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8の扉 デヴァイ 再々

「世界」との決別

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 場所も ひと も
 なにも変わっていないのだけど
 あの 「軸が移動した」時の様に。

 「自分が変化した」のが わかる 感覚


「 えっ でも なんで?  でも 。 」

私は 一人。

青のホールで天井を見ながら アホ面をして呟いて いた。


「 でも。なんか、。そう、 なんだよね。 なんだこれは。」

景色はなにも、変わっていない。

いや、みんなの美しさはグンと上がっている気はするけど
そもそもの「テンプレート」、この場所や空間は 変わらず「私の空間」のままで
スピリット達もいつも通り
きっとイストリアや本部長はまだ寝ていて
朝は起きてそう、
調度品達はなんか 騒いでる
廊下の奥の礼拝室は光って るし ??


「  えっ ナニコレ。」

 どう なってるの ?????


訳は全く、わからないけれど わかるのはただ一つ

 「私が変化して 境界が引かれた」

ただそれだけである。


 なんか よく わかんないけど。

 「世界」と「私」の間にあった「なにか」が
 すっきり無くなり
 私は本当に「解放」されて。

 
   「今 なにも持っていない」
 それがよく、わかるのだ。


「なんか。 全然、わかんないけど わかる。 それだけは。」

全く意味は分からないが 多分、私の「なかみ」が整理されて。

 これまでの「行動」「ピース」「カケラ」が
 「ピタリと嵌り」「かたちになって」
 「あるべき場所に嵌った」

 そうなのだろう。


今まで ずっと 見ていた「世界
ごちゃごちゃしていた「世間」
混乱する「世界」の 物事に。

「もう 全く」、それが自分でよく、わかる。

やはり私は。

 気になっていたのだ。 まだ。

 
荒れてゆく「世界世間」に

 後ろ髪を 惹かれて いて
 重石を 自分が自ら 持っていて
 「なんとかしなければ病」に かかって いて。

しかしそれが今、完治し「私はもう、のんびり観照する」
その位置に自分が「」のが、わかるのだ。


 「もう なんの影響も 受けない」

その場所に。

自らが 立ったのが わかる。


 なんでなのかは、わからないけど。




「  ふむ 。」

しかし、その「きっかけ」はわからないが「理由」はわかる。

私がからだ。

 でも ずっと「したい」と思っていても
 なかなかできなかったことが「今」成った

その事実に些か興奮気味の自分が 少し面白い。


「 ふぅ~む。」

だから、なにしろ とりあえず
この状態を落ち着かせ 沁み込ませ 堪能して
モノにする為に。

暫く 美しい青と楽しそうに舞うみんなを眺めて、「祝福を味わう」ことに したのである。









そうして幸せ色を堪能する日々を 意識的にのんびりと送り
暫く して。

まだ「世界」と微調整しながらも、私の中の「領域」は順調に機能し始めている。


 「じぶん」といううつわ

 "'ここでぜんぶ" で あるということ
 侵さず 侵されぬ領域
 
 それ即ち「自分という 境界」。


「せかい」「裏側」に存在している私は ひかりで。

「世界」に 在る私は物質であるからして
その「器」が境界となる。
それは その細胞 構成物質 粒子のかたち
成り立ちからして「私だけのかたち」、だからこそ成し得る「それ以外を判別する」機能。


 私は 私自身も
    私自身の 創造物も 
 「自分の選んだ色だけ」で 創る事ができて。

 これまでの様に
 「予め用意された」「好みではないもの」
 「使いたくないもの」は 使わなくて良いのだ。

「自分のルール」で「自分の選んだものだけ」を使い、創造してゆく自分の せかい。

それが実際、段々とすっきりカタチになってきて
周りがクリアになってきて
「自分の使い方」も よく、わかってきて。


「 うん。」

少しずつ、慣れてきている自分の進歩を感じながらも 焦らぬ様
休息するのを 忘れない様にする。

 時折 走り過ぎてしまう
その微妙な癖は。

きっと、まだ残っているからだ。


そして時々 練習がてら「世界」を覗いて見る事も ある。

その中で
時折、「なんでなんだろう?」とカケラを回す事はあっても その返事が来るのも早いし
その「事柄が持つ澱」に、いちいち引き摺られる事も大分減ってきた。

先ずは なにしろこの状態を維持する事に慣れる
それが目下の課題である。


「まあ、ちょいちょい のんびり。やっていきましょう、かね?」

この頃のぐるぐる展開、なにやら複雑にこんがらがっていた 私の「なかみ」。

しかし やはり
   「自分で決めた」ということ
   「覚悟が決まった」、事実

   しっかりと「決めるということ」が。

「 こんなにも、実際効果が。 あるとは。」


少し前に、自分でも感じていた「変化の面白さ」
それにも共通するけれど、人の心 なかみ
所謂「考えの流れ」とは。
やはり、面白いものである。

  
   「変化」

            「順序」

     「準備」
           「前置き」

  「流れ」

      「覚悟」

  
     「自分の ペース」 


くるくると回り始めたカケラを見ていると、自分にとって「大切なこと」が 分かってきた。

 「絡まりを解くこと」
 「自分の順序で 並べること」
 「美しくあること」
 「明瞭で 私の本当であること」。


「やっぱり、ずっと前に「覚悟ができてるのかできてないのか」、悩んで?いや、悩んではないんだろうけど 分かんなかったけど。 それとは、やっぱり違うんだよね。あの時は、まだ。 多分、なにかカケラが足りなかったし 順序もバラバラ、絡まり合ってて だから やっぱり覚悟を決めたと言っても。」

 そう       だったんだ。


 あれは確か。

 ラピスに 行ったり きたり
 なんだか 「覚悟」が どうこう
  「決める」ことは 決めたのだけど
 実際 ぶっちゃけ 「覚悟」って。

 
   「その場」に なってみないと
    わかんないよね? 

 そう 思ってたんだ。


でも、ある意味それは正解だろう。

 やはり「覚悟を決めるだけ」では。

 「こと」は 何も成らないのである。


「 でも、 。それこそ、なんも 起きない 、いや ならない、けどね?」

その 「決める」と「やる」
   「本当に スタートすること」

そして 「覚悟」と「行動」のバランスが
     必要なのだろう。


「そう、何事もバランスよね。」

直ぐに突っ走り気味の自分に言い聞かせる ことば

それを反芻しながら やはり。

「 ふむ。」

  なんとなく ムズムズする からだ

 しかし 動きたくない 様な 気もするし

   でも 走り出したい様な ?

   気も ?  する けど  実際。


休息が まだ必要かと 思って。


「  ふむ。」

 
 無意識に 側にある
  フワリとした 金髪を撫でていた。

つい 癖で伸びていた手は 
きっと寝たフリをしていた あの色を反応させたのだろう。


「そうか。」

「 えっ」

 「そうか」って   なに ?  ?


しかし、私のフワリと出した 疑問の風など
一瞬で 光の虚空へ吹き飛ばされて。


 なにやら  金色の

   川の流れに 。

  くるくる   フワフワと

 巻き込まれて行くことと なったので ある。



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