38 / 65
31.愛情(中編)
しおりを挟む
真緒が風呂場から出てくると、入れ替わりに創平が入った。
せっかくなので入念に身体を洗った。
洗面所には、真緒の歯ブラシも置いてある。彼女と「別れ」ても置いたままにしていたが、処分しなくてよかったと思った。
彼女は食後いつも歯磨きをしている。いつキスをしてもいいようになのか、と最初は思っていたが、単に彼女は歯磨きをする人種らしい。会社でもそうらしかった。
きっと真緒は、創平を待っている間に歯磨きをしているだろう。上がったら自分も歯を磨こう、そう思った。
風呂場を出て、身体を拭きながら真緒の様子を伺うと、ベッドの上で、バスタオルにくるまった彼女は膝を抱えていた。
「まーおちゃん」
歯磨きをしたあと、同じようにベッドに上がると、勢いよく真緒のバスタオルを取り払った。
やはり真緒は身体を隠そうとする。
「観念してよ。さっきも見たんだし、隠されても無理矢理引き剥がすだけだぞ」
頷いた彼女だったが、隠す腕が所在なさげな様子で、また膝を抱えた。
「それに隠されたら見たくなる、それは人間の心理だろ? ……ちゃんと見せて。真緒ちゃんの身体。めちゃくちゃ綺麗な身体だし、見るの俺だけなんだから。な?」
キスをして、ころんと真緒の身体を倒し、覆い被さった。
「俺も見せるからさ」
真緒は目をうろうろさせ、創平のキスを受け入れた。
「ゆっくり、するからな」
先程よりもっと丁寧に、真緒の身体を愛撫する。
胸の先を摘まんで転がし、快感を煽っていく。痛がっていないか、気をつけて表情を見ていた。
柔らかな胸、細い腰……腕にも脇腹にも、胸元にも胸の下部にも、キスの雨を降らせた。わざと跡を残し、自分のものだというように印をつけていく。
途中になってしまった秘部の探索を再開させ、創平は舌を侵入させた。舌で侵せば、どんどんと愛液が溢れていく。
「すっげー、さっきよりとろとろ……」
掬っても掬っても溢れてくる。
こんなに溢れるなら、すぐに挿入しても大丈夫なのではないかと浅はかなことを考えてしまう。
(いや、濡れても……最初はたぶん……な)
この可愛い顔がきっと苦悶に歪むのだろう。
少しでも和らげないとといけない。
膨れた場所を摘まんでは撫で、中指をゆっくりその奥へと進ませた。
「ぃ……ぁぅっ……」
真緒の口から悲鳴が漏れた。
「痛いか?」
真緒が首を横に振るのを確認し、中指を動かした。
奥まで押し込んでは、また外へと戻る。
「ふぁ……っ……」
これが真緒の喘ぐ声なのか、と知って喜んだ。
声が出ないわけではない、ただ言葉にならない。風が通るようなものではあったが、特別な声だと気づき、またその声を聞くのが自分だけなのだから、嬉しさしかなかった。
指を入れたまま、その先をナカで動かす。
「……ぃ……ぁ……」
「気持ちいい?」
『変な気分、で、す……』
手の動きも途切れ途切れだった。
「気持ちいいってことかな……」
もう一本指を増やすよ、と言い人差し指を追加した。
自分のモノよりは細いが、慣れるにはこれくらいはしておかないといけないと感じた。
彼女はびくびくと身体を捩らせ、創平の指の動きに翻弄されているようだった。
吸い付いてくるかのように、ひだのある壁が指をぎゅうぎゅうと押しつけてくる。
腰を掴んで、指をぐりぐりと押しつけ、もう片方の手で真ん中の膨れた場所を撫でると、彼女は吐息を漏らした。
優しくするつもりが、気がつけばガシガシと擦っていることに気づいて、またゆっくりと撫でるようにナカを侵した。
さんざん真緒を善がらせたあと、指を抜き、真緒の顔を覗き込む。
「なあ……気持ちよかった?」
……たぶん、と真緒が蕩けた顔で頷いた。
息が荒くなっていた。
「じゃあ……どうする? 本番、する?」
ほんばん、と真緒の口が動いた。本番とは何か、と尋ねているふうな顔つきだ。
「ああ、本番。セックスのことだよ。俺と、最後までセックス、するかどうか」
『……』
「一応、これもセックスだけどな。前戯だから、セックスの最初のほう」
『……』
真緒の知識は不足していたのだろう。
ややあって、こくりと頷いた。
「今の返事は? オッケーってこと? 俺は、したいと思ってる。俺のほうは、もう準備出来てるし」
真緒の手を取ると、創平は自分の欲が主張する場所を握らせた。
真緒は驚き、身体を少し起こして自分の手を見つめた。
「これが、真緒ちゃんのここに入るんだよ」
ここ、がどこであるか、とろとろに濡れたその場所を指で撫でながら示した。
『どうやって……そんな大きなのを……』
「これが入るかって? 入るんだよ、それが」
真緒は驚いた顔で見つめている。
「やめるならやめていいよ。今日じゃなくてもいいから」
『でも、松浦さんは……したい、ですよね?』
「ああ、俺は、したい」
『……したい』
「え?」
『わたしも、松浦さんと、したい、です』
ほんとにか、と真緒の顔を覗き込むと、赤い顔で大きく頷いた。
「……うん、じゃあ、しよっか」
創平が笑うと、真緒もぎこちなく笑った。
『でも』
真緒が創平の腕を引いた。
不安な顔で創平を見つめている。
何か言おうとして、手で示そうとしたが、躊躇っているように見えた。
「なに、ちゃんと伝えて」
創平はベッドから降りると、ローテーブルの上に置いてあった真緒の電子メモを手に取った。
「俺が、真緒ちゃんの言葉を間違った解釈しないように、書いて伝えてよ」
頷いた真緒はそれを手に取り、書いて見せた。
《わたしはピルを飲んでいません。産婦人科に行かないといけないらしくて、それ以外にどうやったら手に入るのかわからなくて》
なぜそんなことを言うのか、と首を傾げたが、はっとした。
以前、前に付き合っていた園田茜が来た時に、言ったことを思い出す。
──ゴムもつけないようなクズよ。
──ピル飲んでるからゴムなしでヤりたいって言って……。
(あの時のことか……)
「ピル、か」
『…………』
「最初から、ちゃんと避妊するつもりでいるけど。男の義務だし。正直、ゴムも百パーじゃないけどさ」
ごめんなさい、と真緒は謝った。
「なんで真緒ちゃんが謝るんだよ。でも、考えてくれたんだな。……不安にさせてごめんな」
昨日今日で彼女なりに自分に出来ることを考えたのだろう。結ばれたいと思う反面、リスクを減らさないといけないと思っても、何も出来なかったと、不安に思っていたのだ。
「ありがと。じゃあ、準備する」
ちゅ、と真緒にキスをし、彼女を寝かせた。
創平はまたベッドから降りると、コンドームの入った箱を持ってきた。一つ取り出し、転がった真緒を眺めながら自分のモノを自分の手で何度か撫でた。
本当は彼女にいろいろしてもらいたいが、これから初めて経験しようとする相手に、慣れた女がするようなことをさせるわけにはいかない。
パッケージを開け、真緒が見ていないうちに装着させた。
使うのは久しぶりで、こんな自分でも些か緊張はしている。
「準備は出来たよ」
『……はい』
「ほんとに無理だと思ったら、俺を殴ってでも止めろよ」
『はい……』
顔を覗き込み、キスを落とすと、真緒が笑った。
笑った真緒の口内を舌で侵し、絡み合う。ぎこちない真緒の舌が、創平の舌に絡んできた。胸を強く掴み、頂きも強く舌で侵した。
「ぁぅ……」
身体を起こし、コンドームに覆われたものを、脚を大きく広げた真緒の秘部に当てた。
ぬるぬる、と光っている。
先端をあてがい、少し挿れては戻り、また奥に進もうとしては戻る。真緒の表情が強ばっていたが、苦しむ様子はない。
「じゃあ、挿れる。ゆっくり、ゆっくりするから。しっかり俺にしがみついててくれ。いいな?」
はい、と真緒は頷いた。
彼女の身体が少し震えはじめた。
(よし……)
つながりたくて、自分のものをゆっくりと奥に押し込んでゆく。体重をかけて、じわりじわり、と。
(きっつ……)
慣れた女のものは、するりと入っていくものなのに。
やはり目の前の彼女はそうもいかないようだった。
彼女の口から、風を切るような甲高い悲鳴が聞こえた。
「……ぃぃ……いぃ……うぅ……」
顔を見つめ、彼女の変化を見ていると、ぎゅっと目を瞑り、口をぱくぱくさせ、何かを訴えているようだった。創平の腕をぎゅっと掴み、苦しさに耐えてる様子だ。
奥へ向かって進めば進むほど、ぎちぎち、ぎゅうぎゅう、と、こじ開けるような音が聞こえてくるようだった。
(きっつ……)
「ぁぅ……はぁっ……ぅ……ぅ……ぃぅ……」
無理矢理真緒のナカに侵入してから長い時間を要したように思える。先端が奥に当たったのを感じると、
「ほら……全部……入ったよ……」
そう囁いた。
創平は嬉しかった。
同時に真緒の目から涙が零れ落ちていった。
「頑張ったな……」
うん、と頷く彼女は、苦しそうではあったが、嫌だという表情ではなかった。
「繋がったな」
真緒にそっとキスをすると、ぼろぼろと涙が溢れた。
「だ、大丈夫か?」
真緒はまた頷いた。
「苦しいだろうし、馴染むまで、少しこのままでいようか」
真緒のナカがきつくて、自分のモノを締め付けてくる。今すぐ動きたい衝動があったが、真緒が苦しそうなのにそんなことはできない、と耐えた。
やっと彼女と繋がれたことも嬉しいし、真緒が耐えてくれたことも嬉しい。到達するというのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
「ぁ……ふぅ……」
大丈夫です、と真緒の口が動いたのを見て、
「ほんとに? 無理してないか?」
と心配そうに見やる。
平気です、と彼女の口が動いた。
零れた涙を唇で拭うと、真緒は嬉しいのか口元を緩めた。
「じゃあ、動くぞ……? ゆっくり動くからな」
静止に耐えきれず、創平は動くことを伝えた。
(きつい……)
だが、動くと快感があり、それはどんどん増していくばかりだ。
真緒の胸を貪り、腰を掴んで打ち付ける。
ひゃん、と言うかのように真緒の唇から吐息が零れていく。
(痛いかな……)
喘いでいるのかとも思ったが、苦悶の表情を見ると、それはまだのようだった。打ち付けられて、何らかの痛みを伴っているのかもしれない。
そうこうしているうちに、絶頂がすぐそこまで来ているのを感じ、このまま突っ走るか、それとも真緒の様子を見ながら我慢するか、葛藤した。
もう少し我慢して、後ろからや対面や脚を崩すのもいい……いろいろしたい。だが、初めての相手に、この体位以外を求めることなんてできそうもない。これで彼女の恐怖心が生まれてしまったら、次はないだろう、と快感の裏側で葛藤している。
「可愛い……ん、ぁあ……真緒ちゃん……可愛い……」
真緒の細い身体を抱きしめ、密着させて腰を打ち付ける。腰だけが別の生き物であるかのように激しく動いている。ゆっくりする、と言っていたくせに腰の動きがどんどん速くなって行く。
少し身体を離し、真緒の身体の両脇に手を付いた。
真緒の大きな胸も激しく揺れている。
汗がぽとりと真緒の顔に落ちた。
気がつくとびっしょりと汗をかいている。
拭う余裕も無く、今はただひたすら本能に従って腰を振るだけだ。
「我慢できねえ……真緒ちゃんが可愛すぎて……」
勝手に腰が……、と甲高くなる声で創平は言った。
「気持ちいい……」
イキそうだけどもうちょっとナカにいたい、と速度を緩める。
だが真緒の顔が目に入ると、すぐにまた動きが速くなる。
(こんな可愛い顔して……めちゃくちゃに犯したくなるだろ……)
片手で胸を鷲掴みにして、先端を強く摘まむ。
「……ぃぃ……ぃた……」
真緒が吐息を吐けば、また乱暴に腰を振ってしまう。
真緒を自分の手で汚すのだと思うと興奮する。
もっともっと、もっと俺を欲しいと言わせたい。
今日は無理だろうけれど、いつか絶対に言わせる。
「あーっ……無理……もう……ィ……クっ……」
熱いものが真緒のナカに吐き出されていく。
絶頂を迎え、創平は真緒の身体に倒れ込んだ。
せっかくなので入念に身体を洗った。
洗面所には、真緒の歯ブラシも置いてある。彼女と「別れ」ても置いたままにしていたが、処分しなくてよかったと思った。
彼女は食後いつも歯磨きをしている。いつキスをしてもいいようになのか、と最初は思っていたが、単に彼女は歯磨きをする人種らしい。会社でもそうらしかった。
きっと真緒は、創平を待っている間に歯磨きをしているだろう。上がったら自分も歯を磨こう、そう思った。
風呂場を出て、身体を拭きながら真緒の様子を伺うと、ベッドの上で、バスタオルにくるまった彼女は膝を抱えていた。
「まーおちゃん」
歯磨きをしたあと、同じようにベッドに上がると、勢いよく真緒のバスタオルを取り払った。
やはり真緒は身体を隠そうとする。
「観念してよ。さっきも見たんだし、隠されても無理矢理引き剥がすだけだぞ」
頷いた彼女だったが、隠す腕が所在なさげな様子で、また膝を抱えた。
「それに隠されたら見たくなる、それは人間の心理だろ? ……ちゃんと見せて。真緒ちゃんの身体。めちゃくちゃ綺麗な身体だし、見るの俺だけなんだから。な?」
キスをして、ころんと真緒の身体を倒し、覆い被さった。
「俺も見せるからさ」
真緒は目をうろうろさせ、創平のキスを受け入れた。
「ゆっくり、するからな」
先程よりもっと丁寧に、真緒の身体を愛撫する。
胸の先を摘まんで転がし、快感を煽っていく。痛がっていないか、気をつけて表情を見ていた。
柔らかな胸、細い腰……腕にも脇腹にも、胸元にも胸の下部にも、キスの雨を降らせた。わざと跡を残し、自分のものだというように印をつけていく。
途中になってしまった秘部の探索を再開させ、創平は舌を侵入させた。舌で侵せば、どんどんと愛液が溢れていく。
「すっげー、さっきよりとろとろ……」
掬っても掬っても溢れてくる。
こんなに溢れるなら、すぐに挿入しても大丈夫なのではないかと浅はかなことを考えてしまう。
(いや、濡れても……最初はたぶん……な)
この可愛い顔がきっと苦悶に歪むのだろう。
少しでも和らげないとといけない。
膨れた場所を摘まんでは撫で、中指をゆっくりその奥へと進ませた。
「ぃ……ぁぅっ……」
真緒の口から悲鳴が漏れた。
「痛いか?」
真緒が首を横に振るのを確認し、中指を動かした。
奥まで押し込んでは、また外へと戻る。
「ふぁ……っ……」
これが真緒の喘ぐ声なのか、と知って喜んだ。
声が出ないわけではない、ただ言葉にならない。風が通るようなものではあったが、特別な声だと気づき、またその声を聞くのが自分だけなのだから、嬉しさしかなかった。
指を入れたまま、その先をナカで動かす。
「……ぃ……ぁ……」
「気持ちいい?」
『変な気分、で、す……』
手の動きも途切れ途切れだった。
「気持ちいいってことかな……」
もう一本指を増やすよ、と言い人差し指を追加した。
自分のモノよりは細いが、慣れるにはこれくらいはしておかないといけないと感じた。
彼女はびくびくと身体を捩らせ、創平の指の動きに翻弄されているようだった。
吸い付いてくるかのように、ひだのある壁が指をぎゅうぎゅうと押しつけてくる。
腰を掴んで、指をぐりぐりと押しつけ、もう片方の手で真ん中の膨れた場所を撫でると、彼女は吐息を漏らした。
優しくするつもりが、気がつけばガシガシと擦っていることに気づいて、またゆっくりと撫でるようにナカを侵した。
さんざん真緒を善がらせたあと、指を抜き、真緒の顔を覗き込む。
「なあ……気持ちよかった?」
……たぶん、と真緒が蕩けた顔で頷いた。
息が荒くなっていた。
「じゃあ……どうする? 本番、する?」
ほんばん、と真緒の口が動いた。本番とは何か、と尋ねているふうな顔つきだ。
「ああ、本番。セックスのことだよ。俺と、最後までセックス、するかどうか」
『……』
「一応、これもセックスだけどな。前戯だから、セックスの最初のほう」
『……』
真緒の知識は不足していたのだろう。
ややあって、こくりと頷いた。
「今の返事は? オッケーってこと? 俺は、したいと思ってる。俺のほうは、もう準備出来てるし」
真緒の手を取ると、創平は自分の欲が主張する場所を握らせた。
真緒は驚き、身体を少し起こして自分の手を見つめた。
「これが、真緒ちゃんのここに入るんだよ」
ここ、がどこであるか、とろとろに濡れたその場所を指で撫でながら示した。
『どうやって……そんな大きなのを……』
「これが入るかって? 入るんだよ、それが」
真緒は驚いた顔で見つめている。
「やめるならやめていいよ。今日じゃなくてもいいから」
『でも、松浦さんは……したい、ですよね?』
「ああ、俺は、したい」
『……したい』
「え?」
『わたしも、松浦さんと、したい、です』
ほんとにか、と真緒の顔を覗き込むと、赤い顔で大きく頷いた。
「……うん、じゃあ、しよっか」
創平が笑うと、真緒もぎこちなく笑った。
『でも』
真緒が創平の腕を引いた。
不安な顔で創平を見つめている。
何か言おうとして、手で示そうとしたが、躊躇っているように見えた。
「なに、ちゃんと伝えて」
創平はベッドから降りると、ローテーブルの上に置いてあった真緒の電子メモを手に取った。
「俺が、真緒ちゃんの言葉を間違った解釈しないように、書いて伝えてよ」
頷いた真緒はそれを手に取り、書いて見せた。
《わたしはピルを飲んでいません。産婦人科に行かないといけないらしくて、それ以外にどうやったら手に入るのかわからなくて》
なぜそんなことを言うのか、と首を傾げたが、はっとした。
以前、前に付き合っていた園田茜が来た時に、言ったことを思い出す。
──ゴムもつけないようなクズよ。
──ピル飲んでるからゴムなしでヤりたいって言って……。
(あの時のことか……)
「ピル、か」
『…………』
「最初から、ちゃんと避妊するつもりでいるけど。男の義務だし。正直、ゴムも百パーじゃないけどさ」
ごめんなさい、と真緒は謝った。
「なんで真緒ちゃんが謝るんだよ。でも、考えてくれたんだな。……不安にさせてごめんな」
昨日今日で彼女なりに自分に出来ることを考えたのだろう。結ばれたいと思う反面、リスクを減らさないといけないと思っても、何も出来なかったと、不安に思っていたのだ。
「ありがと。じゃあ、準備する」
ちゅ、と真緒にキスをし、彼女を寝かせた。
創平はまたベッドから降りると、コンドームの入った箱を持ってきた。一つ取り出し、転がった真緒を眺めながら自分のモノを自分の手で何度か撫でた。
本当は彼女にいろいろしてもらいたいが、これから初めて経験しようとする相手に、慣れた女がするようなことをさせるわけにはいかない。
パッケージを開け、真緒が見ていないうちに装着させた。
使うのは久しぶりで、こんな自分でも些か緊張はしている。
「準備は出来たよ」
『……はい』
「ほんとに無理だと思ったら、俺を殴ってでも止めろよ」
『はい……』
顔を覗き込み、キスを落とすと、真緒が笑った。
笑った真緒の口内を舌で侵し、絡み合う。ぎこちない真緒の舌が、創平の舌に絡んできた。胸を強く掴み、頂きも強く舌で侵した。
「ぁぅ……」
身体を起こし、コンドームに覆われたものを、脚を大きく広げた真緒の秘部に当てた。
ぬるぬる、と光っている。
先端をあてがい、少し挿れては戻り、また奥に進もうとしては戻る。真緒の表情が強ばっていたが、苦しむ様子はない。
「じゃあ、挿れる。ゆっくり、ゆっくりするから。しっかり俺にしがみついててくれ。いいな?」
はい、と真緒は頷いた。
彼女の身体が少し震えはじめた。
(よし……)
つながりたくて、自分のものをゆっくりと奥に押し込んでゆく。体重をかけて、じわりじわり、と。
(きっつ……)
慣れた女のものは、するりと入っていくものなのに。
やはり目の前の彼女はそうもいかないようだった。
彼女の口から、風を切るような甲高い悲鳴が聞こえた。
「……ぃぃ……いぃ……うぅ……」
顔を見つめ、彼女の変化を見ていると、ぎゅっと目を瞑り、口をぱくぱくさせ、何かを訴えているようだった。創平の腕をぎゅっと掴み、苦しさに耐えてる様子だ。
奥へ向かって進めば進むほど、ぎちぎち、ぎゅうぎゅう、と、こじ開けるような音が聞こえてくるようだった。
(きっつ……)
「ぁぅ……はぁっ……ぅ……ぅ……ぃぅ……」
無理矢理真緒のナカに侵入してから長い時間を要したように思える。先端が奥に当たったのを感じると、
「ほら……全部……入ったよ……」
そう囁いた。
創平は嬉しかった。
同時に真緒の目から涙が零れ落ちていった。
「頑張ったな……」
うん、と頷く彼女は、苦しそうではあったが、嫌だという表情ではなかった。
「繋がったな」
真緒にそっとキスをすると、ぼろぼろと涙が溢れた。
「だ、大丈夫か?」
真緒はまた頷いた。
「苦しいだろうし、馴染むまで、少しこのままでいようか」
真緒のナカがきつくて、自分のモノを締め付けてくる。今すぐ動きたい衝動があったが、真緒が苦しそうなのにそんなことはできない、と耐えた。
やっと彼女と繋がれたことも嬉しいし、真緒が耐えてくれたことも嬉しい。到達するというのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
「ぁ……ふぅ……」
大丈夫です、と真緒の口が動いたのを見て、
「ほんとに? 無理してないか?」
と心配そうに見やる。
平気です、と彼女の口が動いた。
零れた涙を唇で拭うと、真緒は嬉しいのか口元を緩めた。
「じゃあ、動くぞ……? ゆっくり動くからな」
静止に耐えきれず、創平は動くことを伝えた。
(きつい……)
だが、動くと快感があり、それはどんどん増していくばかりだ。
真緒の胸を貪り、腰を掴んで打ち付ける。
ひゃん、と言うかのように真緒の唇から吐息が零れていく。
(痛いかな……)
喘いでいるのかとも思ったが、苦悶の表情を見ると、それはまだのようだった。打ち付けられて、何らかの痛みを伴っているのかもしれない。
そうこうしているうちに、絶頂がすぐそこまで来ているのを感じ、このまま突っ走るか、それとも真緒の様子を見ながら我慢するか、葛藤した。
もう少し我慢して、後ろからや対面や脚を崩すのもいい……いろいろしたい。だが、初めての相手に、この体位以外を求めることなんてできそうもない。これで彼女の恐怖心が生まれてしまったら、次はないだろう、と快感の裏側で葛藤している。
「可愛い……ん、ぁあ……真緒ちゃん……可愛い……」
真緒の細い身体を抱きしめ、密着させて腰を打ち付ける。腰だけが別の生き物であるかのように激しく動いている。ゆっくりする、と言っていたくせに腰の動きがどんどん速くなって行く。
少し身体を離し、真緒の身体の両脇に手を付いた。
真緒の大きな胸も激しく揺れている。
汗がぽとりと真緒の顔に落ちた。
気がつくとびっしょりと汗をかいている。
拭う余裕も無く、今はただひたすら本能に従って腰を振るだけだ。
「我慢できねえ……真緒ちゃんが可愛すぎて……」
勝手に腰が……、と甲高くなる声で創平は言った。
「気持ちいい……」
イキそうだけどもうちょっとナカにいたい、と速度を緩める。
だが真緒の顔が目に入ると、すぐにまた動きが速くなる。
(こんな可愛い顔して……めちゃくちゃに犯したくなるだろ……)
片手で胸を鷲掴みにして、先端を強く摘まむ。
「……ぃぃ……ぃた……」
真緒が吐息を吐けば、また乱暴に腰を振ってしまう。
真緒を自分の手で汚すのだと思うと興奮する。
もっともっと、もっと俺を欲しいと言わせたい。
今日は無理だろうけれど、いつか絶対に言わせる。
「あーっ……無理……もう……ィ……クっ……」
熱いものが真緒のナカに吐き出されていく。
絶頂を迎え、創平は真緒の身体に倒れ込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる