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特別閑話・孤児院での出来事 2

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 マオの近くにいた私には、何かが切れる音を聞いた。

「なら、儂の本気をみせてやるのじゃ…」

 その呟きが聞こえたかと思った時には、目の前からマオの姿が消えていた。
 それとほぼ同時に、後ろにいる子供たちが騒ぎ始めた。
 私は、ゆっくりと振り返ると、何故か次から次へと子供たちの後ろに転移してはタッチを繰り返していくマオの姿があった。
 そんな姿をみて私は、

「大人げないよ、マオ…」

 そう呟いたのだが、子供たちの声に掻き消されてしまい、マオに届く事はなかった。





 そろそろ料理を作り終えるので、後はシビルさんとフィア婆様だけでいいとの事で、シェーンと子供たちを呼びに来ていた。
 子供たちは、シエルと共に外を駆け回っていた。

「あれ? マオさんがいませんね」

「みたいだな」

 シェーンの言う通りマオの姿が見えない。
 すると、駆け回っていた子供たちの内の1人が俺たちの元へとやって来た。

「お兄ちゃんとシェーン姉ちゃんは遊ばないの?」

「ごめんね。そろそろ、ご飯が出来るから呼びに来ただけだから。それで、マオさんはどこにいるか分かる?」

「うん!! あっちだよ!!」

 指差された場所を見てみると、屍のように横たえているマオがいた。

「マオさん…」

「シェーン。マオは俺が連れていくから、子供たちを任せていいか?」

「はい、分かりました」

 俺は、マオの元へ行き声をかける。

「マオ、大丈夫か?」

「・・・」

 返事がない。ただの屍のようだ…
 俺の頭の中では、そんなモノローグが流れた。まぁ、呼吸はちゃんとしているから死んではいないだろう。
 俺は、とりあえず、背などについている土を落としてから、そのままお姫様だっこで連れていく。
 連れていく途中で、目を覚ましたようだが、疲れているのか、大人しくしていたので、そのまま連れていった。
 その後は、子供たちとシエルたちと一緒に手洗いと嗽を済ませ、マオには+α回復ポーションを飲ませて、昼食を食べ始めた。料理は、子供だけでなく、シエルたちにも好評で、全て完食された。





 食べ終えた後は、寝てしまった子供たちや眠そうな子供たちを移動させる人と、片付けをする人で分かれる。
 俺とシエルとマオの3人は、子供たちを、シェーンとシビルさんとフィア婆様の3人は、後片付けで分かれた。
 子供たちを移動している途中で、移動させないといけない2人が帰ってこなかったので、移動させるついでに探してみると子供たちに紛れて2人とも寝ていたので、結局一人で残っていた子供たちを移動させた。
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