286 / 414
二章 ハーレムルート
いざ出陣にゃ
しおりを挟む
時間の進みが遅く不安でいるとお兄様が救世主のように現れた。
「大丈夫か?顔色が悪いぞ?」
「だっ大丈夫っ」
「そうか?」
「ぅん…えへへ」
ソファに座り時間になるまで体力温存に努めるも、不安から精神面が削られていく。
早く解放されたい。
ダンス…ダンスさえ終わってしまえば…。
「シャル?…大丈夫だ。」
僕がいつまでも不安の中にいたのを救い出してくれる。
お兄様は優しく肩を抱き寄せて僕は胸に凭れた。
この時間が続いていくれたら良いのに…。
「シャル時間だ行くぞ?」
「あっはい」
馬車までの距離をお兄様がエスコートしてくれ、お兄様と僕が乗りお母様とお父様も続き出発した。
僕の不安を察知して王宮に着くまでお兄様は手を繋いでいてくれた。
降りる時にはエスコートをしてくれる姿になんだか笑ってしまった。
男で兄弟なのに真剣にエスコートされて、今まで何を不安に思っていたのか。素敵な家族がいて不安がることなんて何もない事に気付いた。
王宮に着き会場前で侯爵家として参加するアレックスを見つけ、お兄様に断りを入れてからアレックスの元へ駆け寄った。
気持ちが押さえられずアレックスの胸に飛び込んで抱き付いていた。
抱きしめられた腕の中で、背伸びをすれば唇が重なっている。
人目も気にせず今日初めてのキスを堪能していた。
嬉しさのあまり唇が離れると「もう一回して」と強請ったが、もう侯爵家の入場が迫っていたので断られてしまった。
「にゃ…」
無意識に鳴いてしまったところを慌てて口を塞がれた。
「こら、あまり鳴かないの。貴方が獣人だとバレたら大変なんですからね?」
「あっ」
アレックスに言われて急いで口を両手で覆った。
だけど…まだ実感が無いんだよね。
獣人が~ではなく、本当に需要があるのかな?僕…。
「先にフロアで待ってます。」
軽く唇が触れアレックスは扉の向こうに歩いていった。
「シャル」
名を呼ばれ振り向くと、お兄様の姿があった。
「行くぞ」
「はい」
漸く僕達の入場となり、扉が開けば目映い光と多くの人に圧倒された。
当然ながら多くの人の視線が向けられ、その中を歩き続けた。
ふらつきそうになる足を感覚がないまま勧めていく。
お兄様にエスコートされていなかったら無様に転んでいたかもしれない。
フロアに降り立つも未だに視線は僕達家族にあった。
早く別な所に移って欲しいがなかなか離れることがなく、なんでこんなにも見られているのか分からなかった。
必死に耐えているとフロア全体が静寂に包まれ緊張感が漂い、そして王族が登場した。
全ての者が頭を下げ僕も許しがあるまで床を見つめ、これからパーティーが始まる事を理解した。
「大丈夫か?顔色が悪いぞ?」
「だっ大丈夫っ」
「そうか?」
「ぅん…えへへ」
ソファに座り時間になるまで体力温存に努めるも、不安から精神面が削られていく。
早く解放されたい。
ダンス…ダンスさえ終わってしまえば…。
「シャル?…大丈夫だ。」
僕がいつまでも不安の中にいたのを救い出してくれる。
お兄様は優しく肩を抱き寄せて僕は胸に凭れた。
この時間が続いていくれたら良いのに…。
「シャル時間だ行くぞ?」
「あっはい」
馬車までの距離をお兄様がエスコートしてくれ、お兄様と僕が乗りお母様とお父様も続き出発した。
僕の不安を察知して王宮に着くまでお兄様は手を繋いでいてくれた。
降りる時にはエスコートをしてくれる姿になんだか笑ってしまった。
男で兄弟なのに真剣にエスコートされて、今まで何を不安に思っていたのか。素敵な家族がいて不安がることなんて何もない事に気付いた。
王宮に着き会場前で侯爵家として参加するアレックスを見つけ、お兄様に断りを入れてからアレックスの元へ駆け寄った。
気持ちが押さえられずアレックスの胸に飛び込んで抱き付いていた。
抱きしめられた腕の中で、背伸びをすれば唇が重なっている。
人目も気にせず今日初めてのキスを堪能していた。
嬉しさのあまり唇が離れると「もう一回して」と強請ったが、もう侯爵家の入場が迫っていたので断られてしまった。
「にゃ…」
無意識に鳴いてしまったところを慌てて口を塞がれた。
「こら、あまり鳴かないの。貴方が獣人だとバレたら大変なんですからね?」
「あっ」
アレックスに言われて急いで口を両手で覆った。
だけど…まだ実感が無いんだよね。
獣人が~ではなく、本当に需要があるのかな?僕…。
「先にフロアで待ってます。」
軽く唇が触れアレックスは扉の向こうに歩いていった。
「シャル」
名を呼ばれ振り向くと、お兄様の姿があった。
「行くぞ」
「はい」
漸く僕達の入場となり、扉が開けば目映い光と多くの人に圧倒された。
当然ながら多くの人の視線が向けられ、その中を歩き続けた。
ふらつきそうになる足を感覚がないまま勧めていく。
お兄様にエスコートされていなかったら無様に転んでいたかもしれない。
フロアに降り立つも未だに視線は僕達家族にあった。
早く別な所に移って欲しいがなかなか離れることがなく、なんでこんなにも見られているのか分からなかった。
必死に耐えているとフロア全体が静寂に包まれ緊張感が漂い、そして王族が登場した。
全ての者が頭を下げ僕も許しがあるまで床を見つめ、これからパーティーが始まる事を理解した。
22
お気に入りに追加
2,875
あなたにおすすめの小説
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません
月歌(ツキウタ)
BL
結婚式の当日に平凡オメガはアルファから離婚を切り出された。お色直しの衣装係がアルファの運命の番だったから、離婚してくれって酷くない?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる