私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi

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第3話:助かった様です

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 どれくらいこの暗い地下牢にいただろう。でも、まだきっと1日はたっていないわよね。

 今は夜くらいかしら?

 お父様たち、大丈夫かしら?

 なんだか今度は眠くなってきたわ。こんな時でも、眠くなるのね…

 ゆっくり目を閉じようとした時だった。

「キャリーヌ様、すぐに出て下さい」

 騎士たちがやって来たかと思うと、なぜか地下牢から出されたのだ。

 あら?一体どうしたのかしら?もしかして助かった?でも、こんなに早く助かるものなのかしら?もしかしたらお父様が折れて、私を殿下の側妃にする事を決めたのかしら?

 それだったら全力で拒否して、再び地下牢に戻るまでよ!

 そう思っていたのだが、なぜか王宮の裏口へとやって来た。既に夜になっている様で、辺りは真っ暗だ。

「少し歩きますが、どうかお許しください」

 どうやら歩いてどこかに行く様だ。一体どこに行くのだろう。確かこの先には、丘があったと思うのだけれど…

 やはり向かった先は、丘の様だ。そして丘には、公爵家の馬車も停まっている。

 さらに…

「「「「キャリーヌ(ちゃん)!」」」」

「お父様、お母様、お兄様、お義姉様も。どうして?」

 一斉に4人に抱きしめられた。後ろには私の専属メイド、クラミーの姿も。一体何があったのかしら?

「私の可愛いキャリーヌ。本当にすまない。とにかく、長話をしている暇はない。すぐにこの馬車に乗り込むんだ」

「キャリーヌ、元気で暮らすのよ。愛しているわ」

「気を付けて行けよ。必ず迎えに行くから」

「可哀そうに。顔に煤が付いているわ。キャリーヌちゃん、どうか元気で…」

 なぜか両親と兄夫婦が、私を馬車に乗せたのだ。私が乗ると、専属メイドのクラミーも乗り込んできた。一体どこに行こうというの?何が起こっているの?

 訳が分からず、窓にへばりついた。

 すると皆が、私に向かって手を振っている。

「ねえ、クラミー。一体どういうことなの?私は一体どこに向かうの?お父様たちは大丈夫なの?」

 状況が全く理解できずに、クラミーに問いかける。するとクラミーがスッと手紙を渡してきたのだ。

「旦那様からのお手紙でございます。馬車に乗り込んだら、渡すようにとの事でした。こちらに全て記載されているかと」

 手紙には“愛するキャリーヌへ”と書かれていた。一体何が起こっているのだろう。震える手で手紙を広げた。

 そこには、ジェイデン殿下の暴走を知った、第二王子のサミュエル殿下が動いてくれた事。サミュエル殿下の指示で、私は地下牢から出してもらえたとの事。ただ、ジェイデン殿下がいつまた横暴な事をしでかすか分からないため、私の身の安全を考え、お姉様の嫁ぎ先でもあるカリアン王国の公爵家に、しばらく身を寄せる様手配したことが書かれていた。

 最後に

 “今回、サミュエル殿下が動いてくれたお陰で、キャリーヌを助ける事が出来た。ただ、キャリーヌには深い傷を負わせてしまった事を、大変申し訳なく思っている。今まで沢山我慢させてしまった分、カリアン王国ではどうか自由に生きて欲しい”

 と、書かれていた。

「皆私の為に、必死に動いて下さったのね…」

 手紙を握りしめながら、溢れる涙を抑えきれずに、ポロポロと涙を流しながら泣いた。


 サミュエル殿下まで巻き込んでしまって、本当に申し訳ない。彼らが私を守るために、危険を冒してまで動いてくれたことは嬉しいが、それと同時に彼らの身が心配だ。

「お嬢様、どうか泣かないで下さい。旦那様も奥様も、若旦那様も若奥様も大丈夫ですわ。きっとサミュエル殿下が守ってくださいます。それに既にサミュエル殿下が、陛下たちに連絡を入れてくださっておりますので。ですので、どうかお嬢様は、ご自分の体の事だけをお考え下さい」

 クラミーがそう言ってほほ笑んでいる。

「ありがとう、クラミー。それにしても、サミュエル殿下が動いて下さっていただなんて。私はサミュエル殿下を裏切り、ジェイデン殿下と婚約を結んだのに。そんな私を、どうして彼は…」

 実は子供の頃、私とサミュエル殿下は、お互い惹かれ合い、密かに結婚の約束をしていたのだ。でも私は、7年前彼を裏切り、ジェイデン殿下との婚約を選んだ。それ以降、サミュエル殿下に申し訳ない気持ちもあり、あえて彼に関わってこなかったし、サミュエル殿下も私に話しかけてくることはなかった。

 あんなにも酷い仕打ちをした私を助けてくれるだなんて。でも…サミュエル殿下らしいわ。彼はそういう人だもの。

 “キャリーヌ、僕は君が大好きだ。僕たち、ずっと一緒だよ”

 ふと子供の頃に言われた言葉を思い出す。いつも私の傍にいてくれたサミュエル殿下。あの頃は、楽しかったな。

 心が温かいものに包まれる感覚に襲われた。

 何はともあれ、彼のお陰で私は助かったのだ。いつかもしサミュエル殿下にお会いする機会があれば、お礼が言いたい。それから、あの時の謝罪も…
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