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第7話:貴族学院に行きたいです
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カリアン王国に来て、2週間が過ぎた。お姉様家族のお陰で、毎日楽しい日々を送っている。女性だけで街に買い物にも行った。こんな風に街に出てゆっくり買い物をしたのは、初めてかもしれない。
さらに元公爵夫妻が領地に戻るタイミングで、5日間ではあったが、クレスティル公爵領にも滞在させてもらった。クレスティル公爵領は王都に負けないくらいの大都会、建物の造りがとても可愛くて、まるでおとぎ話の世界に入り込んだような美しい街だった。
自分の家の領地にすら行ったことがなかったのに、まさかお姉様の嫁ぎ先の領地にお邪魔させてもらうだなんて。
この国に来て、今まで出来なかった事を色々と経験させてもらっている。
今も可愛い甥のグランと一緒に遊んでいるところだ。すっかり私に懐いてくれたグラン。可愛くてたまらないのだ。なんだか夢の国にいる様な、不思議な気持ちの中、毎日を過ごしている。
でも…
このまま何もしないで、ずっとお姉様夫婦のお世話になる訳にはいかない。ただ、自分が何をすればいいのか分からないのだ。
遊び疲れてしまったグランをベッドに寝かせ、私も横になった。可愛い寝顔ね。見ているだけで、頬が緩む。なんだか私まで眠くなってしまったわ…
「キャリーヌ、起きなさい。キャリーヌ」
う~ん、この声は…
ゆっくり目を開けると、お姉様の顔が飛び込んできた。
「グランと一緒に眠ってしまうだなんて…本当にあなたは…さあ、夕食にしましょう」
「あら、もうそんな時間なのですね。ごめんなさい、私、寝ちゃったみたいで」
どうやらグランと一緒に寝てしまった様だ。ダメね、お姉様の家に来てから、すっかりだらけてしまったわ。
気を取り直してお姉様とグランと一緒に食堂へと向かうと、既にお義兄様が待っていてくれていた。
「お義兄様、お待たせして申し訳ございません」
この家の主でもあるお義兄様を待たせるだなんて、本当に私は何をしているのだろう。急いで席に着き、夕食を頂く。我が家のお料理も美味しかったが、クレスティル公爵家のお料理もとても美味しいのだ。
最近少し太ってしまったから、運動もしないといけない。そんな事を考えていると
「キャリーヌ、君は貴族学院に興味があるかい?」
ふいにお義兄様に、そんな事を聞かれたのだ。
「あなた、アラステ王国には貴族学院というものがないのですよ。キャリーヌに急に貴族学院の話をしても、混乱するだけですわ。それに陛下からも、無理して通わなくてもいいと、言われているではありませんか。キャリーヌ、今の話は忘れてもらって構わないわ。あなたはこの屋敷で、ゆっくり過ごしていればいいのだから」
お姉様がすかさず話に入って来た。
貴族学院か…
「お義兄様、お姉様、私、この国の貴族学院というものに、興味があります。私は8歳でジェイデン殿下の婚約者になってから多忙で、同じ歳くらいの貴族たちともほとんど交流を持つことが出来ませんでした。ずっと憧れていたのです、同じ歳くらいの令嬢や令息たちと一緒にお茶をしたり、話しをしたり、お勉強をする事を。でも、私は他国の人間です。ですから、さすがにこの国の貴族学院に通いたいだなんて、図々しい事は言えません」
もし私の様なよそ者でも、この国の貴族学院に通えるのなら、通ってみたい、そう思っていたのは確かだ。
「何も図々しい事なんてないのだよ、キャリーヌ。実は我が国では、14~16歳の貴族で、この国に3ヶ月以上滞在予定のある人間は、国籍関係なしに貴族学院に通う事が義務付けられているのだよ。ただ、キャリーヌは事情が事情なだけに、母上が陛下に話しをしてくれて、通わなくてもよいという話になっていたのだが。キャリーヌが通いたいというのなら、すぐにでも手続きを行おう」
「それは本当ですか?私も貴族学院というところに、通ってもいいのですか?」
「ああ、もちろんだよ」
まさかこの国の貴族学院というところに通えるだなんて。せっかく貴族学院に通わせてもらえるのだから、沢山友達を作りたいわ。それに友達とお茶をしたり、街に出てショッピングを楽しいんだり。想像しただけで、ワクワクする。
「キャリーヌ、本当に大丈夫なの?ほら、あなたは…その…色々と話題の的と言うか、何というか…好奇な目で見てくる人間もいるかもしれないわ。万が一キャリーヌが、心無い人間たちに傷つけられたら、私…」
「お姉様、私の事を心配してくださり、ありがとうございます。でも私は、そこまで軟ではありません。それに多少好奇な目で見られることは、覚悟の上です。ですからどうか私を、貴族学院に通わせてください」
お姉様とお義兄様に向かって頭を下げた。
「キャリーヌがそこまで言うのなら、わかったわ。ただし、辛い事や嫌な事があったら、すぐに相談して。あなたは1人で抱え込む癖があるでしょう」
「分かりました、必ず相談しますわ」
「それじゃあ、早速入学の手続きを行おう」
「ありがとうございます、お義兄様」
まさか本当に貴族学院に通えるだなんて。よし、沢山友達を作るぞ!
さらに元公爵夫妻が領地に戻るタイミングで、5日間ではあったが、クレスティル公爵領にも滞在させてもらった。クレスティル公爵領は王都に負けないくらいの大都会、建物の造りがとても可愛くて、まるでおとぎ話の世界に入り込んだような美しい街だった。
自分の家の領地にすら行ったことがなかったのに、まさかお姉様の嫁ぎ先の領地にお邪魔させてもらうだなんて。
この国に来て、今まで出来なかった事を色々と経験させてもらっている。
今も可愛い甥のグランと一緒に遊んでいるところだ。すっかり私に懐いてくれたグラン。可愛くてたまらないのだ。なんだか夢の国にいる様な、不思議な気持ちの中、毎日を過ごしている。
でも…
このまま何もしないで、ずっとお姉様夫婦のお世話になる訳にはいかない。ただ、自分が何をすればいいのか分からないのだ。
遊び疲れてしまったグランをベッドに寝かせ、私も横になった。可愛い寝顔ね。見ているだけで、頬が緩む。なんだか私まで眠くなってしまったわ…
「キャリーヌ、起きなさい。キャリーヌ」
う~ん、この声は…
ゆっくり目を開けると、お姉様の顔が飛び込んできた。
「グランと一緒に眠ってしまうだなんて…本当にあなたは…さあ、夕食にしましょう」
「あら、もうそんな時間なのですね。ごめんなさい、私、寝ちゃったみたいで」
どうやらグランと一緒に寝てしまった様だ。ダメね、お姉様の家に来てから、すっかりだらけてしまったわ。
気を取り直してお姉様とグランと一緒に食堂へと向かうと、既にお義兄様が待っていてくれていた。
「お義兄様、お待たせして申し訳ございません」
この家の主でもあるお義兄様を待たせるだなんて、本当に私は何をしているのだろう。急いで席に着き、夕食を頂く。我が家のお料理も美味しかったが、クレスティル公爵家のお料理もとても美味しいのだ。
最近少し太ってしまったから、運動もしないといけない。そんな事を考えていると
「キャリーヌ、君は貴族学院に興味があるかい?」
ふいにお義兄様に、そんな事を聞かれたのだ。
「あなた、アラステ王国には貴族学院というものがないのですよ。キャリーヌに急に貴族学院の話をしても、混乱するだけですわ。それに陛下からも、無理して通わなくてもいいと、言われているではありませんか。キャリーヌ、今の話は忘れてもらって構わないわ。あなたはこの屋敷で、ゆっくり過ごしていればいいのだから」
お姉様がすかさず話に入って来た。
貴族学院か…
「お義兄様、お姉様、私、この国の貴族学院というものに、興味があります。私は8歳でジェイデン殿下の婚約者になってから多忙で、同じ歳くらいの貴族たちともほとんど交流を持つことが出来ませんでした。ずっと憧れていたのです、同じ歳くらいの令嬢や令息たちと一緒にお茶をしたり、話しをしたり、お勉強をする事を。でも、私は他国の人間です。ですから、さすがにこの国の貴族学院に通いたいだなんて、図々しい事は言えません」
もし私の様なよそ者でも、この国の貴族学院に通えるのなら、通ってみたい、そう思っていたのは確かだ。
「何も図々しい事なんてないのだよ、キャリーヌ。実は我が国では、14~16歳の貴族で、この国に3ヶ月以上滞在予定のある人間は、国籍関係なしに貴族学院に通う事が義務付けられているのだよ。ただ、キャリーヌは事情が事情なだけに、母上が陛下に話しをしてくれて、通わなくてもよいという話になっていたのだが。キャリーヌが通いたいというのなら、すぐにでも手続きを行おう」
「それは本当ですか?私も貴族学院というところに、通ってもいいのですか?」
「ああ、もちろんだよ」
まさかこの国の貴族学院というところに通えるだなんて。せっかく貴族学院に通わせてもらえるのだから、沢山友達を作りたいわ。それに友達とお茶をしたり、街に出てショッピングを楽しいんだり。想像しただけで、ワクワクする。
「キャリーヌ、本当に大丈夫なの?ほら、あなたは…その…色々と話題の的と言うか、何というか…好奇な目で見てくる人間もいるかもしれないわ。万が一キャリーヌが、心無い人間たちに傷つけられたら、私…」
「お姉様、私の事を心配してくださり、ありがとうございます。でも私は、そこまで軟ではありません。それに多少好奇な目で見られることは、覚悟の上です。ですからどうか私を、貴族学院に通わせてください」
お姉様とお義兄様に向かって頭を下げた。
「キャリーヌがそこまで言うのなら、わかったわ。ただし、辛い事や嫌な事があったら、すぐに相談して。あなたは1人で抱え込む癖があるでしょう」
「分かりました、必ず相談しますわ」
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