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34話・クセ

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 マオからの助言で、やる事が決まった。

「あがりです」 「私も上がりね」

「うぅ…」

 どうやら、トランプの雌雄が決したようだ。

「その、なんだ。ドンマイ、シエル」

 今回も負けたシエルに慰めの言葉を送る。

「ふん… どうせ私は最弱よ…」

 連敗が堪えたのか、シエルは、少しふて腐れる。

「そうふて腐れるなよ、シエル」

「ふて腐れてなんてないわよ…」

「そ… そうか、ならいいんだが」

 いや完全にふて腐れている。

「なぁ、シエル。ちょっと聞きたいんだけどいいか?」

「聞きたい事? なに?」

「シエルは、魔王抜きをよくやるのか?」

「よくやる訳じゃないわ。たまに、シェーンとマオの3人でやるくらいね」

「そうか。それで、その時の勝敗ってどんな感じだ?」

「えっと… あれ? そう言えば、あまり勝てた思い出がないかも…」

 それを聞き、やはりそうかと思ってしまう。

 ガタンっ

「ど、どうした?」

 頬を膨らませたシエルが突然立ち上がる。

「お花摘よ!!」

 そう怒鳴ってから、部屋を出ていった。
 あれはどう見ても、怒らせてしまった感じだ。

「急にあんな事聞いてどうしたのじゃ?」

「いや、過去の勝率を知りたかっただけだよ。それで、それを聞きた理由は、マオなら分かるだろ?」

「もしかして、シエルが負けてしまう理由についてじゃな?」

「あぁ。数回やって俺たちでも気づくぐらいだから、マオたちも当然知っているんだろ?」

「まぁそうじゃの」

「教えてはやらなかったのか?」

「そこは、勝負の世界じゃからな。シェーンにも儂の方から教えないように頼んじゃ」

「いやまぁそうだけどさ。あれだけ負けるのをみたら、何だか可哀想になってきてな」

「まぁ、そうじゃの。今日は、いつもより負けているようだしの」

「なら、そろそろ教えてあげてもいいんじゃないか?」

「うーん…」

「私は、セウンさんの案に賛成です。マオさん、そろそろ教えてあげませんか?」

「分かったのじゃ」

「なら、シエルが戻ってきたら、俺から話すよ」

「頼んだのじゃ」「お願いします、セウンさん」

「了解」

 シエルのクセを教える為、シエルの帰りを待つ。




 少しして、シエルが戻ってきた。
 時間を置いた事で、怒りも少しは和らいだように見えるが、席につくなり、トランプをシャッフルし出し、

「さ、もう一回やりましょう!!」

 再び、魔王抜きをやろうと言ってきた。
 俺はシエル以外の3人を見渡し、3人とも頷く。

「やる分はいいけど、その前に俺の話を聞いてくれるか?」

「話? 分かったわ」

 シャッフルする手を止め、話を聞く体勢をとってくれる。
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