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幕間 2
ギルド本部の常設依頼
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冒険者自治区に着くと4人はギルドの宿で体を休めるように勧められた。
「大きなお風呂もありますし。二人部屋も沢山ありますよ。ギルド本部も近いですしね」
「ギルド本部は見ておきたいな」
マドレーヌが呟く。自分の国がある大陸に戻ってきた安心感はとても強かった。それはアルも同様だったようだ。エディとロゼは船の中でちゃんと話し合い、お互いの本音を言い合い落ち着いたようだった。
「君らが東の商会の客人?」
黒髪の少年はアキラと名乗った。東の国の出身らしい。
「こっから先は特別製の移動手段を用意するからすぐに帰れるけど」
「ここ冒険者ギルドの本部があるんですよね?」
マドレーヌはウキウキと訊ねる。
「ある。内部見学希望?」
「見せてもらえるなら」
マドレーヌが嬉しそうに言う。本部を色々見て回る。マドレーヌとアルはアキラに着いて回り、エディとロゼは勝手に見てもいいところだけ見ていた。最終的に食堂で落ち合った。
「ここもちゃんと依頼があるんだね。常設でダンジョンで肉を取ってくるってのがあったけどあれ、なに?」
ロゼが訊ねる。
「ああ、ここのダンジョン、1Fと2Fでリトルボアとワイルドヘンの卵と肉がドロップするんだよ。近所の街の孤児院の子の稼ぎと食料かな。5Fがボア。8Fがブル系とヒュージボア系の肉、12Fがミノタウルスとオークの肉がドロップするからそういう肉を納入してもらって色んな国に発送したりしてギルドの運営資金にしてるんだ」
「至れりつくせりなダンジョンだねぇ」
ロゼは感心している。
「このダンジョンのセーフエリアはちゃんと空気穴があるから煮炊きも可能でね。奥に籠ってるやつらも結構いるぞ」
「大規模ダンジョン?」
「低層、中層はそうでもないけど下層はたどり着くまで時間がかかる」
アキラの説明を聞き四人はごにょごにょ話していたが、結論がでるまでアキラは黙っていてくれた。
ややあってアルがいう。
「潜ってみてもいいだろうか?」
「いいよ。目的地までは最速で届けるから」
「じゃ、暫く潜る。ここはモンスター津波の心配はないの?」
ロゼが自分たちの街直近のダンジョンの話をする。そして最近死霊術士が街の側のダンジョンにちょっかいをかけているようであると話す。
「ふむ。ロゼのいた街って?」
ロゼは国の名と街の名を告げる。
「わかった。ギルドの上の方にあげとくよ。これ、ギルド案件かも」
「上層部に伝手が?」
「ある。だからお国の心配はしなくていいよ」
アキラはにこっと笑った。
「大きなお風呂もありますし。二人部屋も沢山ありますよ。ギルド本部も近いですしね」
「ギルド本部は見ておきたいな」
マドレーヌが呟く。自分の国がある大陸に戻ってきた安心感はとても強かった。それはアルも同様だったようだ。エディとロゼは船の中でちゃんと話し合い、お互いの本音を言い合い落ち着いたようだった。
「君らが東の商会の客人?」
黒髪の少年はアキラと名乗った。東の国の出身らしい。
「こっから先は特別製の移動手段を用意するからすぐに帰れるけど」
「ここ冒険者ギルドの本部があるんですよね?」
マドレーヌはウキウキと訊ねる。
「ある。内部見学希望?」
「見せてもらえるなら」
マドレーヌが嬉しそうに言う。本部を色々見て回る。マドレーヌとアルはアキラに着いて回り、エディとロゼは勝手に見てもいいところだけ見ていた。最終的に食堂で落ち合った。
「ここもちゃんと依頼があるんだね。常設でダンジョンで肉を取ってくるってのがあったけどあれ、なに?」
ロゼが訊ねる。
「ああ、ここのダンジョン、1Fと2Fでリトルボアとワイルドヘンの卵と肉がドロップするんだよ。近所の街の孤児院の子の稼ぎと食料かな。5Fがボア。8Fがブル系とヒュージボア系の肉、12Fがミノタウルスとオークの肉がドロップするからそういう肉を納入してもらって色んな国に発送したりしてギルドの運営資金にしてるんだ」
「至れりつくせりなダンジョンだねぇ」
ロゼは感心している。
「このダンジョンのセーフエリアはちゃんと空気穴があるから煮炊きも可能でね。奥に籠ってるやつらも結構いるぞ」
「大規模ダンジョン?」
「低層、中層はそうでもないけど下層はたどり着くまで時間がかかる」
アキラの説明を聞き四人はごにょごにょ話していたが、結論がでるまでアキラは黙っていてくれた。
ややあってアルがいう。
「潜ってみてもいいだろうか?」
「いいよ。目的地までは最速で届けるから」
「じゃ、暫く潜る。ここはモンスター津波の心配はないの?」
ロゼが自分たちの街直近のダンジョンの話をする。そして最近死霊術士が街の側のダンジョンにちょっかいをかけているようであると話す。
「ふむ。ロゼのいた街って?」
ロゼは国の名と街の名を告げる。
「わかった。ギルドの上の方にあげとくよ。これ、ギルド案件かも」
「上層部に伝手が?」
「ある。だからお国の心配はしなくていいよ」
アキラはにこっと笑った。
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