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二章 ハーレムルート
ダンスっていいかも
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王様の挨拶が終わると、今度は各家門で王族に挨拶が始まった。
またしても長い列を作り時間を要した。
パーティーって無駄…贅沢な時間が多いよね。
男爵家から始まり公爵家までどのくらい掛かるんだろう?
その間にライやエド、リックを探さないとっ。
アレックスは直ぐ近くにいて後ろ姿を見つめることが出来た。
王族への挨拶でライ、エド、リックを発見し、三人を見失わないように必死に目で追った。
僕がふらふらしながら三人とアレックスの姿に着いていっていたので、見兼ねたお兄様が手を繋いでいてくれた。
漸く僕らの挨拶となった時、王族の視線が厳しいものに感じたのは緊張していたからと思いたい。
恐ろしくて早くこの場から立ち去りたかったのに、王様とお父様の会話が始まった。
基本は一言二言で終わるのに長いように感じるのは気の所為?
視線を横に移すと王子様も僕を睨んでる?
もしかして過去に追いかけ回したことを今でも怒っているとか?
そんなにシャルマンは酷いことをしてたのかな?
ごめんなさぃ…今まで?の事は水に流してくださいと僕が言うのもおかしいかもしれませんが、僕はしないんで許してください。
僕もう婚約して、婚約者達を愛してます…ので…だから…その…許して…くだひゃい。
その後は王族の人達の顔を見ることは出来ず、彼らの足元に視線を固定した。
僕はもう皆の邪魔をしないって決めたんだ。
無だ、僕は今から無になるんだ。
静かに存在を消すんだ。
僕はここにいない、ここにいない…。
「……ル……シャル…行くぞ?」
「…ぁっはい」
無心になりすぎてお父様と王様の会話が終わった事にも気付かず、お兄様の声で呼び戻された。
お辞儀をした後は怖くて誰の顔をみること無くその場を逃げるように離れ、公爵家の挨拶が終わると曲が変わりホールの中心から人が消えた。
そこへ当然のように王子様と綺麗な人が現れ映画のワンシーンのような二人だけのダンスが始まった。
二人の華麗なダンスにホールに居た者は時間を忘れ見惚れていた。
僕も完全に二人に視界を奪われ、この後自分もホールに足を踏み入れるという現実を忘れていた。
二人のダンスが終わると心を完全に掴まれ、拍手で素晴らしかった事を伝えた。
「シャル、次は俺達の番だろ?」
いつの間にか僕の周囲には大好きな婚約者達が揃っていた。
差し出されたライの手を取りホールへと足を踏み入れた。
多少の緊張はあったけど今日初のライを目にして怖い気持ちは何処かへ吹き飛んだ。
何故なら正装しているライが格好良すぎるんだもん。
端麗な顔が引き立つ装いに心を奪われ、操られているように手を重ねていた。
何度も練習したステップは余計なことを考える暇もない僕にはライがリードしてくれるまま身を任せた。
ライは意地悪をするようにキス出来そうな距離まで来るのに離れて行ってしまう。
ダンスが終わるまで焦らされ続けたが、良くできましたとご褒美のように甘い口付けを交わした。
僕のライを求める表情を見た人達は何度も僕を盗み見していたらしいが、僕の方はライに夢中で気にもならなかった。
そして次のダンスの相手はアレックスだった。
ホールで見るアレックスは普段の優しい雰囲気とは違い、今日は誰よりも美麗で今すぐにでも腕の中に閉じ込められたいと思ってしまう。
手を重ね夢見心地でステップを踏んでいく。
もはや合っているのかよりも、どこまでもアレックスに着いていきたかった。僕が惹かれるようにアレックスを目撃した人達も同じ気持ちに違いない。
僕を誘惑するように色気を振り撒いていく姿から目を離すことが出来なかった。
一方誘われるがままの僕は嬌艶な表情で多くの人を虜にし始めた。
離れる時にはアレックスの腕の中で気持ちいいキスを披露していた。
次の曲ではエドにリードされ優しさの中に強引さがありつつもたまに唇が掠めたことに驚くも僕からもチャンスを伺っていた。
終わると同時に「キスしてくるなんてビックリした」と唇が触れながら伝えた。
「良かったろ?」
エドのイタズラ好きの子供みたいな表情で聞かれれば「うん」としか言えず、その時の僕の表情はとても優美だったらしい。
そして、リックの番では緊張なんてものは忘れどうやったらキス出来るかばかり考えていた。
「キスしたい」「ねぇ僕にキスして」と無意識に誘うような表情でリックを見つめる僕は妖艶でいて、フロアにいた独身者・既婚者関係なくイケナイ道に誘っていたと囁かれるも、婚約者ではない人達の事をあまり気にしていなかった。
僕が欲しいのはライ、アレックス、エド、リックだけ。
他の人なんて興味ないの。
だからさっ、早くエッチしよ?
リックの腰に腕を回して唇を求めれば啄むようなキスを受けた。
婚約者とのダンスが終わると、フロアにいた人達が一斉に動き出したのを感じ何事?と視線を彷徨わせた。
先程までは入れ替わるだけの人の流れだったのに、皆が何かを目指しているようで怖くなった。
僕の後ろなのか延長にいるのか、こちらに向かってきていた。
もしかして何か新しいイベントでも始まるのかな?と呑気に立ち止まっていると目の前に人が立ちはだかった。
またしても長い列を作り時間を要した。
パーティーって無駄…贅沢な時間が多いよね。
男爵家から始まり公爵家までどのくらい掛かるんだろう?
その間にライやエド、リックを探さないとっ。
アレックスは直ぐ近くにいて後ろ姿を見つめることが出来た。
王族への挨拶でライ、エド、リックを発見し、三人を見失わないように必死に目で追った。
僕がふらふらしながら三人とアレックスの姿に着いていっていたので、見兼ねたお兄様が手を繋いでいてくれた。
漸く僕らの挨拶となった時、王族の視線が厳しいものに感じたのは緊張していたからと思いたい。
恐ろしくて早くこの場から立ち去りたかったのに、王様とお父様の会話が始まった。
基本は一言二言で終わるのに長いように感じるのは気の所為?
視線を横に移すと王子様も僕を睨んでる?
もしかして過去に追いかけ回したことを今でも怒っているとか?
そんなにシャルマンは酷いことをしてたのかな?
ごめんなさぃ…今まで?の事は水に流してくださいと僕が言うのもおかしいかもしれませんが、僕はしないんで許してください。
僕もう婚約して、婚約者達を愛してます…ので…だから…その…許して…くだひゃい。
その後は王族の人達の顔を見ることは出来ず、彼らの足元に視線を固定した。
僕はもう皆の邪魔をしないって決めたんだ。
無だ、僕は今から無になるんだ。
静かに存在を消すんだ。
僕はここにいない、ここにいない…。
「……ル……シャル…行くぞ?」
「…ぁっはい」
無心になりすぎてお父様と王様の会話が終わった事にも気付かず、お兄様の声で呼び戻された。
お辞儀をした後は怖くて誰の顔をみること無くその場を逃げるように離れ、公爵家の挨拶が終わると曲が変わりホールの中心から人が消えた。
そこへ当然のように王子様と綺麗な人が現れ映画のワンシーンのような二人だけのダンスが始まった。
二人の華麗なダンスにホールに居た者は時間を忘れ見惚れていた。
僕も完全に二人に視界を奪われ、この後自分もホールに足を踏み入れるという現実を忘れていた。
二人のダンスが終わると心を完全に掴まれ、拍手で素晴らしかった事を伝えた。
「シャル、次は俺達の番だろ?」
いつの間にか僕の周囲には大好きな婚約者達が揃っていた。
差し出されたライの手を取りホールへと足を踏み入れた。
多少の緊張はあったけど今日初のライを目にして怖い気持ちは何処かへ吹き飛んだ。
何故なら正装しているライが格好良すぎるんだもん。
端麗な顔が引き立つ装いに心を奪われ、操られているように手を重ねていた。
何度も練習したステップは余計なことを考える暇もない僕にはライがリードしてくれるまま身を任せた。
ライは意地悪をするようにキス出来そうな距離まで来るのに離れて行ってしまう。
ダンスが終わるまで焦らされ続けたが、良くできましたとご褒美のように甘い口付けを交わした。
僕のライを求める表情を見た人達は何度も僕を盗み見していたらしいが、僕の方はライに夢中で気にもならなかった。
そして次のダンスの相手はアレックスだった。
ホールで見るアレックスは普段の優しい雰囲気とは違い、今日は誰よりも美麗で今すぐにでも腕の中に閉じ込められたいと思ってしまう。
手を重ね夢見心地でステップを踏んでいく。
もはや合っているのかよりも、どこまでもアレックスに着いていきたかった。僕が惹かれるようにアレックスを目撃した人達も同じ気持ちに違いない。
僕を誘惑するように色気を振り撒いていく姿から目を離すことが出来なかった。
一方誘われるがままの僕は嬌艶な表情で多くの人を虜にし始めた。
離れる時にはアレックスの腕の中で気持ちいいキスを披露していた。
次の曲ではエドにリードされ優しさの中に強引さがありつつもたまに唇が掠めたことに驚くも僕からもチャンスを伺っていた。
終わると同時に「キスしてくるなんてビックリした」と唇が触れながら伝えた。
「良かったろ?」
エドのイタズラ好きの子供みたいな表情で聞かれれば「うん」としか言えず、その時の僕の表情はとても優美だったらしい。
そして、リックの番では緊張なんてものは忘れどうやったらキス出来るかばかり考えていた。
「キスしたい」「ねぇ僕にキスして」と無意識に誘うような表情でリックを見つめる僕は妖艶でいて、フロアにいた独身者・既婚者関係なくイケナイ道に誘っていたと囁かれるも、婚約者ではない人達の事をあまり気にしていなかった。
僕が欲しいのはライ、アレックス、エド、リックだけ。
他の人なんて興味ないの。
だからさっ、早くエッチしよ?
リックの腰に腕を回して唇を求めれば啄むようなキスを受けた。
婚約者とのダンスが終わると、フロアにいた人達が一斉に動き出したのを感じ何事?と視線を彷徨わせた。
先程までは入れ替わるだけの人の流れだったのに、皆が何かを目指しているようで怖くなった。
僕の後ろなのか延長にいるのか、こちらに向かってきていた。
もしかして何か新しいイベントでも始まるのかな?と呑気に立ち止まっていると目の前に人が立ちはだかった。
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