生活魔法は万能です

浜柔

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500 午前の予定

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 翌朝はドーズとジェルロも交えての朝食だ。打ち合わせも兼ねている。
 ジェルロは昨日醜態を晒したためか、表情は硬く、目は泳ぎ気味。しかしするべき事はしっかりこなすらしい。

「本日の午前中、私がダブラ村村長に土地使用の許可を得て参ります。午後からはドーズに本格的な宿舎を建設を頼みます」
「おう」
「今日の今日で許可が得られるものかしら?」
「その点はご心配なく。事前に口頭での許可は戴いております」
「それは始めからこの村に開発拠点を置くつもりだったと言うことかしら?」
「その通りです。ダンジョン最寄りのラナファーベは外部の者には少々扱い辛い町なものですから避けたのです」

 ルキアスはふと思い出した。

(それであの時キルシルセッカさんはラナファーベに寄らなかったのかな……)

 懸念があるなら話してくれれば良かったのにと思わなくもないルキアスだが、あの時話されていても成り行きを変えられたとも思わない。宿に困っただけだろう。何より、もう過ぎた話だ。

「午前中には何も無さそうなので、ぼくはダンジョンに行こうと思います」
「それなら俺も行くぜ。昨日は行かなかったからな」
「ボクも行くとするよ。砲台の調子も確かめなきゃいけないからね」

 ザネクとフヨヨンも行くらしい。

「わたしはお留守番してるわ」
「悪いけどあたしも」

 メイナーダとシャルウィは何かすることがある様子だ。

「ふーむ。わしもダンジョンの様子を見せて貰うとしようか。タイラクも付き合え」

 ドーズはメイナーダとシャルウィに目をやってから言った。

「俺は別に行く必要……、わーったよ俺もダンジョンに行くぜ」

 タイラクはメイナーダからじとっとした目で見られているのに気付いてドーズに同意した。
 女には男に内緒にしたい何かがあるらしい。
 そうしてルキアスはダンジョンへとやって来た。
 ただ、第一階層に入ってみると、少し様子がおかしい。

「ザネクは昨日は来なかったんだよね?」
「来てないぞ」
「二日分にしては魔石が少ないよね?」

 前回の回収は一昨日だった。魔物の勢いは相変わらず衰える様子が無い。だったら二日分の魔石が落ちている筈だ。ところが落ちているのは一日分にも満たない量でしかない。
 考えられるのは他の誰かによる回収だ。その誰かは恐らくラナファーベの住人。

「こっちも放置してるだけだから誰かに持って行かれてもどうしようもないさ」

 フヨヨンは大雑把であった。
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