色彩色盲

カミーユ R-35

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忘れていたが俺って……

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転入生「椋橋はさ。その人のことがどう言う存在か説明できないって言ってたけど、逆にその人のことをどう思ってるの?」

俺の問いかけに、少し考えた後彼は答えた。

椋橋「……その人はいつも優しいから。いつも僕なんかを気にかけてくれるくらい優しい人。だから僕はその人の前なら、少しだけ本当の僕でいられる」

転入生「それって好きってことなんじゃないのか?」
俺はストレートに聞いてみたが、彼は余り納得して無い様で。

椋橋「そう……なのかな?正直よく分からない……」と答えた。

転入生「そっか……でも、その気持ちをもっと大事にしてみたらいいんじゃないか?そしたらきっと分かると思うよ」
自分は恋愛したことないのに、ちょっと偉そうだったかな?少し不安に思っていると、椋橋は俺の言葉に少し考え込んでいる様子だったが、やがて小さく頷いた。
(コレって、一様納得してくれたってコトかな?)

転入生「もしさ、それでも分からなくなったらさ。その時はまた一緒に考えよう?なんだったら俺も力になるからさ!」
この内のイジメの件でもそうだ、俺は椋橋に度々助けて貰いっぱなしだった。そう言うと椋橋は小さく笑った。
椋橋「……うん。ありがとうキラ」

そんな会話をしているうちに、担任が教室に入って来てホームルームが始まった。

(忘れていたが、放課後呼び出しを食らっていたんだった…)
俺は放課後が来るのがとても憂鬱になった。
それからはいつも通りの日常が過ぎていき、放課後になると、クラスメイト達は部活や帰宅など各々やりたいことを始めたようだったが、俺は気が気じゃなかった。そんな俺を見た椋橋が声をかけてきた。

椋橋「行くの?ほんとに。」

その意味はきっと、俺が今から呼び出しされた場所に行くのかどうかのコトだろう。(正直行きたく無いのが、本音。でも行かなきゃ面倒くさそうなのが、理由)

転入生「ありがとう…。でも行かないと後々面倒そうだからさ。行ってくるよ俺」
この時、やっぱり行かない選択をすれば良かったと、後悔することになる。
















俺は校舎裏へと向かった。すると、そこには男子生徒がすでに待機しており、俺に気づいたその男子生徒がこちらに近づいてくる。
??「すいません、急に呼び出してしまって……」
申し訳なさそうに謝る男子生徒を見て俺は答えた。

転入生「いえ、大丈夫ですよ」
??「それじゃあ、早速本題に入ろうと思うんですけど……」
転入生「はい……」
俺は固唾を呑んで言葉を待った。すると男子生徒の口からとんでもない言葉が飛んできた。

??「僕はあなたに一目惚れしました!」

転入生「……はい?」
俺は予想外の言葉に一瞬戸惑ってしまった。そして、その戸惑いを他所に男子生徒は話を続けられる。

??「それで……もし良ければお付き合いして欲しいんですけど……」

転入生「えっ⁉」
あまりの唐突な告白に、俺は驚きを隠せなかった。まさかこんなに早くフラグが立つとは思ってなかった。だが、恋愛経験の少ない俺にはこの状況を上手く受け入れる事が出来ない。俺が戸惑っていると、男子生徒は何かを察したように言った。

??「あ、返事はいつでもいいので!ただ気持ちを伝えたかっただけなんです……」
そう言って立ち去ろうとする男子生徒を俺は引き止める。
転入生「ちょ、ちょっと待ってください!」
(まずいってコレは⁉)
??「え?」

転入生「もしかして君、罰ゲームか何かであの転入生に告くれとか何か言われた奴的な何かですか?」

俺の言葉に男子生徒は悲しそうな顔で「いえ…」答えた。その様子を見た俺はなんか罪悪感を感じる。(あれ?違った?じゃあ何??ドッキリとか?)恋愛経験の無い俺にはコレがドッキリか何かにしか思えなかった。

??「いえ違います!ただ一目惚れしただけです!!」
転入生「そっか、一目惚れかぁ~。それは困ったなぁ~……」
(じゃあねーよ‼馬鹿!)俺はそう言いながら頭を搔く。

??「やっぱりダメ……ですよね……」

(駄目も何も男同士だし…)少し悩んだ俺はふと快斗の言葉を思い出す。『別に男女の恋愛が普通ってわけじゃないんだよ。それによ、そもそもお前ん処の学園には色んな奴がいるんだから同性同士のカップルなんて珍しくもなんともないぜ?』って言ってたな…。

転入生「うーん……いや、別に嫌ってわけじゃないんだ。ただその……ほら、俺も恋愛経験少ないし……さ?」

俺は今何を言っているのだろうか?自分で言っていて恥ずかしくなるが、何故かスラスラと言葉が上手く出ない。
そんな俺の様子に、男子生徒は笑い。

??「なるほど!じゃあまずはお互いの事をよく知ってからですね!」
清々しい笑顔に、やられた俺は。
転入生「えっ!?あ、ああ!!そうだな!!」
(いや、それはなんか違う!!)言って後悔する。

??「じゃあ……とりあえず連絡先交換とかしない?」

転入生「えっ!?」
(うわ!!ちょっと急展開すぎない!?今時の子ってそんなもん⁉)俺なんか快斗と連絡先交換するの出会って一ヶ月は掛かったゾ‼
俺は少し焦りながらしどろもどろ、携帯を取り出す。すると男子生徒は嬉しそうな表情を浮かべ。

??「やった!これでいつでも連絡が取れますね!」
転入生「ああ、そうですネ……」(なんかもうどうでも良くなってきたな……)



数分話した後、俺と男子生徒は別れた。その際男子生徒が自分の横を通りすぎて行く後ろ姿を見送っていたら、ふと彼が振り返ってこちらを見た。不思議に思ってこっちも釣られて見ていると、男子生徒は何かをボソッと呟いた。
男子生徒「そっか……君なら上手くやっていけると思ったんですが……」
それだけ言い残して去っていった。
(ん?アレはとう言う意味だ??)そう考えていると、今度は後ろから声をかけられる。

「……いつまで其処に突っ立てるつもり」
俺はは突然の声に驚きながら振り向くとそこには、何故か椋橋が立っていた。

転入生「え⁉どうしたのこんな所で⁉」
驚きに目を見開いていると、椋橋に不満そうな顔をされた。
(今日はよく表情が変わるな…)そう呑気に考えていたら、椋橋はこちらの顔をじっと見つめてきた。
転入生「どうかしたの?」

椋橋「…さっきの人には気おつけた方がいいよ」

転入生「……へ?」
彼の口から予想外な言葉でた俺は思わず間抜けな声を出してしまった。(椋橋の前で恥ずかしい…)ってそれより。

転入生「え?どうして??」
椋橋「あの人は危険だから」
転入生「危険?どういうこと??」
椋橋の言葉の意味が分からずに混乱していたら、「もしかして、何も知らずに話してたの?」

(え?俺何かまずいコトしちゃってた?)
転入生「う……うん……」
椋橋「……本当君って危機感が無いんだね……」

どうやら俺は彼に、呆れられた様だ。(ちょっと傷つく)
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