12 / 28
12
しおりを挟む
ダンスを終えた私とアーロンさんのもとに数人の令息令嬢が集まってきた。
「エリーゼ様とアーロン殿下のダンス、とってもステキでしたわ」
「それにしてもまさか二曲続けて踊られるなんて驚きましたよ」
「お二人がこんなに仲のよい婚約者同士だったなんて思ってもみませんでしたわ。学園ではお話しなさるどころか、目を合わせることすらございませんでしたでしょう?」
この人たち、にこやかに褒めながらもこれは探りを入れてるね。
上手く誤魔化してさっさと退散しなきゃボロが出そう。
「学生は学業が本分ですもの。わたくしとアーロン様は『学園ではお互いを律して勉学に勤しもう』と入学の時に約束していたのですわ」
「そうなのですか?では最近アーロン様がキャメロン嬢と仲良くなさっておられたのは‥‥」
「今日の余興の打ち合わせに決まってますでしょう?ね、アーロン様」
「あ‥ああ」
「あら、てっきりアーロン殿下は優秀なエリーゼ様よりもご自分と感性の近いキャメロンさんの方がお好きなのだと‥‥」
「アーロンさまっ!!」
おっと!キャメロンが突撃してきた!!
勝手に喋って貰っちゃ困る!
私はキャメロンの前に進み出ると、ニッコリ笑ってキュッと抱きついた。
「キャメロンさん、今日はわたくしとアーロン様のためにドッキリ余興に協力してくれてありがとう。貴女の演技、とってもお上手でしたわよ」
そして耳元でこっそり
(2分でいいから黙ってて下さいませ)
と囁いた。
キャメロンが納得いかない顔で私を睨み付けたけど、そんなのは全然恐くない。
エリーゼの睨みはめちゃ恐かったけど!
令嬢の一人が扇子を口許に当ててキャメロンに話しかけた。
「わたくしたち、本気で騙されるところでしたわ。キャメロンさんは本当に阿婆擦れの演技がお上手ですのね」
令息も口の端を歪めて笑いながら相づちを打つ。
「いくら何でも命知らずで驚いたよ」
「‥‥え?」
キャメロンが意味が分からないと言うように首をかしげた。
「だって領地も持たない商売男爵家の庶子である君が、ブレスリン公爵令嬢のエリーゼ嬢に土下座を強要するなんてさ」
「ええ、わたくし驚きすぎて不覚にも足が震えてしまいましたわ」
「あれが演技でなきゃ、バセット男爵家は破滅だろう。お家取り潰しどころか一家処刑もあり得るよ」
いいい一家処刑!?!?
怒られるんじゃないの?とは思ったけど‥‥一家処刑?!
キャメロンが
「い、一家処刑‥‥」
と小さく呟いた。
キャメロンも知らなかったんかい!
「今日のその派手なピンクのお衣装も余興の為にお誂えになったのでしょう?でなければ、そんな趣味の悪いドレスなんて恥ずかしくてとても袖を通す事などできませんもの」
「そんなことはないよ。元平民のキャメロン嬢によく似合っているじゃないか」
「平民と言うよりも娼婦のほうがお似合いではなくて?おほほほ」
「確かに!ははははは」
周りの令嬢令息たちもクスクスと嘲笑する。
うわぁ、貴族の嫌味、マジで感じ悪い。
キャメロンのこと完全に見下して馬鹿にしてる。
ついでのようにアーロンさんのことも馬鹿にした!!
キャバ嬢同士の嫌味よか数段酷い。
そもそもキャメロンはなにも知らなかったんだよ?
流石に可哀想過ぎるでしょ!
「そのドレスは今日の為にアーロン様とわたくしで用意した物ですわ。キャメロンさん、せっかくの卒業パーティーにこんなドレスを着させてしまってごめんなさい。お詫びに可愛らしい貴女に似合うステキなドレスを送らせて欲しいのだけど、よろしいかしら?」
「は、はい‥‥」
もう、今度からは気を付けなね?
キャメロンはすっかり大人しくなって下を向いて涙目になってるのに、それでもまだニヤニヤ笑って見てる令嬢令息たち、最悪だね。きっしょ!!!
「アーロン様、わたくしダンスを張り切りすぎて少し疲れてしまいましたわ」
「そ、そうだな。休憩しよう」
「わたくしたちは少々席を外しますわ。皆さまはどうぞパーティーをお楽しみになって下さいませね」
周りのみんなにニッコリ微笑んで、アーロンさんと腕を組んでホールを後にした。
「エリーゼ様とアーロン殿下のダンス、とってもステキでしたわ」
「それにしてもまさか二曲続けて踊られるなんて驚きましたよ」
「お二人がこんなに仲のよい婚約者同士だったなんて思ってもみませんでしたわ。学園ではお話しなさるどころか、目を合わせることすらございませんでしたでしょう?」
この人たち、にこやかに褒めながらもこれは探りを入れてるね。
上手く誤魔化してさっさと退散しなきゃボロが出そう。
「学生は学業が本分ですもの。わたくしとアーロン様は『学園ではお互いを律して勉学に勤しもう』と入学の時に約束していたのですわ」
「そうなのですか?では最近アーロン様がキャメロン嬢と仲良くなさっておられたのは‥‥」
「今日の余興の打ち合わせに決まってますでしょう?ね、アーロン様」
「あ‥ああ」
「あら、てっきりアーロン殿下は優秀なエリーゼ様よりもご自分と感性の近いキャメロンさんの方がお好きなのだと‥‥」
「アーロンさまっ!!」
おっと!キャメロンが突撃してきた!!
勝手に喋って貰っちゃ困る!
私はキャメロンの前に進み出ると、ニッコリ笑ってキュッと抱きついた。
「キャメロンさん、今日はわたくしとアーロン様のためにドッキリ余興に協力してくれてありがとう。貴女の演技、とってもお上手でしたわよ」
そして耳元でこっそり
(2分でいいから黙ってて下さいませ)
と囁いた。
キャメロンが納得いかない顔で私を睨み付けたけど、そんなのは全然恐くない。
エリーゼの睨みはめちゃ恐かったけど!
令嬢の一人が扇子を口許に当ててキャメロンに話しかけた。
「わたくしたち、本気で騙されるところでしたわ。キャメロンさんは本当に阿婆擦れの演技がお上手ですのね」
令息も口の端を歪めて笑いながら相づちを打つ。
「いくら何でも命知らずで驚いたよ」
「‥‥え?」
キャメロンが意味が分からないと言うように首をかしげた。
「だって領地も持たない商売男爵家の庶子である君が、ブレスリン公爵令嬢のエリーゼ嬢に土下座を強要するなんてさ」
「ええ、わたくし驚きすぎて不覚にも足が震えてしまいましたわ」
「あれが演技でなきゃ、バセット男爵家は破滅だろう。お家取り潰しどころか一家処刑もあり得るよ」
いいい一家処刑!?!?
怒られるんじゃないの?とは思ったけど‥‥一家処刑?!
キャメロンが
「い、一家処刑‥‥」
と小さく呟いた。
キャメロンも知らなかったんかい!
「今日のその派手なピンクのお衣装も余興の為にお誂えになったのでしょう?でなければ、そんな趣味の悪いドレスなんて恥ずかしくてとても袖を通す事などできませんもの」
「そんなことはないよ。元平民のキャメロン嬢によく似合っているじゃないか」
「平民と言うよりも娼婦のほうがお似合いではなくて?おほほほ」
「確かに!ははははは」
周りの令嬢令息たちもクスクスと嘲笑する。
うわぁ、貴族の嫌味、マジで感じ悪い。
キャメロンのこと完全に見下して馬鹿にしてる。
ついでのようにアーロンさんのことも馬鹿にした!!
キャバ嬢同士の嫌味よか数段酷い。
そもそもキャメロンはなにも知らなかったんだよ?
流石に可哀想過ぎるでしょ!
「そのドレスは今日の為にアーロン様とわたくしで用意した物ですわ。キャメロンさん、せっかくの卒業パーティーにこんなドレスを着させてしまってごめんなさい。お詫びに可愛らしい貴女に似合うステキなドレスを送らせて欲しいのだけど、よろしいかしら?」
「は、はい‥‥」
もう、今度からは気を付けなね?
キャメロンはすっかり大人しくなって下を向いて涙目になってるのに、それでもまだニヤニヤ笑って見てる令嬢令息たち、最悪だね。きっしょ!!!
「アーロン様、わたくしダンスを張り切りすぎて少し疲れてしまいましたわ」
「そ、そうだな。休憩しよう」
「わたくしたちは少々席を外しますわ。皆さまはどうぞパーティーをお楽しみになって下さいませね」
周りのみんなにニッコリ微笑んで、アーロンさんと腕を組んでホールを後にした。
40
あなたにおすすめの小説
私を婚約破棄した国王が処刑されたら、新しい国王の妃になれですって? 喜んで…と言うとでも?
あんど もあ
ファンタジー
幼い頃から王子の婚約者だったアイリスは、他の女性を好きになった王子によって冤罪をかけられて、田舎で平民として生きる事に。
面倒な貴族社会から解放されて、田舎暮らしを満喫しているアイリス。
一方、貴族たちの信頼を失った王子は、国王に即位すると隣国に戦争を仕掛けて敗北。処刑される。
隣国は、アイリスを新しい国王の妃にと言い出すが、それには思惑があって…。
婚約破棄で異世界転生を100倍楽しむ方法 ‐漫画喫茶は教育機関ではありません‐
ふわふわ
恋愛
王太子エランから、
「君は優秀すぎて可愛げがない」
――そう告げられ、あっさり婚約破棄された公爵令嬢アルフェッタ。
だが彼女は動揺しなかった。
なぜなら、その瞬間に前世の記憶を取り戻したからだ。
(これが噂の異世界転生・婚約破棄イベント……!)
(体験できる人は少ないんだし、全力で楽しんだほうが得ですわよね?)
復讐? ざまぁ?
そんなテンプレは後回し。
自由になったアルフェッタが始めたのは、
公爵邸ライフを百倍楽しむこと――
そして、なぜか異世界マンガ喫茶。
文字が読めなくても楽しめる本。
売らない、複製しない、教えない。
料金は「気兼ねなく使ってもらうため」だけ。
それは教育でも改革でもなく、
ただの趣味の延長だったはずなのに――
気づけば、世界の空気が少しずつ変わっていく。
ざまぁを忘れた公爵令嬢が、
幸運も不幸もひっくるめて味わい尽くす、
“楽しむこと”がすべての異世界転生スローライフ譚。
※漫画喫茶は教育機関ではありません。
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
異世界から帰ってきたら、大好きだった幼馴染みのことがそんなに好きではなくなっていた
リコピン
恋愛
高校三年生の夏休み直前、勇者として異世界に召喚された明莉(あかり)。無事に魔王討伐を終えて戻ってきたのは良いけれど、召喚される前とは色んなことが違っていて。
ずっと大好きだったイケメン幼馴染みへの恋心(片想い)も、気づけばすっかり消えていた。
思い描いていた未来とは違うけれど、こちらの世界へついてきてくれた―異世界で苦楽を共にした―友達(女)もいる。残りわずかの高校生活を、思いきり楽しもう!
そう決めた矢先の新たな出会いが、知らなかった世界を連れてきた。
―あれ?私の勇者の力は、異世界限定だったはずなのに??
王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした
由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。
無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。
再び招かれたのは、かつて母を追放した国。
礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。
これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる