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第一部 決闘大会編
二百五話
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階段を上りながら、白井さんは穏やかな表情で、言葉を続ける。
「真帆も、実は転入生なんだ。今年の四月に転入して、それから半月もしないで風紀に入ってきた」
「そうなんすか!?」
知らんかった。
めっちゃ馴染んでるから、てっきりずっと前からいるのかと。
白井さんは、苦笑した。
「ああいう奴だからな。でも、あの向こうっ気と、青臭さを思えば、そう不思議でもないよ」
「なんでっすか?」
「長く風紀をやればやるほど、自分たちの業務の限界ってものが見えてくるんだ。ああ、この件は、これで終わりだな――ってね。経験の浅い真帆は、それがない。自分が気になったら、とことんまで行こうとする」
「へええ」
二見らしいや、と思わずほころんだ。
俺の事件のことも、ずっと力になってくれてるもんな。クールに見えて、熱い奴なんだ。
少し前で上下する、白井さんの背を追って俺はたったか階段を上る。
「それで、他の風紀と揉めることも少なくなかったから――今回の反省室送りは、起こるべくして起こったのかもしれない」
「えっ?」
白井さんは、ふいに横目で俺を見た。
「なあ、吉村くん、真帆は風紀を疑っていただろう?」
確信を持って言われたことに、ギクリと心臓が動いた。
白井さんは、そんな俺の様子をじっと見据えた後、また前を向いた。
「真帆は、黒の生徒が被害を受けた事件について、特に熱心でね。君と水脈の件についても、ずっと調べていた。あれほどの事故があって、どうして風紀が機能しなかったのか――誰かが、警備情報を漏洩したんじゃないか。そして、それを幹部同士で庇っているのではと、疑っていた」
「二見……」
「それで、水脈の幼馴染みの俺を……怪しく思うのは必然だったんだろうな」
「!」
自嘲気味に言われたことに、目を見開いた。
二見が、白井さんを疑っていた?
うそ、マジで?
「それ、二見が言ったんですか!?」
「……真帆は、生徒会と組んで、俺をリコールするつもりだったんだ」
「まさか!」
「本当だよ。健太と話しているのを聞いてしまった」
リコールって辞めさせるってこと、だよな?
――違うアプローチを考えた。
二見は、たしかにそう言ってた。
それって、そういうことだったのか?
いや、でも……。
二見は、なんもなしに人を疑う奴じゃない。――でも、さっき白井さんは知らなかったって……。
中々、情報を飲み込めねえでいると、白井さんが言う。
「だから、その前に氷室さんに報告したんだ。――真帆が生徒会と組んでいるってね」
「へ」
「氷室さんは、カンカンに怒っていたよ。あの人は生徒会嫌いだし、風紀の結束を乱そうとする真帆のことを、煙たく思っていたからね」
「え……え?」
俺はうろたえて、スポーツ刈りの頭を凝視する。――階段を上りきった白井さんが、くるりと振り返った。
「真帆が反省室送りになったのは、そういう経緯だ。悔しかったろうな」
ひとごとみてえに、白井さんは締めくくる。
疑われて怒ってんのかと思ったら、穏やかに笑っていた。その笑顔に気圧されて、俺は歩みが鈍くなる。
ちょっと、情報過多で……何言ってんのかわかんねえ。
「吉村くん、ここだよ」
「あっ」
手を引かれて、息を飲む。
示された教室は、見覚えがあった。
――第二音楽室。
夢の中で見た。そんな、反省室って、この辺にあったのか?
「――うっ!」
視界がぐら、と揺れた。
目の前の白井さんの姿が消えて――俺は一人、真っ赤な廊下に立っている。
その横を、黒い影がバタバタと走り抜けていく。
凄まじい勢いでよぎる影に、思わずたたらを踏む――そのとき。
――無駄だよ! この時間は、風紀は通らないんだ――くんに、そう、聞いたんだから!
あざけるような声が、耳の奥を反響する。
ズキッ!
頭を貫通するような、痛みが走る。
「あ――!」
ぐい、と肩を強く掴まれて、俺の意識は現実に引き返す。
白井さんが、俺をのぞき込んでいた。夕日で逆光になって、どんな顔をしているのか、わからない。
手のひらに、じわりと汗が滲む。
そういえば、なんでこんなに静かなんだろう。――いつから、こんなに人気が無くなっていた?
「説明会があるから、警護人数が少ないんだよ」
俺の心を読んだように、白井さんは言う。
「それでも、ここ最近は増やしていたんだけどね。もう、あんな事故が起こらないように」
「そ、そうですか……」
俺は、頭痛の余韻にぐらぐらしながら、何とも言えない違和感を覚えていた。
なんか、様子がおかしくないか?
座り込みそうになる俺を、ほとんどかつぐようにして、白井さんは大振りな鍵を取り出した。――どこかでみたような。
「さあ、入って」
「わっ」
引き戸が開かれて、背中をどんと押される。
俺は、よろけるように歩んで、部屋の中に入り込んだ。
そんで、目を見開いた。
「……えっ?」
そこは、予想してた「教室」じゃなかった。
音楽室なのに、ピアノがない。
黒板も机もない。
っていうか、おおよそ、教室っぽいものが、何一つなかった。
そこは、薄暗い、四畳半くらいの部屋だった。ぎゅうぎゅうにベッドと衝立があるほかに、なにも無い。
「……二見?」
おそるおそる呼んでみても、返事はない。――てか、どう見ても、誰もいねえや。
「あの、白井さん? これは、いったい……」
振り返った俺の目の前で、扉が重い音を立てて閉まった。
そんで――本当に、信じらんねえことに。
目の前で、扉が壁に変化した。
「えーっ!?」
俺はぎょっとして、扉(ってより、扉のあった場所)に縋りついた。だん! と拳を叩きつける。
返事はない。
もう一度、強く叩く。ボテ! と鈍い音がして、拳が痛くなった。
「――」
そのとき、白井さんの声が、かすかに聞こえてきた。
「――吉村くん」
「白井さん! 白井さん! 助けてくださいっ、ドアが、無くなって!」
大慌てで助けを求めると、穏やかな声が聞こえてくる。
「君は、素直ないい子だ。信じてついて来てくれて、ありがとう。そこに、真帆はいないよ」
「えっ……あの?」
「助けも来ない。君は、四日間そこで過ごす。そうすれば、全てがうまくいくからな」
どうなってんの?
まるっきり、いつも通りの親切な声で、よくわからないことを言う。
俺は、ポカンと口を開いて「なんで……」と呟いた。
「贖罪のためだよ」
白井さんは、暗い声でそう言って――それっきり静かになった。
「――白井さん!? 白井さんっ! 待ってください! ここを開けてください!」
俺は、必死になって壁を叩いて、白井さんに助けを求めた。
でも、それっきり。
彼が戻ってくることも、扉が現われることも、無かった。
「真帆も、実は転入生なんだ。今年の四月に転入して、それから半月もしないで風紀に入ってきた」
「そうなんすか!?」
知らんかった。
めっちゃ馴染んでるから、てっきりずっと前からいるのかと。
白井さんは、苦笑した。
「ああいう奴だからな。でも、あの向こうっ気と、青臭さを思えば、そう不思議でもないよ」
「なんでっすか?」
「長く風紀をやればやるほど、自分たちの業務の限界ってものが見えてくるんだ。ああ、この件は、これで終わりだな――ってね。経験の浅い真帆は、それがない。自分が気になったら、とことんまで行こうとする」
「へええ」
二見らしいや、と思わずほころんだ。
俺の事件のことも、ずっと力になってくれてるもんな。クールに見えて、熱い奴なんだ。
少し前で上下する、白井さんの背を追って俺はたったか階段を上る。
「それで、他の風紀と揉めることも少なくなかったから――今回の反省室送りは、起こるべくして起こったのかもしれない」
「えっ?」
白井さんは、ふいに横目で俺を見た。
「なあ、吉村くん、真帆は風紀を疑っていただろう?」
確信を持って言われたことに、ギクリと心臓が動いた。
白井さんは、そんな俺の様子をじっと見据えた後、また前を向いた。
「真帆は、黒の生徒が被害を受けた事件について、特に熱心でね。君と水脈の件についても、ずっと調べていた。あれほどの事故があって、どうして風紀が機能しなかったのか――誰かが、警備情報を漏洩したんじゃないか。そして、それを幹部同士で庇っているのではと、疑っていた」
「二見……」
「それで、水脈の幼馴染みの俺を……怪しく思うのは必然だったんだろうな」
「!」
自嘲気味に言われたことに、目を見開いた。
二見が、白井さんを疑っていた?
うそ、マジで?
「それ、二見が言ったんですか!?」
「……真帆は、生徒会と組んで、俺をリコールするつもりだったんだ」
「まさか!」
「本当だよ。健太と話しているのを聞いてしまった」
リコールって辞めさせるってこと、だよな?
――違うアプローチを考えた。
二見は、たしかにそう言ってた。
それって、そういうことだったのか?
いや、でも……。
二見は、なんもなしに人を疑う奴じゃない。――でも、さっき白井さんは知らなかったって……。
中々、情報を飲み込めねえでいると、白井さんが言う。
「だから、その前に氷室さんに報告したんだ。――真帆が生徒会と組んでいるってね」
「へ」
「氷室さんは、カンカンに怒っていたよ。あの人は生徒会嫌いだし、風紀の結束を乱そうとする真帆のことを、煙たく思っていたからね」
「え……え?」
俺はうろたえて、スポーツ刈りの頭を凝視する。――階段を上りきった白井さんが、くるりと振り返った。
「真帆が反省室送りになったのは、そういう経緯だ。悔しかったろうな」
ひとごとみてえに、白井さんは締めくくる。
疑われて怒ってんのかと思ったら、穏やかに笑っていた。その笑顔に気圧されて、俺は歩みが鈍くなる。
ちょっと、情報過多で……何言ってんのかわかんねえ。
「吉村くん、ここだよ」
「あっ」
手を引かれて、息を飲む。
示された教室は、見覚えがあった。
――第二音楽室。
夢の中で見た。そんな、反省室って、この辺にあったのか?
「――うっ!」
視界がぐら、と揺れた。
目の前の白井さんの姿が消えて――俺は一人、真っ赤な廊下に立っている。
その横を、黒い影がバタバタと走り抜けていく。
凄まじい勢いでよぎる影に、思わずたたらを踏む――そのとき。
――無駄だよ! この時間は、風紀は通らないんだ――くんに、そう、聞いたんだから!
あざけるような声が、耳の奥を反響する。
ズキッ!
頭を貫通するような、痛みが走る。
「あ――!」
ぐい、と肩を強く掴まれて、俺の意識は現実に引き返す。
白井さんが、俺をのぞき込んでいた。夕日で逆光になって、どんな顔をしているのか、わからない。
手のひらに、じわりと汗が滲む。
そういえば、なんでこんなに静かなんだろう。――いつから、こんなに人気が無くなっていた?
「説明会があるから、警護人数が少ないんだよ」
俺の心を読んだように、白井さんは言う。
「それでも、ここ最近は増やしていたんだけどね。もう、あんな事故が起こらないように」
「そ、そうですか……」
俺は、頭痛の余韻にぐらぐらしながら、何とも言えない違和感を覚えていた。
なんか、様子がおかしくないか?
座り込みそうになる俺を、ほとんどかつぐようにして、白井さんは大振りな鍵を取り出した。――どこかでみたような。
「さあ、入って」
「わっ」
引き戸が開かれて、背中をどんと押される。
俺は、よろけるように歩んで、部屋の中に入り込んだ。
そんで、目を見開いた。
「……えっ?」
そこは、予想してた「教室」じゃなかった。
音楽室なのに、ピアノがない。
黒板も机もない。
っていうか、おおよそ、教室っぽいものが、何一つなかった。
そこは、薄暗い、四畳半くらいの部屋だった。ぎゅうぎゅうにベッドと衝立があるほかに、なにも無い。
「……二見?」
おそるおそる呼んでみても、返事はない。――てか、どう見ても、誰もいねえや。
「あの、白井さん? これは、いったい……」
振り返った俺の目の前で、扉が重い音を立てて閉まった。
そんで――本当に、信じらんねえことに。
目の前で、扉が壁に変化した。
「えーっ!?」
俺はぎょっとして、扉(ってより、扉のあった場所)に縋りついた。だん! と拳を叩きつける。
返事はない。
もう一度、強く叩く。ボテ! と鈍い音がして、拳が痛くなった。
「――」
そのとき、白井さんの声が、かすかに聞こえてきた。
「――吉村くん」
「白井さん! 白井さん! 助けてくださいっ、ドアが、無くなって!」
大慌てで助けを求めると、穏やかな声が聞こえてくる。
「君は、素直ないい子だ。信じてついて来てくれて、ありがとう。そこに、真帆はいないよ」
「えっ……あの?」
「助けも来ない。君は、四日間そこで過ごす。そうすれば、全てがうまくいくからな」
どうなってんの?
まるっきり、いつも通りの親切な声で、よくわからないことを言う。
俺は、ポカンと口を開いて「なんで……」と呟いた。
「贖罪のためだよ」
白井さんは、暗い声でそう言って――それっきり静かになった。
「――白井さん!? 白井さんっ! 待ってください! ここを開けてください!」
俺は、必死になって壁を叩いて、白井さんに助けを求めた。
でも、それっきり。
彼が戻ってくることも、扉が現われることも、無かった。
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