8 / 73
第8話:貴族学院1日目です
しおりを挟む
「お嬢様、その衣装、とてもよく似合っておられますよ。それにしても、貴族学院とはその様な衣装をお召しになるのですね。少しスカートの丈が短い気がいたしますが…」
「あら、素敵な衣装じゃない。それにこのブレザーと呼ばれる服も、とても素敵だわ。特にこのチェックのリボンとスカートがとても可愛いし。貴族学院には、こんな素敵な衣装があるのね」
あの後すぐに、お義兄様が貴族学院に通えるよう手続きをしてくれたのだ。そして今日、初めて貴族学院というところに通う。どうやら私は、貴族学院1年生として、学院に通うらしい。
貴族学院には制服と呼ばれるものが存在しており、早速今朝、クラミーに着せてもらったのだ。ドレスに比べるととても動きやすく、とても着やすい。貴族がこのような衣装を着てもいいのかと最初は考えたが、学院に通っている人は皆、この制服というものを着ているとの事。
皆が着ているのなら、問題ないだろう。
なんだか町娘になった気分ね。
「お嬢様、そろそろお時間ですわ。さあ、参りましょう」
「ええ、そうね」
部屋から出ると、馬車へと向かった。するとお姉様とグランが待っていてくれたのだ。
「キャリーヌ、その制服、よく似合っているわ。まさかあなたが、貴族学院に通う日が来るだなんて。キャリーヌは今までずっとやりたい事も出来ずに頑張って来たのだから、貴族学院では目いっぱい楽しみなさい」
「ええ、もちろんですわ。沢山お友達を作って、今まで出来なかった友人との時間を目いっぱい楽しもうと思っております。お姉様、私にその機会を与えて下さり、ありがとうございます。お義兄様にもお礼を言わないと」
「お礼なんて必要ないのよ。さあ、初日から遅刻しては大変よ」
「そうですわね。それでは、行って参ります」
お姉様とグランに手を振り、馬車へと乗り込んだ。いよいよ今から貴族学院に向かうのね。初めてこの国に来た時見た、あの立派な学院に通うのか。考えただけで、ワクワクしてきた。
一体どんな人たちがいるのかしら?私と仲良くしてくださるといいな。
そんな事を考えているうちに、学院が見えて来た。相変わらず大きな建物だ。
そして門の前で馬車が停まった。ゆっくり馬車から降りる。周りを見渡すと、私と同じ制服を着た生徒たちが沢山いる。本当に皆、私と同じ歳くらいの子ばかりなのね。なんだかそれが嬉しくて、つい笑みがこぼれる。
「お嬢様、そんなところに突っ立っていないで、早く参りましょう」
「ええ、そうね」
クラミーに案内され、先生方がいる職員室というところに向かった。
「君がクレスティル公爵夫人の妹君の、キャリーヌ殿だね。私は君の担任の、ドリフ・スタンデンだ。スタンデン先生と呼んでくれ」
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。スタンデン先生、どうかよろしくお願いします」
先生に向かって笑顔で挨拶をした。するとなぜか目をそらされたのだ。どうしたのかしら?訳が分からず、首をかしげる。
「いや…その…何でもない。それじゃあ、クラスに向かおうか。君が入るクラスは、侯爵以上が集まっているAクラスだ。身分も同じくらいだし、仲良くできるだろう」
どうやら貴族学院は、身分に合わせてクラス分けがされている様だ。同じくらいの身分の人たちとなら、気兼ねなく仲良く出来そうだ。
「それじゃあ、私が合図をしたら入ってきてくれるかい?」
「はい、分かりましたわ」
先生が1人で教室の中に入って行った。これが教室なのね。貴族学院とは、不思議な造りをしているのね。つい周りをキョロキョロとしてしまう。
すると、先生が合図を送ってくれたので、急いで教室に入った。教室に入ると、沢山の机が並んでいて、皆がイスに座っていた。こんなにたくさんの貴族たちが、同じ服を着て集まっているだなんて。
なんだか不思議だわ。でも、こうやって皆でお勉強が出来るだなんて、楽しそうね。
「それじゃあ、キャリーヌ嬢。挨拶をしてもらっていいかな?」
おっといけない、つい違う事を考えていたわ。とりあえず挨拶をすればいいのよね。
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。カリアン王国に来てまだ3週間程度で、学院の事はもちろん、カリアン王国の事も教えていただけると嬉しいです。どうか仲良くしてくださいね」
笑顔で挨拶をする。こんな感じでよかったのかしら?お姉様は、あまり堅苦しい挨拶は必要ないと言っていたから、軽く挨拶をしたのだけれど…
「それじゃあ、キャリーヌ嬢は、一番後ろのあの席に座ってくれ」
先生に言われた席に座った。そして、授業というものが始まった。なるほど、学院とはこうやって授業を受けるのね。全てが目新しく、全てが新鮮な貴族学院。
なんだか増々ワクワクしてきた。
「あら、素敵な衣装じゃない。それにこのブレザーと呼ばれる服も、とても素敵だわ。特にこのチェックのリボンとスカートがとても可愛いし。貴族学院には、こんな素敵な衣装があるのね」
あの後すぐに、お義兄様が貴族学院に通えるよう手続きをしてくれたのだ。そして今日、初めて貴族学院というところに通う。どうやら私は、貴族学院1年生として、学院に通うらしい。
貴族学院には制服と呼ばれるものが存在しており、早速今朝、クラミーに着せてもらったのだ。ドレスに比べるととても動きやすく、とても着やすい。貴族がこのような衣装を着てもいいのかと最初は考えたが、学院に通っている人は皆、この制服というものを着ているとの事。
皆が着ているのなら、問題ないだろう。
なんだか町娘になった気分ね。
「お嬢様、そろそろお時間ですわ。さあ、参りましょう」
「ええ、そうね」
部屋から出ると、馬車へと向かった。するとお姉様とグランが待っていてくれたのだ。
「キャリーヌ、その制服、よく似合っているわ。まさかあなたが、貴族学院に通う日が来るだなんて。キャリーヌは今までずっとやりたい事も出来ずに頑張って来たのだから、貴族学院では目いっぱい楽しみなさい」
「ええ、もちろんですわ。沢山お友達を作って、今まで出来なかった友人との時間を目いっぱい楽しもうと思っております。お姉様、私にその機会を与えて下さり、ありがとうございます。お義兄様にもお礼を言わないと」
「お礼なんて必要ないのよ。さあ、初日から遅刻しては大変よ」
「そうですわね。それでは、行って参ります」
お姉様とグランに手を振り、馬車へと乗り込んだ。いよいよ今から貴族学院に向かうのね。初めてこの国に来た時見た、あの立派な学院に通うのか。考えただけで、ワクワクしてきた。
一体どんな人たちがいるのかしら?私と仲良くしてくださるといいな。
そんな事を考えているうちに、学院が見えて来た。相変わらず大きな建物だ。
そして門の前で馬車が停まった。ゆっくり馬車から降りる。周りを見渡すと、私と同じ制服を着た生徒たちが沢山いる。本当に皆、私と同じ歳くらいの子ばかりなのね。なんだかそれが嬉しくて、つい笑みがこぼれる。
「お嬢様、そんなところに突っ立っていないで、早く参りましょう」
「ええ、そうね」
クラミーに案内され、先生方がいる職員室というところに向かった。
「君がクレスティル公爵夫人の妹君の、キャリーヌ殿だね。私は君の担任の、ドリフ・スタンデンだ。スタンデン先生と呼んでくれ」
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。スタンデン先生、どうかよろしくお願いします」
先生に向かって笑顔で挨拶をした。するとなぜか目をそらされたのだ。どうしたのかしら?訳が分からず、首をかしげる。
「いや…その…何でもない。それじゃあ、クラスに向かおうか。君が入るクラスは、侯爵以上が集まっているAクラスだ。身分も同じくらいだし、仲良くできるだろう」
どうやら貴族学院は、身分に合わせてクラス分けがされている様だ。同じくらいの身分の人たちとなら、気兼ねなく仲良く出来そうだ。
「それじゃあ、私が合図をしたら入ってきてくれるかい?」
「はい、分かりましたわ」
先生が1人で教室の中に入って行った。これが教室なのね。貴族学院とは、不思議な造りをしているのね。つい周りをキョロキョロとしてしまう。
すると、先生が合図を送ってくれたので、急いで教室に入った。教室に入ると、沢山の机が並んでいて、皆がイスに座っていた。こんなにたくさんの貴族たちが、同じ服を着て集まっているだなんて。
なんだか不思議だわ。でも、こうやって皆でお勉強が出来るだなんて、楽しそうね。
「それじゃあ、キャリーヌ嬢。挨拶をしてもらっていいかな?」
おっといけない、つい違う事を考えていたわ。とりあえず挨拶をすればいいのよね。
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。カリアン王国に来てまだ3週間程度で、学院の事はもちろん、カリアン王国の事も教えていただけると嬉しいです。どうか仲良くしてくださいね」
笑顔で挨拶をする。こんな感じでよかったのかしら?お姉様は、あまり堅苦しい挨拶は必要ないと言っていたから、軽く挨拶をしたのだけれど…
「それじゃあ、キャリーヌ嬢は、一番後ろのあの席に座ってくれ」
先生に言われた席に座った。そして、授業というものが始まった。なるほど、学院とはこうやって授業を受けるのね。全てが目新しく、全てが新鮮な貴族学院。
なんだか増々ワクワクしてきた。
2,261
お気に入りに追加
4,142
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!

俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております

愛を求めることはやめましたので、ご安心いただけますと幸いです!
風見ゆうみ
恋愛
わたしの婚約者はレンジロード・ブロフコス侯爵令息。彼に愛されたくて、自分なりに努力してきたつもりだった。でも、彼には昔から好きな人がいた。
結婚式当日、レンジロード様から「君も知っていると思うが、私には愛する女性がいる。君と結婚しても、彼女のことを忘れたくないから忘れない。そして、私と君の結婚式を彼女に見られたくない」と言われ、結婚式を中止にするためにと階段から突き落とされてしまう。
レンジロード様に突き落とされたと訴えても、信じてくれる人は少数だけ。レンジロード様はわたしが階段を踏み外したと言う上に、わたしには話を合わせろと言う。
こんな人のどこが良かったのかしら???
家族に相談し、離婚に向けて動き出すわたしだったが、わたしの変化に気がついたレンジロード様が、なぜかわたしにかまうようになり――
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

愛してくれない婚約者なら要りません
ネコ
恋愛
伯爵令嬢リリアナは、幼い頃から周囲の期待に応える「完璧なお嬢様」を演じていた。ところが名目上の婚約者である王太子は、聖女と呼ばれる平民の少女に夢中でリリアナを顧みない。そんな彼に尽くす日々に限界を感じたリリアナは、ある日突然「婚約を破棄しましょう」と言い放つ。甘く見ていた王太子と聖女は彼女の本当の力に気づくのが遅すぎた。

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる