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二章 ハーレムルート

シャルマンは何でも似合っちゃうね

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お兄様の腕の中で目覚める朝は最高に目覚めが良い。
先にベッドから出ようとする気配を感じたので、お兄様の足に僕は足を絡めて動きを封じた。
困惑しているように時間が止まったが、頭を撫でられる額にキスをされた。

「シャルはずっと俺の弟だから安心しなさい。」

「…にゃん」

しまった、条件反射で答えてしまった。

「…起きてたのか?」

「んふふ…まだ起きてないです。」

もうバレているのに、お兄様の胸に抱き付いた。

「そうだな、まだ起きなくて良い。」

お兄様はどこまでも僕を甘やかしてくれる。
僕が我が儘なのはお兄様にも原因があるはず…。
その後もベッドでお兄様と癒しの時間を過ごした。
エッチなんてなくてもお兄様といると心が満たされて幸せな気分になれる。
甘い一時を過ごすも家族の朝食の時間はずらせない為、諦めるしかなかった。ギリギリまで戯れていたが限界を知らせに来た使用人の声で、僕も観念して起き上がりお兄様の部屋を後にした。

大人しく部屋に戻り着替えをしてから扉を開けるとお兄様が待っていてくれている。
嬉しさのあまり手を伸ばしながらお兄様へ近付けば当然のように抱き止めてくれた。
二人で食堂へ向かい席について待っていると、お父様もお母様も一緒に現れて、家族は今日も仲良しだなって確信した。

「今日は王族主催のパーティーだ、シャルのエスコートはドミニクがする。婚約者達だと誰にするかで迷うだろう?なので彼らとは王宮で待ち合わせているから、私たちは皆で同じ馬車に乗るよ。シャルはパーティーに不慣れだろうから決して一人になるんじゃないぞ?」

「はい」

お兄様がずっと側にいてくれるなら安心だ。
もしかして僕が粗相をしてしまうとお父様は心配なんだろうか…僕が王子様を追いかけるのではって思ってないよね?
そんなことは絶対にしませんから安心してください。
それよりも、今日の僕は王宮の料理を沢山食べ尽くすことを目標に掲げているんだから。

…あっ、今はあまり食べない方がいいよね?王宮で食べられなくなっちゃいそう。

サラダだけだとお腹が空いてしまうので少しだけにした。
いつもと違う僕に気付いたお兄様に体調を心配されて、恥ずかしいが素直に王宮の料理を沢山食べたかったからだと白状すると皆がクスクスと笑い「もう少し食べておきなさい」と注意された。
やはり、王宮で公爵家の者が食べ物にがっつくのは品位に関わる事なのかもしれない。
僕だけじゃなくお父様やお母様お兄様にも疑いとまではいかないがマナーについて嫌みをいわれらる可能性があることを今気付いた。

行く前に気付けて良かった。

食事を終えて少しだけ休憩すると、お風呂を勧められた。
全身を綺麗にしバスローブ姿で寛いでいると一目て高級そうな衣装が運ばれてきた。

「本日のパーティーのお召し物です。」

手渡された服に興奮しながら袖を通すと、やはり日本人離れしたシャルマンは素敵に着こなしていた。
僕が今のシャルマンなんだけど、似合っていて綺麗だなぁと自画自賛?ナルシスト?のように鏡の前から離れられなかった。

こんなに綺麗だと色んな服着て欲しくなるなぁ。

…女の子の格好も似合っちゃいそう…。
…ダメダメダメ、そんなことしたら本物のシャルマンに怒れちゃう。
僕はこれ以上鏡の前にいたらシャルマンに変なことをしてしまいそうだったので、ソファで大人しく座って待つことにした。
パーティーは夕方からなのにこんなに早くに用意しなくても…とは思ったがパーティーについて何も知らないので口出しはしないでいた。

なんだかパーティーの事を考えると緊張してくる。

ダンスうまく出来るのかとか考え出すと不安で気分もちょっと悪くなってきた。
注目されるの苦手だから、ダンスで転んだりしたらどうしよう…怖いよ…。
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