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9話・雑務クエスト 2

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 クエストを受けた後は、そのお店の詳細な場所を聞いてから、俺はギルドを後にした。
 目的のお店には、すぐにたどり着いた。
 たどり着いたのだが、

「ここだよな…」

 そこには、古びた建物があった。
 この場で迷っていても仕方ないので、とりあえず、その建物に入ってみた。
 建物の中、正確には床にたくさんの本が置かれていた。本を蹴らないように、奥へと行こうとした際、

「いらっしゃい…」

 突然の声に驚きながらも、声のする方をむくとテーブルにうつ伏せた状態で、顔だけこっちにむけてある女性がいた。

「き… 急に、すみません。お客ではなくて、依頼を受けてやって来た冒険者なんですが…」

 俺は、うつ伏せたままの女性に、来た理由を伝える。

「君が?」

「はい、そうですけど、何かまずいですか?」

「いや、そんな事はないけど、大丈夫?」

「何が大丈夫なんでしょうか? 依頼内容は、お店の手伝いとしか書かれてなかったと思うんですが?」

「そうだっけ?」

「はい。そうですね」

「そっか… なら、今言うけど、やって貰いたい事は、お店の片付けや本の整理… 出来そう?」

「まぁ、出来なくはないですね」

「本当… なら、お願い…」

「分かりました。それにしても、さっきの大丈夫ってのは何なんですか?」

「あぁ… 男の冒険者だと苦手な人がいそうだから…」

「なるほど… 納得です」

「でしょ… えーと、あれ? そう言えば、君の名前なんだっけ?」

「あぁ、すみません。俺は、セウンって言います」

「セウン君ね。私は、マレン… 一応、色々な情報を取り扱ってる…」

 情報を取り扱ってる?

「情報屋って事ですか?」

「そんなものかな…」

「へぇ、凄いんですね」

 俺が純粋にそう言うと、

「それほどでもない…」

 そう言いながらマレンさんは、顔を背けたが、ほんのりと赤くなった顔は隠せてなかった。

「それじゃあ始めたいと思いますけど、先に本の整理をしたいんですけど、本はどこに置けばいいですか?」

「奥の部屋…」

「全部ですか?」

「うん… もう、読み終わったから…」

「それは、凄いですね。マレンさんって、読書家なんですね」

「ま… まぁね…」

 横をむいていたマレンさんは、顔を伏せるが、今度は、耳も赤かった。
 どうやら誉められるのになれてないみたいだ。

「なら、始めますね」

「うん… お願い…」

 顔を伏せたままなので、一声かけてから始める。
 俺は、近くの本からアイテムボックスに入れていき、全部入れ終えたタイミングで、マレンさんに声をかけ、驚かれたりしながら本の整理や片付けを終わらせていった。
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