11 / 28
11
しおりを挟む
オーケストラの音楽に合わせてみんながそれぞれのパートナーとダンスを始めた。
「わたくしたちも踊りましょう?」
アーロンさんの耳元に顔を近付けて小さな声で囁いた。
「わたくしたちが踊らなければさっきの婚約破棄宣言は本当だったのだと皆さんに疑われてしまいますわよ?」
アーロンさんはエリーゼと婚約破棄をしたいんだろうけどさ。
あんなやり方は駄目だよ?
もっと穏便な、アーロンさんが怒られなくても済む方法を考えようよ。
キョロキョロ周りを見渡して、みんなが自分たちに注目していると気付いたアーロンさん。
慌てて跪いて右手を差し出した。
おお!
さすが王子様だね!!
結構気品があるよ!
私はニッコリ微笑んでアーロンさんの手に自分の手を重ねた。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳
ダンスって楽しいーー!!
軽快な音楽に合わせてエリーゼの体も軽やかに動く。
エリーゼの体には、しっかりとダンステクが染みついているらしい。
これならカーテシーやテーブルマナーもきっと大丈夫!
お嬢様言葉もスラスラ出て来るし!
何とかこの世界でエリーゼとして生きていけるんじゃない?
「エリーゼ‥‥」
「なんでしょう?」
「お前は‥‥誰だ?」
ありゃ、バレてるか。
まぁ、普通にバレるよね。
一応幼少期からの婚約者なんだし、これまでのエリーゼの態度とは正反対だもん。
「後できちんとと説明いたします。今はダンスを楽しみましょう」
「‥‥‥‥」
私は繋がれたアーロンさんの手をギュッと握ってクルっと回った。
アーロンさんは太ってるけど身長も高い。
そのどっしりした体でしっかり私を支えて踊るから、安心感が半端ない。
音楽がゆっくりと途切れてフィニッシュを決める。
あー、楽しかった!
ダンスってマジで楽しい!
もっと踊りたい!
アーロンさんの耳元に顔を寄せて、小声でお願いしてみる。
「もう一曲、踊りませんこと?」
「‥‥‥‥‥‥」
すぐに新しい曲が流れ始めた。
さっきのアップテンポと違って静かな曲調。
これは、チークってヤツだね。
アーロンさんの肩に手を添えて胸元に頬を寄せると、アーロンさんの体が一瞬ピクリと固まった。
エリーゼの記憶ではアーロンさんとチークって踊ったことない。
密着するのが嫌だったんだろうな。
でもステップは完璧に憶えてる辺り、さすが努力家のエリーゼだね。
「この曲が終わったら二人きりでお話し致しましょう」
「あ、ああ」
音楽が止んで、今度こそ楽しいダンスの時間は終わり。
さて、アーロンさんは私の説明に納得してくれるかな?
そして、穏便な婚約破棄計画、二人でしっかり練らなきゃね。
「わたくしたちも踊りましょう?」
アーロンさんの耳元に顔を近付けて小さな声で囁いた。
「わたくしたちが踊らなければさっきの婚約破棄宣言は本当だったのだと皆さんに疑われてしまいますわよ?」
アーロンさんはエリーゼと婚約破棄をしたいんだろうけどさ。
あんなやり方は駄目だよ?
もっと穏便な、アーロンさんが怒られなくても済む方法を考えようよ。
キョロキョロ周りを見渡して、みんなが自分たちに注目していると気付いたアーロンさん。
慌てて跪いて右手を差し出した。
おお!
さすが王子様だね!!
結構気品があるよ!
私はニッコリ微笑んでアーロンさんの手に自分の手を重ねた。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳
ダンスって楽しいーー!!
軽快な音楽に合わせてエリーゼの体も軽やかに動く。
エリーゼの体には、しっかりとダンステクが染みついているらしい。
これならカーテシーやテーブルマナーもきっと大丈夫!
お嬢様言葉もスラスラ出て来るし!
何とかこの世界でエリーゼとして生きていけるんじゃない?
「エリーゼ‥‥」
「なんでしょう?」
「お前は‥‥誰だ?」
ありゃ、バレてるか。
まぁ、普通にバレるよね。
一応幼少期からの婚約者なんだし、これまでのエリーゼの態度とは正反対だもん。
「後できちんとと説明いたします。今はダンスを楽しみましょう」
「‥‥‥‥」
私は繋がれたアーロンさんの手をギュッと握ってクルっと回った。
アーロンさんは太ってるけど身長も高い。
そのどっしりした体でしっかり私を支えて踊るから、安心感が半端ない。
音楽がゆっくりと途切れてフィニッシュを決める。
あー、楽しかった!
ダンスってマジで楽しい!
もっと踊りたい!
アーロンさんの耳元に顔を寄せて、小声でお願いしてみる。
「もう一曲、踊りませんこと?」
「‥‥‥‥‥‥」
すぐに新しい曲が流れ始めた。
さっきのアップテンポと違って静かな曲調。
これは、チークってヤツだね。
アーロンさんの肩に手を添えて胸元に頬を寄せると、アーロンさんの体が一瞬ピクリと固まった。
エリーゼの記憶ではアーロンさんとチークって踊ったことない。
密着するのが嫌だったんだろうな。
でもステップは完璧に憶えてる辺り、さすが努力家のエリーゼだね。
「この曲が終わったら二人きりでお話し致しましょう」
「あ、ああ」
音楽が止んで、今度こそ楽しいダンスの時間は終わり。
さて、アーロンさんは私の説明に納得してくれるかな?
そして、穏便な婚約破棄計画、二人でしっかり練らなきゃね。
40
あなたにおすすめの小説
追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を
タマ マコト
ファンタジー
名門薬師一族に生まれたエリシアは、才能なしと蔑まれ、家名を守るために追放される。
だがそれは建前で、彼女の異質な才能を恐れた家族による処刑だった。
雨の夜、毒を盛られ十七歳で命を落とした彼女は、同じ世界の片隅で赤子として転生する。
血の繋がらない治療師たちに拾われ、前世の記憶と復讐心を胸に抱いたまま、
“最強薬師”としての二度目の人生が静かに始まる。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
それは素晴らしきメイド達の世界
夏ノ木の実
ファンタジー
世界一のメイド愛を持っていた葉風は死後、メイドが街中に溢れている世界に転生した。
しかし、そこはメイドが執事の下位互換として虐げられている世界だった。
貴族でも富豪でもなく、”ご主人様”を職業として選んだ葉風は、メイド達の忠誠心で戦うことに……。
※メイド愛に溢れた主人公が、メイドさんとほのぼの過ごしたり、頭脳戦を繰り広げたりする話です。
少年漫画のような王道を目指しています。よろしければどうぞ!
編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?
灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。
しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!
秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。
民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。
「おまえたちは許さない」
二度目の人生。
エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。
彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。
1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。
「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」
憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。
二人の偽りの婚約の行く末は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる