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  ジャージの中を這う凛の手。 勝ち気そうな目元を乗せた顔に、嘗めた指が唇から糸を引く。


「ふふっ、ジャージって、こういうとき便利だよね」


  凛の右手がオレの後ろに回り、抵抗もなくジャージのウエストを通過する。下着までも、後ろだけスルスルと下がっていく。


「んっ!?」


  少しの圧迫感と共に、凛の指が入ってくる。


「ん、やっ、」


  両手で凛の肩を押すが、身体全体で押さえつける凛の身体はびくともしない。その間にも指は深く侵入する。


「なんでかなー。パンツが引っ掛かって下まで下げられなーいーの、なーんでかなぁー?」

「や、だ…見る、な」


  理由をわかっているのに知らない振りをする凛。ワザとらしく続ける。


「こんなにおっ勃ててさ…もしかして、さっきの兄さんを思い出して想像しちゃった?」

「…っ!」


  気持ちのいい場所を探して揺れる身体。快楽に乱れ上ずる声。果てる快感。
  それが自分だったら。
  乱れさせているのが、大嫌いなアイツじゃなくて、兄貴だったら。




  心にストンと落ちた。

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