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特別閑話・孤児院での出来事 1

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 最近、かなり寒くなってきた。
 その寒空の中、俺たちは、ある場所へとむかっていた。

「お忙しいのに、急にお願いしてしまってすみません、セウンさん…」

「いや、大丈夫だよ。それに、丁度暇している所だったしな」

「そう言って貰えて助かります」

「それで、2人も料理を手伝ったりするのか?」

 俺は、一緒に歩いているシエルとマオに尋ねる。

「いや、私たちは、子供たちの面倒を見る係ね」

「そうじゃの。だから、美味しい料理を頼むのじゃ」

「まぁ、出来る範囲でやってみるよ」

 そんな会話をしている間に、孤児院にたどり着いた。
 孤児院へ入ると、すぐに子供たちが群がってくるのをシエルとマオに任せて、俺はシェーンと共に厨房へむかう。

「シェーン様、セウンさん。今日は、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします、シビルさん」

「お願いします、シビルさん」

 厨房にいたシビルさんとの挨拶を済ませ、料理作りに取りかかる。
 料理を作っている際、ふと気になった事を聞いてみる。

「そう言えば、フィア婆様の姿を見てないんですけど、どうしたんですか?」

「フィアンマ様は、メインとなる食材を調達しに行かれました」

「そ… そうですか」

 相変わらず、アグレッシブな方だ。
 それに今思えば、マオから受け取った食材も殆ど野菜ばっかだったなと思いながら、料理の続きをし、途中で、外が騒がしくなった。

「フィアンマ様が帰ってきたみたいですね」

「だな」

 少しして、本人がやって来た。

「お肉持ってきたよ!! ん、セウンも来てたのかい」

「はい、シェーンに誘われたので、こうして手伝ってますよ」

「それは、助かるね。それじゃあ、早く終わらせようかね」

 フィア婆様も加わり、料理作りが進んでいった。





「ほら、子供たちはこっちに集まって!!」

 セウンとシェーンが進めるように、子供たちを集める。
 子供たちを集め、何をするか聞くと鬼ごっこの意見が一番多かったので、鬼ごっこをする事になった。
 最初の鬼は、私がする事になり、逃げ出す子供たちを追いかける。まぁ、追いかけると行ってもかなり力を抑えてだ。
 しばらく鬼ごっこが続き、マオが座り込み肩で息をしだした。まぁ、私がマオを追いかける時だけ全力を出したのが原因だけどね。

「はいタッチ。ほら、マオが鬼よ」

「はぁ… ちょっと、待つのじゃ…」

 今だに、地面に座り込むマオに子供たちから、野次が飛ぶ。

「マオ姉ちゃん、だらしないよ~」

「座ってたら、捕まらないよ」

「マオ姉ちゃん、お婆ちゃんみたい~」

「あ、ヤバい…」

 マオの近くにいた私には、何かが切れる音を聞いた。
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