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二章 ハーレムルート
解放
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寮に戻り皆からの鋭い視線に晒された。
ソファに座るも両隣にはライにアレックス、正面にはエドとリック…それにエイダン様もいる。
「シャル…いつからだ?」
怒っているのとは違うライの真剣な表情。
「…ぇっと…つい最近です。」
「具体的に?」
怒った時は敢えて笑うアレックスから今は笑みが消えている。
「二…二週間…くらい前?かな…。」
「何された?」
エドらしく無い鋭い声なのは僕の所為だよね…。
「…えっ?何って…その…王子が倒れた時の事とか…聞かれた…」
「その後は?」
優しくも僕を追い詰めていくリック。
「その後は…猫さんと遊びましたっ。」
言ってないことはあるけど、嘘は吐いてない。
「…何か飛ばしてないか?」
浅はかな僕の考えはエドだけでなく皆に通用せず、鋭い視線が突き刺さる。
「ふぇえっ…」
皆の尋問にしどろもどろになりながら必死に答えていたが、逃げきれない僕は目線も定まらずついには声が裏返ってしまった。
「何かあったんだろ?王子の事を聞かて終わりじゃないはずだ。」
それにライ達に嘘はつきたくない…。
「………。」
「シャルマン…僕達はシャルマンを責めている訳じゃないんだ、何があったのか知りたいし相手の目的も確認したいんだ。」
…リックの優しい言葉で僕は決心した。
「…えっと…抱きしめられたことが…ある…かな…。」
だけど、誤魔化せるなら誤魔化したい…。
「他には?」
「…む…胸を…触られた?」
怖い…。
「他は?」
他…。
「……の…まれた?」
「…何をだ?」
ひっ怖いよ…。
ライの声に驚いたが皆の目も一層険しくなった。
…これは言うべきじゃなかったかも…。
もう皆分かってるんだよね?
「……母…乳…」
俯いて小さな声で白状してしまった。
一番隠したかった事を…皆に知られたくない秘密を…。
「「「「「………。」」」」」
皆もなんとなく気付いていたが、僕の口から直接真実を…。
長い沈黙を壊す勇気は僕にはない…。
壊したのはアレックスだった。
「そうなる前に私達に言わなかったんです?」
「…それはあの人に出会った日にされて…」
「…それから毎日?」
「毎日はされてない。」
うん、毎日はされてない。
「毎日ではないけど、されていた?」
「…ぁっ……はぃ。」
まぁ、たまにです…その…マッサージで母乳が溢れた時に…。
「その事、どうして私達に相談しなかったんです?」
「………。」
相談は…。
「私達は頼りないですか?相手が侯爵家の人間だから。」
「そんなこと無いですっ、それにあの人の爵位も知らないし…僕は…ただ…皆に…知られたくなくて…。」
「どうして知られたくなかったんですか?」
どうしてって…。
「…知られたら…皆に…嫌われちゃうと思って…。」
「そんなことで嫌ったりしませんよ、寧ろ助けを求められなかったことの方が悲しいです。」
「…ごめんなしゃい……っく…っく…うぇえん…」
もっと早くに相談するべきだったんだ…。
皆を信じてない訳じゃない…ただ、知られたくなかった…。
怖くて…。
僕は卑怯だ…泣いたらそれ以上追及できなくなっちゃうのに…。
隣に居たアレックスに抱きしめられ泣き続けると、後ろのライに頭を優しく撫でられた。
楽になっちゃいけないのに…。
ソファに座るも両隣にはライにアレックス、正面にはエドとリック…それにエイダン様もいる。
「シャル…いつからだ?」
怒っているのとは違うライの真剣な表情。
「…ぇっと…つい最近です。」
「具体的に?」
怒った時は敢えて笑うアレックスから今は笑みが消えている。
「二…二週間…くらい前?かな…。」
「何された?」
エドらしく無い鋭い声なのは僕の所為だよね…。
「…えっ?何って…その…王子が倒れた時の事とか…聞かれた…」
「その後は?」
優しくも僕を追い詰めていくリック。
「その後は…猫さんと遊びましたっ。」
言ってないことはあるけど、嘘は吐いてない。
「…何か飛ばしてないか?」
浅はかな僕の考えはエドだけでなく皆に通用せず、鋭い視線が突き刺さる。
「ふぇえっ…」
皆の尋問にしどろもどろになりながら必死に答えていたが、逃げきれない僕は目線も定まらずついには声が裏返ってしまった。
「何かあったんだろ?王子の事を聞かて終わりじゃないはずだ。」
それにライ達に嘘はつきたくない…。
「………。」
「シャルマン…僕達はシャルマンを責めている訳じゃないんだ、何があったのか知りたいし相手の目的も確認したいんだ。」
…リックの優しい言葉で僕は決心した。
「…えっと…抱きしめられたことが…ある…かな…。」
だけど、誤魔化せるなら誤魔化したい…。
「他には?」
「…む…胸を…触られた?」
怖い…。
「他は?」
他…。
「……の…まれた?」
「…何をだ?」
ひっ怖いよ…。
ライの声に驚いたが皆の目も一層険しくなった。
…これは言うべきじゃなかったかも…。
もう皆分かってるんだよね?
「……母…乳…」
俯いて小さな声で白状してしまった。
一番隠したかった事を…皆に知られたくない秘密を…。
「「「「「………。」」」」」
皆もなんとなく気付いていたが、僕の口から直接真実を…。
長い沈黙を壊す勇気は僕にはない…。
壊したのはアレックスだった。
「そうなる前に私達に言わなかったんです?」
「…それはあの人に出会った日にされて…」
「…それから毎日?」
「毎日はされてない。」
うん、毎日はされてない。
「毎日ではないけど、されていた?」
「…ぁっ……はぃ。」
まぁ、たまにです…その…マッサージで母乳が溢れた時に…。
「その事、どうして私達に相談しなかったんです?」
「………。」
相談は…。
「私達は頼りないですか?相手が侯爵家の人間だから。」
「そんなこと無いですっ、それにあの人の爵位も知らないし…僕は…ただ…皆に…知られたくなくて…。」
「どうして知られたくなかったんですか?」
どうしてって…。
「…知られたら…皆に…嫌われちゃうと思って…。」
「そんなことで嫌ったりしませんよ、寧ろ助けを求められなかったことの方が悲しいです。」
「…ごめんなしゃい……っく…っく…うぇえん…」
もっと早くに相談するべきだったんだ…。
皆を信じてない訳じゃない…ただ、知られたくなかった…。
怖くて…。
僕は卑怯だ…泣いたらそれ以上追及できなくなっちゃうのに…。
隣に居たアレックスに抱きしめられ泣き続けると、後ろのライに頭を優しく撫でられた。
楽になっちゃいけないのに…。
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