144 / 453
9話・雑務クエスト 2
しおりを挟む
クエストを受けた後は、そのお店の詳細な場所を聞いてから、俺はギルドを後にした。
目的のお店には、すぐにたどり着いた。
たどり着いたのだが、
「ここだよな…」
そこには、古びた建物があった。
この場で迷っていても仕方ないので、とりあえず、その建物に入ってみた。
建物の中、正確には床にたくさんの本が置かれていた。本を蹴らないように、奥へと行こうとした際、
「いらっしゃい…」
突然の声に驚きながらも、声のする方をむくとテーブルにうつ伏せた状態で、顔だけこっちにむけてある女性がいた。
「き… 急に、すみません。お客ではなくて、依頼を受けてやって来た冒険者なんですが…」
俺は、うつ伏せたままの女性に、来た理由を伝える。
「君が?」
「はい、そうですけど、何かまずいですか?」
「いや、そんな事はないけど、大丈夫?」
「何が大丈夫なんでしょうか? 依頼内容は、お店の手伝いとしか書かれてなかったと思うんですが?」
「そうだっけ?」
「はい。そうですね」
「そっか… なら、今言うけど、やって貰いたい事は、お店の片付けや本の整理… 出来そう?」
「まぁ、出来なくはないですね」
「本当… なら、お願い…」
「分かりました。それにしても、さっきの大丈夫ってのは何なんですか?」
「あぁ… 男の冒険者だと苦手な人がいそうだから…」
「なるほど… 納得です」
「でしょ… えーと、あれ? そう言えば、君の名前なんだっけ?」
「あぁ、すみません。俺は、セウンって言います」
「セウン君ね。私は、マレン… 一応、色々な情報を取り扱ってる…」
情報を取り扱ってる?
「情報屋って事ですか?」
「そんなものかな…」
「へぇ、凄いんですね」
俺が純粋にそう言うと、
「それほどでもない…」
そう言いながらマレンさんは、顔を背けたが、ほんのりと赤くなった顔は隠せてなかった。
「それじゃあ始めたいと思いますけど、先に本の整理をしたいんですけど、本はどこに置けばいいですか?」
「奥の部屋…」
「全部ですか?」
「うん… もう、読み終わったから…」
「それは、凄いですね。マレンさんって、読書家なんですね」
「ま… まぁね…」
横をむいていたマレンさんは、顔を伏せるが、今度は、耳も赤かった。
どうやら誉められるのになれてないみたいだ。
「なら、始めますね」
「うん… お願い…」
顔を伏せたままなので、一声かけてから始める。
俺は、近くの本からアイテムボックスに入れていき、全部入れ終えたタイミングで、マレンさんに声をかけ、驚かれたりしながら本の整理や片付けを終わらせていった。
目的のお店には、すぐにたどり着いた。
たどり着いたのだが、
「ここだよな…」
そこには、古びた建物があった。
この場で迷っていても仕方ないので、とりあえず、その建物に入ってみた。
建物の中、正確には床にたくさんの本が置かれていた。本を蹴らないように、奥へと行こうとした際、
「いらっしゃい…」
突然の声に驚きながらも、声のする方をむくとテーブルにうつ伏せた状態で、顔だけこっちにむけてある女性がいた。
「き… 急に、すみません。お客ではなくて、依頼を受けてやって来た冒険者なんですが…」
俺は、うつ伏せたままの女性に、来た理由を伝える。
「君が?」
「はい、そうですけど、何かまずいですか?」
「いや、そんな事はないけど、大丈夫?」
「何が大丈夫なんでしょうか? 依頼内容は、お店の手伝いとしか書かれてなかったと思うんですが?」
「そうだっけ?」
「はい。そうですね」
「そっか… なら、今言うけど、やって貰いたい事は、お店の片付けや本の整理… 出来そう?」
「まぁ、出来なくはないですね」
「本当… なら、お願い…」
「分かりました。それにしても、さっきの大丈夫ってのは何なんですか?」
「あぁ… 男の冒険者だと苦手な人がいそうだから…」
「なるほど… 納得です」
「でしょ… えーと、あれ? そう言えば、君の名前なんだっけ?」
「あぁ、すみません。俺は、セウンって言います」
「セウン君ね。私は、マレン… 一応、色々な情報を取り扱ってる…」
情報を取り扱ってる?
「情報屋って事ですか?」
「そんなものかな…」
「へぇ、凄いんですね」
俺が純粋にそう言うと、
「それほどでもない…」
そう言いながらマレンさんは、顔を背けたが、ほんのりと赤くなった顔は隠せてなかった。
「それじゃあ始めたいと思いますけど、先に本の整理をしたいんですけど、本はどこに置けばいいですか?」
「奥の部屋…」
「全部ですか?」
「うん… もう、読み終わったから…」
「それは、凄いですね。マレンさんって、読書家なんですね」
「ま… まぁね…」
横をむいていたマレンさんは、顔を伏せるが、今度は、耳も赤かった。
どうやら誉められるのになれてないみたいだ。
「なら、始めますね」
「うん… お願い…」
顔を伏せたままなので、一声かけてから始める。
俺は、近くの本からアイテムボックスに入れていき、全部入れ終えたタイミングで、マレンさんに声をかけ、驚かれたりしながら本の整理や片付けを終わらせていった。
3
お気に入りに追加
930
あなたにおすすめの小説
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる