魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

４６５．銭湯

「臭っ！」

　オリエは少し前から漠然と感じていたことをはっきりと知覚した。冒険者ギルド周辺の男達が酷い臭いを放っている。主にダンジョン族と呼ばれる連中がそう。

「ほう」

　相談を受けた魔王は失念をしていたとばかりに関心を示す。音と光景は監視していても臭いまでは監視していないので、改めて気付かされた格好だ。

「ならば銭湯を建てようか」
「セントウ？」
「小銭を受け取って風呂を使わせる商売のことだ」
「へー。だけどお金を払って入ろうとするかな？」
「入らなければ冒険者ギルドの出入りを禁止しよう」

　銭湯は即日建った。