357 / 448
35話・勝敗のゆくえ
しおりを挟む
シエルは、シャッフルする手を止め、話を聞く体勢をとってくれる。
「ならその間に、私がトランプを配っときますね」
「あ、じゃあ、お願い」
「悪いな、ラス」
ラスが配る役をしてくれるとの事で、トランプを手渡し、その間に、俺はシエルに例の事を教える。
「なぁ、シエル。シエルが、魔王抜きをする時に、いつもやっている事とかはないか?」
「やっている事?」
「あぁ。何か心当たりはないか?」
シエルは、目を閉じ考え始める。
「うーん…」
「やっている事を口に出してみたら、分かるかも知れないぞ」
「えっと、まず最初に、トランプが配られて、数字の揃っているカードを捨てる。次に、残ったカードを並び替えてから魔王抜きを始めるくらいかな。でもこれって、皆がやっている事と同じじゃないの?」
どうやら、やっている事を口にしても、シエルは自分がやっている致命的な原因に気づいてないみたいだ。
「俺たちとは、一部やり方が違う所があるな」
「え、そうなの?」
「あぁ。俺たちの場合は、トランプが配られたら、揃っているカードを捨ててから、そのまま魔王抜きをやるんだ。それで、今のを聞いて、シエルのやり方とどこが違うと思う?」
「もしかして、残ったカードを並び替える?」
「そ、正解。だから、シエルは魔王抜きに負けるんだよ」
「え、なんでそれだけで負けるの? ただ、並べ直しただけだよ?」
「その並べ方に問題があるんだよ」
「え!?」
「だって、シエルの並べ方って、毎回数字が小さい順から左に並べてるだろ? しかも、魔王は必ず一番右に置くだろ。だから、ある程度どの数字のカードがどこら辺にあるのか予想出来るから、負けるんだよ」
「!? そうだったのね。じゃあ、並び直さなかったら、負けないのね!!」
「そこは、運しだいだから、何もいえないな。まぁでも、負ける可能性は少しは減るとは思うぞ。後ついでに言えば、カードを引いて揃ってなかったら、毎回自分の持ちカードをシャッフルしたら、より負けにくくなるんじゃないか?」
「分かったわ。さ、やりましょう!!」
既に配り終えていたトランプを掴み、更にやる気を漲らせたシエルは、魔王抜きに挑んだ。
そして、魔王抜きの勝敗は、
「やったー!! 勝てた!!」
シエルがやっと1番であがれた。
「おめでとう、シエル」「「「おめでとう(ございます)(なのじゃ)」」」
「ありがとう、皆」
これで満足して、魔王抜きを止めるのかと思ったのだが、味をしめたのか、もう数回やる事になった。
だけど、
「また、負けた…」
どうやらシエルは、もともとの魔王抜きじたいが弱いのか、数回ともビリになっていた。
「ならその間に、私がトランプを配っときますね」
「あ、じゃあ、お願い」
「悪いな、ラス」
ラスが配る役をしてくれるとの事で、トランプを手渡し、その間に、俺はシエルに例の事を教える。
「なぁ、シエル。シエルが、魔王抜きをする時に、いつもやっている事とかはないか?」
「やっている事?」
「あぁ。何か心当たりはないか?」
シエルは、目を閉じ考え始める。
「うーん…」
「やっている事を口に出してみたら、分かるかも知れないぞ」
「えっと、まず最初に、トランプが配られて、数字の揃っているカードを捨てる。次に、残ったカードを並び替えてから魔王抜きを始めるくらいかな。でもこれって、皆がやっている事と同じじゃないの?」
どうやら、やっている事を口にしても、シエルは自分がやっている致命的な原因に気づいてないみたいだ。
「俺たちとは、一部やり方が違う所があるな」
「え、そうなの?」
「あぁ。俺たちの場合は、トランプが配られたら、揃っているカードを捨ててから、そのまま魔王抜きをやるんだ。それで、今のを聞いて、シエルのやり方とどこが違うと思う?」
「もしかして、残ったカードを並び替える?」
「そ、正解。だから、シエルは魔王抜きに負けるんだよ」
「え、なんでそれだけで負けるの? ただ、並べ直しただけだよ?」
「その並べ方に問題があるんだよ」
「え!?」
「だって、シエルの並べ方って、毎回数字が小さい順から左に並べてるだろ? しかも、魔王は必ず一番右に置くだろ。だから、ある程度どの数字のカードがどこら辺にあるのか予想出来るから、負けるんだよ」
「!? そうだったのね。じゃあ、並び直さなかったら、負けないのね!!」
「そこは、運しだいだから、何もいえないな。まぁでも、負ける可能性は少しは減るとは思うぞ。後ついでに言えば、カードを引いて揃ってなかったら、毎回自分の持ちカードをシャッフルしたら、より負けにくくなるんじゃないか?」
「分かったわ。さ、やりましょう!!」
既に配り終えていたトランプを掴み、更にやる気を漲らせたシエルは、魔王抜きに挑んだ。
そして、魔王抜きの勝敗は、
「やったー!! 勝てた!!」
シエルがやっと1番であがれた。
「おめでとう、シエル」「「「おめでとう(ございます)(なのじゃ)」」」
「ありがとう、皆」
これで満足して、魔王抜きを止めるのかと思ったのだが、味をしめたのか、もう数回やる事になった。
だけど、
「また、負けた…」
どうやらシエルは、もともとの魔王抜きじたいが弱いのか、数回ともビリになっていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
924
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる