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33話・元女王だから…

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 俺は、街についてもマオを背負ったまま、マオの案内のもと、マオの家にむかった。むかう途中、気になった事を聞いてみる。

「てか、マオって家持ってたんだな?」

「一応、ここでの暮らしも長いから、買っておいたのじゃ」

「へぇ、そうなんだ。あ、次どっち?」

「右じゃ。そして、しばらく真っ直ぐ進むと儂の家じゃ」

「了解。しっかり、捕まっていてな」

「わ… 分かったのじゃ」

 俺は、言われた通り、右に曲がり、しばらく真っ直ぐ進んだ。

「ここか?」

 言われた通りに進むと、塀のある広めの庭付きの家が建っていた。家も、前世でいう一戸建てだ。

「そうじゃ」

 どうやら、ここらしい。
 俺は、門の前で、マオを下ろす。

「セウン。ここまで、ありがとうなのじゃ」

「いいよ、別に。俺が、好きでやった事だしな。それじゃあ、マオ。しっかり、休むんだぞ」

「分かっているのじゃ」

 マオを送り届けたので、俺も帰ろうとすると、

「せ… セウン!!」

 マオに大声で止められる。

「どうした?」

「お… お茶でも、飲んでいかないかの?」

「お茶?」

「そ… そうじゃ。どうかの?」

 まぁ、別に時間が無いわけではないので、

「別に、いいぞ」

「ほ… 本当かの!! それじゃあ、こっちじゃ!!」

 そういえば、女性の家に入るのは、前世も合わせて初だ。少し、緊張しながら、俺は、マオの後に続いて家へと入って行く。



 

 家に入り、リビングに案内しようとした所で、儂は立ち止まり、セウンを家に招いた事を後悔した。
 セウンは、儂の後ろからリビングを見回してから、

「なぁ、マオ」

「な… なんじゃ?」

「お前って、片付け出来ない?」

「!?」

 そう聞いてきた。
 リビングには、儂が読み片付けるのを忘れていた本が、乱雑になっていた。

「あ… 朝、散らかしただけじゃ…」

「本当か?」

「・・・」

「本当か?」

「す… 少し、苦手かもしれんのじゃ…」

「だろうな… 手伝ってやるから、片付けようか?」

「お… お願いするじゃ…」

 儂たちは、片付けをはじめた。





 俺は、初めての女性の家で緊張していたが、散らかった部屋を見て、緊張が消え去った。
 俺は、部屋の片付けを提案し、リビングだけでなく、服や本で散らかったマオの自室なども片付けた。
 片付けなどが終わった頃には、日が沈んでいた。

「重ね重ね、ありがとうなのじゃ…」

 俺は、視線を下にずらす。

「だから、お礼は、もういいって… 頭をあげてくれよ、マオ。それより、早く御飯を食べようぜ」

「…分かったのじゃ」

 マオは、立ち上がり俺の前の椅子に腰掛ける。

「いただくのじゃ」

「召し上がれ」

 マオは、俺の作った御飯を食べ始める。
 料理は、前世でもやってたし、こっちでも、手伝いなどやっていたから、ある程度の腕はある。おじさんの作ってくれた弁当でも良かったんだけど、マオと話している最中に料理が出来る事を伝えたら、作ってくれと言われたから、久しぶりに、作った。
 因みに、マオは手伝おうとしてくれたが、皿を3枚割った所で、戦力外通告を出した。

「美味しいのじゃ!!」

「そいつは、良かった。そんなに、勢いよく食べて、喉につめないようにしろよ」

「分かっている… !?」

「だから、言ったろ…」

 喉をつめらせた、マオに飲み物を手渡す。

「助かったのじゃ…」

「今度は、ゆっくり食べろよ」

「分かったのじゃ…」

 その後も、のんびり御飯を食べて、俺はマオの家を後にした。
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