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166 徹夜
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オークの魔石を回収し終えたルキアス達は手伝いの三人も伴ってメイナーダ達の許まで引き上げた。
この時には勿論エリリースの身形も整え終えられ、醜態など一切無かったように完璧な後始末もされている。それでもエリリースがルキアスと顔を合わせた途端に動きがぎこちなくなっても仕方のないことだろう。
「そ、そちらの方々はっ?」
言葉もぎこちなくなってしまうが、答えるルキアスも似たようなものだった。
「てっ、手伝って貰った人達だよっ」
お互いに「何か話さなければ」と思いながら何も思い浮かばず、ぎこちなく見つめ合ったり目を背け合ったりする。メイナーダやロマは苦笑するばかりだ。「まったく見てらんないなぁ」と二人は脇に置いて話を進め、ロマがざっくりと経緯を説明する。
「そう、あなた達が魔石回収を手伝ってくれたのね。あ・り・が・とっ」
「いえっ!」
「こちらこそっ!」
「ありがとうございますっ!」
ところがメイナーダが少しお茶目にウインク混じりでお礼を言えば、手伝いの三人はカチコチになって声を上擦らせて答えた。ラフな恰好で子連れでも尚、メイナーダの発するむせかえるような女の色香はルキアスと同年代の少年には毒なようだ。
続けて軽く自己紹介。中肉中背で角刈りの少年はセス、大柄で短髪の少年はバンテ、細身で長髪の少年はチルベと名乗った。彼らはこの町の生まれで小遣い稼ぎに探索者をしているらしい。
それから全員でメイナーダの用意したスープを飲んでお互いに今夜の経験を話している間に夜も白み始めた。因みにスープにオーク肉は使われていなかった。
「あー、朝だー」
ルキアスは欠伸を噛み殺した。戦闘……はしていないがその中には居て、その後に働いたりもして貫徹だ。ただの貫徹より疲れが溜まっている。
「さすがにこたえたな」
ザネクも欠伸を噛み殺した。ルキアスと違って戦闘もこなしているので余計に疲れていても不思議ではない。だが鍛え方がルキアスとは違うので疲れ方はルキアスより少ないかも知れない。
「それじゃ、そろそろ行きましょうか」
メイナーダの言葉に皆頷いてのろのろと立ち上がる。皆で夜明けを待っていたのだ。疲れた中での夜道は歩くだけでも危うい。行った先で戦闘が予想されるので尚更だ。
で、揃って螺旋回廊へと向かったのだが……。
「おう! リュミア! 無事だったか!」
螺旋回廊の前で待っていたのはオークの群れではなく、ガノスであった。
オークの群れは夜の間に駆逐されていたのだ。みんな揃って脱力した。
この時には勿論エリリースの身形も整え終えられ、醜態など一切無かったように完璧な後始末もされている。それでもエリリースがルキアスと顔を合わせた途端に動きがぎこちなくなっても仕方のないことだろう。
「そ、そちらの方々はっ?」
言葉もぎこちなくなってしまうが、答えるルキアスも似たようなものだった。
「てっ、手伝って貰った人達だよっ」
お互いに「何か話さなければ」と思いながら何も思い浮かばず、ぎこちなく見つめ合ったり目を背け合ったりする。メイナーダやロマは苦笑するばかりだ。「まったく見てらんないなぁ」と二人は脇に置いて話を進め、ロマがざっくりと経緯を説明する。
「そう、あなた達が魔石回収を手伝ってくれたのね。あ・り・が・とっ」
「いえっ!」
「こちらこそっ!」
「ありがとうございますっ!」
ところがメイナーダが少しお茶目にウインク混じりでお礼を言えば、手伝いの三人はカチコチになって声を上擦らせて答えた。ラフな恰好で子連れでも尚、メイナーダの発するむせかえるような女の色香はルキアスと同年代の少年には毒なようだ。
続けて軽く自己紹介。中肉中背で角刈りの少年はセス、大柄で短髪の少年はバンテ、細身で長髪の少年はチルベと名乗った。彼らはこの町の生まれで小遣い稼ぎに探索者をしているらしい。
それから全員でメイナーダの用意したスープを飲んでお互いに今夜の経験を話している間に夜も白み始めた。因みにスープにオーク肉は使われていなかった。
「あー、朝だー」
ルキアスは欠伸を噛み殺した。戦闘……はしていないがその中には居て、その後に働いたりもして貫徹だ。ただの貫徹より疲れが溜まっている。
「さすがにこたえたな」
ザネクも欠伸を噛み殺した。ルキアスと違って戦闘もこなしているので余計に疲れていても不思議ではない。だが鍛え方がルキアスとは違うので疲れ方はルキアスより少ないかも知れない。
「それじゃ、そろそろ行きましょうか」
メイナーダの言葉に皆頷いてのろのろと立ち上がる。皆で夜明けを待っていたのだ。疲れた中での夜道は歩くだけでも危うい。行った先で戦闘が予想されるので尚更だ。
で、揃って螺旋回廊へと向かったのだが……。
「おう! リュミア! 無事だったか!」
螺旋回廊の前で待っていたのはオークの群れではなく、ガノスであった。
オークの群れは夜の間に駆逐されていたのだ。みんな揃って脱力した。
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