にする。

抜いた弾を装填してフルロードにし、余ったショットシェルと一緒に収納する。

レミントンM870MCSブリーチャーを取り出す。同じ方法で薬室を空にして抜いた弾を込め直し、さらにバードショットFを1発取り出して補充し、収納する。

収納からペッパーミルとブラックペッパーを取り出して、ミルにペッパーを入れてセットし、収納しなおす。

「ウォルター、そろそろ食事にしようか。」

ウォルターに声をかけながら立ち上がる。

「はい主。参りましょう。」

ウォルターも立ち上がる。一緒に並んで食堂へと歩く。

やはり今日は仕事を休みにした冒険者が多いようで、席は半分ほど埋まっていた。

幸い埋まっているのはカウンターに近い席ばかりだったので、いつもの席にウォルターを待たせてカウンターに向かう。

「お粥を一人前お願いします。」

声をかけるとモフ好きお姉さんが笑顔で答えてくれる。

「はいよ、ちょっと待ってね!」

木椀にお粥を注ぎ、盆に乗せて持ってくる。

「今日は休みにして正解だね。間違いなく雨になるよ。他の連中も休みにしたヤツが多いみたいでこの通りさ。」

うん、確かに皆んなのんびりしてる。中には朝から酒を飲んでいる者もいるようだ。まあ、冒険者らしくて良いよね。

「そうですね、運が良かったです。今日はのんびりしますよ。」

そう言って頭を下げ、席に向かう。盥2つにナルゲンボトル、カップ小を取り出す。

「ウォルター、朝飯は何が良い?」

ウォルターに尋ねる。

「一角シカの内臓をお願いします。」

リクエストに応えて内臓と水を用意する。自分のカップにも水を注ぐ。

「さあ食べようウォルター。いただきます。」

そう声をかけて粥を食べ始める。

1/3ほど食べたところでペッパーミルを取り出し、ゴリゴリと挽きながら粗挽きになったブラックペッパーを振りかけ、よく混ぜる。パクリと一口。うん、美味い!

肉の茹で汁を使ったスープに麦と根菜類を入れて煮込んであるので、ダシがしっかり出ているところにブラックペッパーの風味が加わり、えも言われぬ美味しさだ。香辛料って偉大だ。

夢中でハフハフと掻き込んでいく。一味唐辛子の風味も合うかもしれないな。後で買っておこう。

大満足で食事を終える。ウォルターもとっくに食べ終わり、水を飲みながら口を綺麗にして、のんびりと毛繕いをしている。

他の冒険者たちに混ざりながら食器をカウンターに下げに行く。

「今日も美味しかったです。ご馳走様でした。」

声をかけながら頭を下げると、3人とも笑顔で会釈を返してくれた。

席に戻り出した物を収納し、ウォルターと共に厩舎へ戻る。

いつもの汚れ落としを済ませてベッドに腰掛け、iPadを取り出す。

某ネットショッピングサイトに繋ぎ、ちょっとお高い日本産の粗挽き唐辛子と竹製の七味入れを購入。合わせて5千円だった。早速詰め替えてセットし、収納しておく。

なんやかやと結構お金を使っているな。現在の残金を確認すると、

・銅貨      10枚
・棒銅貨  10枚
・銀貨       33枚
・棒銀貨   11枚
・金貨         2枚

だった。最初の手持ちの半分以下だ。

まあ色々買っちゃったからね。今日の報酬がどれ位になるのかが楽しみだ。

EDCギアに入れてあったスティックコーヒーやカップスープも買い足したいが、1人にならないと使えないのが難点だな。しかも香りが漂ってしまう。

ねえアイ、リアースにコーヒーは無いの?

「あります。ジニアル領都ヘイゼル、グランビア王国王都バレンティナ、どちらでも飲めます。高級酒場で提供されており、ヘイゼルでは一杯40銅貨、ヴァレンティナでは一杯30銅貨です。」

やはり流通の関係で王都では少し安いのか。てか、高級酒場って何?

「領都や王都にある、上級冒険者や貴族が利用する酒場です。日中も営業しており、軽食や質の良い酒、紅茶、コーヒーなどを提供しています。質が良い代わりに値段は2倍から3倍で提供されています。」

地球の高級カフェみたいな感じか。さすがにそんな所は利用できんな。まあ、森に入った時にコッソリと楽しむ事にしようか。

そんな風に考えているとポツポツと雨音が聞こえ始めた。

断続的だった音は徐々に連続になり、すぐに激しい音に変わった。かなり大粒の雨だ。

森に入った連中は濡れ鼠だな。そんな事を考えながら靴を脱ぎ、ベッドに横になる。

クリスヴェクターとH.C.A.R.の試射をどうしようかな、どこでやろうかな、そんな事を考えているうちに意識が沈んでいった。

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