上 下
230 / 448

48話・説明

しおりを挟む
 ラスの決意は固そうなので、俺はラスにあれをする事にした。

「なら、ここじゃあれだから場所を変えようと思うんだけど、声がなるべく漏れない部屋とか知ってるか?」

「いえ、知らないですね」

「だよな…」

 たぶん、あれを使ったら、大きな声が出ると思うから騒ぎにならないように、声の漏れにくい部屋が良かったんだがな…

「なら、シェーンに聞いてみようか。もし、部屋がない場合は、悪いけどここを出て別の場所でしようと思うんだがいいか?」

「はい、大丈夫です。だけど、どうして声の漏れにくい場所でするんですか?」

 少し不思議そうに聞いてきたので、

「さっきも言ったけど、あれをするとかなり痛いから、そのせいで、叫んでしまうかもしれないからな、その為だ」

「そ… そうなんですね」

 少し怖じ気づいたようだが、決意のこもった目は変わらないので、とりあえずシェーンを探す事にした。





 シェーンはすぐに見つかった。

「シェーン今いいか?」

「どうかしましたか、セウンさん」

「あぁ、それが…」

 俺は、ラスに頼まれて、シェーンたちにもやったあれをする為に、なるべく声の漏れにくい部屋を探している事を伝えた。

「どうだ?」

「そうですね… 確か、フィアンマ様なら、音の漏れないようにするアイテムを持っていた筈ですが、持ち出しは厳禁ですね」

「そうか…」

 フィア婆様に頼んで、そのアイテムを貸して貰うか、それともラスに言った通り、ここを出てからあれをやるか、どうしようかなと思っていると、ふとある事を思い出した。

「そう言えば、シェーンは、結界魔法って使えなかったっけ?」

「はい。セウンさんのおかげで使えるようになりました」

「なら、その魔法で音を漏れにくくするものとかないか?」

「セウンさんの言う通り、結界魔法の1つに、遮音結界と言うものがあるみたいなんですが、まだ結界魔法のLVが低いので覚えてないですね… すみません」

「謝らなくて大丈夫だよ、シェーン」

「はい。それで、どうしますか?」

「そうだな…」

 手っ取り早くすませたいし、フィア婆様なら能力について話してもいいかと判断し、

「なら、そのアイテムを貸して貰えないか、フィア婆様に… 「私がどうかしたのかい、セウン」」

 そう後ろから声をかけられる。
 声で、誰であるかは分かっていたが、一応振り返り確認してみる。
 声の主は、思っていた通り、フィア婆様だった。

「ちょうど良かったです、フィア婆様。お話があるんですが、今いいですか?」

「あぁ、構わないよ。それで、どうしたんだい?」

 俺は、声を漏れないようにするアイテムを貸して貰えないか聞いてみる。

「貸すのはいいけど、何か理由でもあるのかい?」

 やっぱり聞いてきたので、それについて説明する。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ヒロインたちと悪役令嬢と転生王子~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,140pt お気に入り:166

婚約者に逃げられた令嬢ですが、侯爵令息に溺愛されています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:1,947

期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています

BL / 完結 24h.ポイント:965pt お気に入り:6,648

公爵家の末っ子娘は嘲笑う

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,627pt お気に入り:4,824

婚約破棄が始まりの鐘でしたのよ?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,221pt お気に入り:184

憧れていた王子が一瞬でカエル化した!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:213pt お気に入り:482

処理中です...