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  頭を勢いよく振り、オレは生徒会室で見た映像を消そうとする。







「そろそろ現実見たら?」


  凛の冷ややかな声が遠くで聞こえた。




  オレが見ていた兄貴は、思い描いていた兄貴は…
  オレの勝手な妄想だったのか…







  中身が抜けていくような感覚に、オレはぐったりと壁に持たれかかった。そんなオレに、凛はいたずらっぽい顔で言った。

「可哀想な陸。…そうだ。僕が、いいこと教えてあげるよ」

「…」

  もうどうでもいいやと投げやりになっていたオレは、なにも言わずそっぽを向く。しかし凛はお構いなしに続ける。

「陸はさ、兄さんを抱きたいの?抱かれたいの?」

「は?なに言っ…」


  何を言ってんだと、オレは思わず凛の顔を見た。
  その顔を見て、イラッとしたように、凛が吐き出したのは。


「兄さんに陸のチンコ突っ込みたいか」

「は!?」

「兄さんのチンコを陸の尻に入れられたいのかって聞いてんの」

「はぁっ!?」


  凛の雑な説明に驚くと同時に…
  オレは後者を聞いた瞬間、身震いしていた。


「オッケー、そういうことね」


  納得したように呟く凛の、口元だけが笑っていた。
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