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165 魔石
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ルキアス達は黙々と魔石回収を続ける。一頭を処理するのには頑張っても一分程度は掛かり、三人で手分けしても二時間は固い。そこまで根を詰められないから休憩を入れればもっと掛かる。会話する気も早々に失せようと言うものだ。
数頭毎に身体を解しながらの小休憩。その幾度か目に人の声を聞いた。「すんげ……」「黒焦げだ」「あの火柱だもんな」と火柱が気になって見に来たことが覗える。彼ら自身の『ランプ』に浮かぶその姿をぼんやり眺めていると、目が合った。
「なあ! これやったのはあんた達か!?」
どこか聞き覚えのある声によくよく目を凝らせば、昼間に話し掛けて来た三人組だった。オークからはルキアス達と別の方角に逃げていたが無事だったようだ。
ともあれ問いへの答えだが、ここの惨状はここで作業しているルキアス、ザネク、ロマの為したものではない。しかし為したメイナーダはロマの仲間だし、ここでルキアス達三人が作業しているのもメイナーダに言われてだ。「あんた達」の範疇には入るだろう。
「そうなるね! それより、そっちも無事だったんだね! オークは追って行かなかった!?」
「ん? あ、あー! あんたはさっきの! こっちは無事だぜ! 散々逃げ回る羽目になったがな!」
相手はルキアスに言われて思い出したらしい。
「大変だったんだ!?」
「まあな! こっち程じゃなさそうだがな!」
離れた者同士が大声で話していれば当然ながら周りにも聞こえる。ロマが頃合いを見計らって彼らに話し掛けた。
「なあ! お前ら魔石回収を手伝っちゃくれないか!? 手伝ってくれたらお前らが回収した分の半分をやるぞ!」
あまりの好待遇であった。それ故か、彼らは若干挙動不審気味になりながら話し合う。結論が出るまでに時間は掛からなかった。
「引き受けた!」
彼らは返事をするや否や、「俺はこっち、お前はあっち」と手分けして作業を始めた。
何と言っても彼らにとっては望外の収入なのだ。オークの魔石一つでホーンラビット丸々四羽の価値がある。一日に狩れるホーンラビットは頑張っても二〇羽前後だから、ここでオーク一〇頭の魔石を回収すれば数分で一日分の稼ぎになる。張り切らない訳が無い。
そうした彼らの活躍もあって、二時間足らずでここに散らばるオーク全てから魔石を回収するに至った。
そして彼らはかなり正直だったようだ。ロマは魔石を幾らかちょろまかされるのを前提で話を持ち掛けていたが、ざっと見た感じでは全ての魔石を出して来た。そこでロマは幾らか少なめに魔石を受け取った。彼らの取り分を多くしたのだ。
彼らが喜んだのは言うまでもない。
数頭毎に身体を解しながらの小休憩。その幾度か目に人の声を聞いた。「すんげ……」「黒焦げだ」「あの火柱だもんな」と火柱が気になって見に来たことが覗える。彼ら自身の『ランプ』に浮かぶその姿をぼんやり眺めていると、目が合った。
「なあ! これやったのはあんた達か!?」
どこか聞き覚えのある声によくよく目を凝らせば、昼間に話し掛けて来た三人組だった。オークからはルキアス達と別の方角に逃げていたが無事だったようだ。
ともあれ問いへの答えだが、ここの惨状はここで作業しているルキアス、ザネク、ロマの為したものではない。しかし為したメイナーダはロマの仲間だし、ここでルキアス達三人が作業しているのもメイナーダに言われてだ。「あんた達」の範疇には入るだろう。
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「大変だったんだ!?」
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「なあ! お前ら魔石回収を手伝っちゃくれないか!? 手伝ってくれたらお前らが回収した分の半分をやるぞ!」
あまりの好待遇であった。それ故か、彼らは若干挙動不審気味になりながら話し合う。結論が出るまでに時間は掛からなかった。
「引き受けた!」
彼らは返事をするや否や、「俺はこっち、お前はあっち」と手分けして作業を始めた。
何と言っても彼らにとっては望外の収入なのだ。オークの魔石一つでホーンラビット丸々四羽の価値がある。一日に狩れるホーンラビットは頑張っても二〇羽前後だから、ここでオーク一〇頭の魔石を回収すれば数分で一日分の稼ぎになる。張り切らない訳が無い。
そうした彼らの活躍もあって、二時間足らずでここに散らばるオーク全てから魔石を回収するに至った。
そして彼らはかなり正直だったようだ。ロマは魔石を幾らかちょろまかされるのを前提で話を持ち掛けていたが、ざっと見た感じでは全ての魔石を出して来た。そこでロマは幾らか少なめに魔石を受け取った。彼らの取り分を多くしたのだ。
彼らが喜んだのは言うまでもない。
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